From ななころ

プライベートオフィスより


◆前回までのあらすじ

界壁に続き外壁でも問題が発覚したレオパレス社。

補修工事費用や入居者の引っ越し代の負担を見込んだ引当金等「434億円」を特別損失として計上。

最終赤字は439億円となり、同社がこの期間に計上する赤字額としては過去最大となりました。


「レオパレス社はもう存続できないのでは・・・」

といった声まで出ています。


しかし、先日発表された「2019年3月期 第3四半期決算概要」を読むと、興味深いデータが浮かび上がってきたのです。

最終赤字は439億円となった同社ですが、意外なことに営業利益をみると65億円の黒字。

つまり本業は黒字なのです。


その理由としては、収入の柱である賃貸業が崩れていないからなのです。

あんな建物と言ってはなんですが、構造にいろいろと問題のある建物であっても、立地がよくない場所であっても、人口減少の中にあっても、賃貸業は崩れていないのか?


その答えは「入居者属性」にありました。

レオパレス社の物件は、50%以上が法人契約だったのです。

なぜ法人契約だと、今回のような問題が発覚しても、崩れないのでしょうか?



◆なぜ法人契約は安定するのか?

法人契約の場合、ご存知の通り、会社が契約して社員に住まわせます。

多くの場合、住むのは新入社員です。(新入社員の時から何年も住んでいる場合もある)


会社「福利厚生として住宅の提供をしていますよ」

新入社員「ありがとうございます!(どんな部屋だろ?わくわく)」

会社「こちらの部屋です(レオパレス物件は、家具家電付きで、見た目はわりと綺麗。なにより法人割引でコスト削減できるのは大きい。)」

新入社員「ありがとうございます(えっ?レオパレス?他の部屋にしてくださいなんて言えない・・・)」



企業にとっては従業員に関わるコストはなるべく削減したい。

レオパレスの物件の壁が薄かろうが、多少の問題があろうが二の次です。

そのことを理解しているレオパレス社は「コスト削減」を徹底的にPRしています。


(レオパレス社の法人向けサイトより)

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一方で、提供してもらっている社員の方は、「別の部屋にしてください」などとは口が避けても言えません。

会社から補助してもらっている以上、多少のことは我慢するしかないのです。


このような理由から、企業にとってはコストが一番であり、多少のイメージダウンなどではおいそれとは解約しない傾向にあります。

レオパレス社が法人契約を増やそうとしている戦略は見事なものがあります。


個人や学生の契約が緩やかな右肩下がりである一方で、法人契約が右肩上がりになっていることが、その事実を如実に表しています。


そのため、今回のようなイメージ低下の問題があっても、賃貸業は安定しており、最終赤字は439億円にも関わらず、営業利益は65億円の黒字なのです。


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◆まとめ

まとめると、

・レオパレス社は、新築アパート建築ではなく賃貸事業で売上・利益の大半を占めており、今回のイメージ低下で新規受注が取りにくくなっても、大きな打撃は無い。


・レオパレス社の物件は大半が法人契約。そのため、イメージが悪化したとしても、法人契約がきられなければ業績は比較的安定
(施工不良の損失は除く)


・法人は、イメージや実際の住環境よりも、コストや利便性を第一として契約をしているため、他の物件に契約を切り替えずらい。


以上のことから、「レオパレスやばいんじゃないか!?」と言われている中で、私の考えでは意外としぶとく生き残るのではないかなと思っています。



◆今後レオパレス社の存続が危うくなる可能性があるとすると?

とはいえ、過去レオパレス社が法人契約を軒並み切られた時がありました。

2008年のリーマンショックの時です。

企業が次々と倒産したり、財政難に陥り、従業員の住環境まで手が回らない企業が続出したのです。


今後リーマンショックの時のように、経済環境が悪化して企業が苦しくなった場合、同じような事態に陥る可能性はあります。

その場合は、法人契約重視が裏目に出る可能性もあります。


また、今回レオパレス社は重大な法令違反を起こしていたことが発覚したわけですが、コンプライアンス意識の強い企業が、積極的に同社との契約を打ち切る可能性もあります。

(コストよりも、コンプラを重視する企業がどれだけあるかですが・・・)


施工不良の発覚した物件は入居をストップしていますし、わずかではありますが法人契約が切られてきている兆候があります。

今後は、この法人契約の推移に注目したいところです。


(今後どうなる?)
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◆私たち零細大家にチャンス!?

ここまでの流れでピンときた、するどい方もいるでしょう。

そうです、私たち零細大家にとってレオパレス社から入居者を奪うチャンスとも言えるのです。

「コスト削減」「コンプラ」といったキーワードで、レオパレス社と契約している法人に売り込みできる可能性もあるかもしれません。


この辺は、いずれまた機会があればお話ししたいなと思います。

(3月度の不動産投資予備校のテーマが「まだ間に合う!空室対策」なので、そこでお話ししたいなと思います。)

メルマガも合わせてお読みください。



◆編集後記

明日は「第2期ライフデザイン個別指導プログラム」講座の第6回目(全8回)です。


12月からここまで、「目的の明確化 → お宝物件の掘り出し方 → お宝の見極め方」ときまして、いよいよ明日は「現地調査」の実践編です。


所有する物件のある日立市に、受講生6人と一緒に行ってきたいと思います。

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