◆改ざんを知りながら融資を実行

昨日、かぼちゃの馬車オーナーに対する、
スルガ銀行の中途半端な対応には、
”後ろめたさ”を感じると書きました。


スルガ銀行の対応に感じる”後ろめたさ”


ついに、後ろめたかったことが、
あっさりと公のものとされる日がきました。


日経新聞の調査で、
書類の改ざんを知りながら融資を実行したと答えた行員が、
数十人規模でいたと報じられたのです。


〜 記事一部抜粋 〜

スルガ銀「書類改ざん知りながら融資」 不正巡り調査

 女性専用シェアハウスへの投資を巡るトラブルで、大半の所有者に融資したスルガ銀行は、11日までに新たな社内調査の結果をまとめた。販売業者が借り入れ希望者の年収や預貯金額を水増しし、融資を受けやすくしたことについて「審査書類の改ざんを知りながら融資した」との回答があった。こう答えた行員は数十人規模に上るようだ。「行員は不正に関与していない」との従来の説明を覆す内容で、組織的な関与の可能性が強まった。

(日本経済新聞 2018/5/11記事より)

〜 ここまで 〜


関係者の多くが薄々気づいていたことではありますが、
予想では、銀行側は証拠を残しておらず、
銀行員が内部告発や白状することはないと考えられていました。


こうもあっさりと従業員たちが事実を認めたのはなぜでしょうか?

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◆融資実行の見返りまで受けいてた!?


さらに同記事では、
融資実行の見返りを受けていたとまで、
報じられているのです。


〜 記事一部抜粋 〜

 融資実行の見返りに金銭などを販売業者から得る「キックバック」や、業者の接待を自ら受け、または受けた同僚を知っているという回答も複数あったとみられる。

〜 ここまで 〜


不動産投資家の多くが気づいていたことですが、
コンプライアンスが厳しいこのご時世において、
正直愕然としました。。。


私がサラリーマンだった10年前ですら、

「接待はするのも、受けるのも禁止」
「タクシー券はなし」
「1万円以上の見返りを受けるのは禁止」
「1万円未満でも拝受報告必須」
「現金での見返り現金」

うろ覚えのところもありますが、
すでにかなり厳しく制限されていました。


スルガ銀行の一部の役員の関与を、
私は疑っていましたが、

最もコンプライアンスが厳しいはずの銀行で、
融資の不正の見逃しだけでなく、

担当者レベルですら、そんな事態になっているとは、
かなり腐っていたことが伺い知れます。



◆役職者は敵前逃亡!?

金融庁の調査、内部告発、弁護士団の追求、
そして、メディアの追求により、
役職者が一斉に逃げ出し始め、

金融庁が異例の警告まで発していると、
報じられているのです。


〜 記事一部抜粋 〜

スルガ銀「検査忌避になり得る」金融庁が警告

 女性専用シェアハウスへの投資を巡るトラブルで、金融庁は11日までに、問題の経緯を知る役職員の恣意的な退職や解雇は「検査忌避になりえる」とスルガ銀行に伝え、検査への協力を求めた。同行は大半の所有者に建設資金を融資。立ち入り検査中の金融庁は、経緯を知る役職員への聴取が実態解明に不可欠とみて銀行に異例の警告をした。


 合計で1000億円超のシェアハウス所有者への融資の大半を実行し、問題の経緯を知っているとみられた横浜市内の支店の元支店長が3月末に退職。他の役職員らも退職の意思を示していたことが判明した。

 金融庁検査は銀行や現役の役職員を対象とし、経緯を知りながら退職した元行員らには権限が及ばない。関係者が銀行を去れば、実態解明を阻みかねないとの危機感を強めており、異例の警告に踏み切った。責任者らの恣意的な退職は、銀行法63条が禁じる検査忌避(検査の妨害)に該当し、罰則の対象になり得るとスルガ銀行に警告。悪質性が高いと判断すれば、金融庁は刑事告発する構えだ。

(日本経済新聞 2018年5月11日)

〜 ここまで 〜


この記事にある通り、
かぼちゃの馬車の融資に大きく関わっていた、
横浜東口支店の支店長はすでに退職。


それなりの役職に付く銀行員も、
次々と退職の意思を示しているとされています。


退職されてしまうと、
金融庁の調査権限が及ばなくなることもあり、
退職にストップをかけている格好です。


来週14日は、弁護団から、
警視庁に刑事告発も予定されています。


部下をかばうどころか、
罪が重くなると考える役職者から、
逃げ出そうとする行為は、

怒りを通り越して、
なんとも情けなく感じてしまいます。

残された謎・なぜスルガ銀行はそれでも融資をしたのか?(4)



◆記名調査に表れた従業員の思い

今回の社内調査は、
”記名”で行われたと報じられています。

記名で行われているにも関わらず、
数十人規模の銀行員が正直に回答したのたです。

これは驚くべきことです。


自分の立場が危うくなることを顧みず、
名前をさらけ出してでも正直に白状する。

そう簡単にできることではありません。


ましてや銀行という特殊な洗脳環境において。。。


銀行員も後ろめたさを感じていたのかもしれません。

支店長に「やれ!」と言われるから、
仕方なくやっていた銀行員もいることでしょう。


記名しての告白は、
理不尽な会社、理不尽な上司に対する、
ちょっとした抵抗なのかもしれません。



◆疲弊しきった日本の会社組織の現状

以前の記事で、
私はこんなことを書きました。


=== 記事一部抜粋 ===

銀行員の方には頭が良くて、
優秀な方が多いのだと思います。


お役所や支店長や上司からいつも言われて、
日々大変だと思います。


それでも、
日本の経済の明るい未来のために考えて融資をする、
銀行や銀行員が出てきてくれることを願っています!


記事「スルガ銀行の決算報告から読み取れることは?」より

=== ここまで ===


スルガ銀行だけでなく、
旧態依然の会社組織は、
すでに末期を迎えています。

従業員は、会社や上司の理不尽な指示に、
疲弊しきっています。


会社に不祥事があると、
必死にがんばっている部下を見捨てて、
保身に走ろうとする社長や上司。

敵前逃亡する役職者。


今回のスルガ銀行の一連の報道を読み、
まるで、第2次世界大戦の日本の末期をも連想させる、
とても悲惨な状況だと感じた次第です。