◆あらすじ

前回の記事では、TATERUの提案で、
新築アパートを購入した方の記事を紹介しながら、

・新築と中古、始めるなら?

・新築アパートの難しさの理由1

・購入前の調査の方法と新築と中古の確度の違い

についてお話しをさせていただきました。


今日は、これから不動産投資を始める人が、
新築アパートから始める難しさの2つ目をお話しします。


新築 vs 中古



◆新築は難しいと考える理由2

その他に、新築が難しいと考える理由として、
「融資が引きやすい」というのがあります。


「えっ!?融資が引きやすいのは、
 新築物件のメリットじゃないの?」


と思われるかもしれませんが、
実はこれは逆なのです。


融資が引きやすいというのは、
実はデメリットになってしまうのです。



先日、こんなことがありました。

「あれ?またお店が変わってる!?」


私がよくセミナー会場で使っている、
四ツ谷のビル。


1階が飲食店になっているのですが、
受講者が分かりやすいように、
会場案内に、お店の名前を書くことがあります。

「ビルの1階は、◯◯のお店が入っています。」


しかし、このお店がよく変わるのです。

飲み屋だと思ったら、ナポリタン専門のお店になり、
粉もんのお店になったり、、、


何が言いたいかというと、1つ事例として、
飲食店は参入障壁が低いため、競争が激しく、
長く続けるのは大変だということ分かります。


つまり、ビジネスで成功するには、
「参入障壁の高さ」が、
長く安定して収益を生むかどうかのポイントとなります。


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◆新築アパートは参入障壁は高い?低い?

それでは、不動産投資の話しに戻って、
考えてみたいと思います。


新築アパートの融資が引きやすいということは、
誰しもが物件を購入しやすいということになります。

つまり「参入障壁が低い」のです。


ですから、どんどん購入者が増えて、
近隣にどんどん物件が建ちます。


TATERUの管理戸数、
2016年には、なんとっ!?「13,187戸」。

しかもその数が年々加速しているのです。


(TATERUのサイトより)
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ましてや、これからは本格的な人口減少時代。

安定した家賃収入どころか、
激しい競争が待っていることは、
目に見えています。



同じような例として、
かぼちゃの馬車があります。


シェアハウス投資の融資は、
「スルガ銀行で99%の融資が通っていた」
という記事が報じられました。


その結果どうなったか・・・?


たった数年で劇的に物件が急増。

かぼちゃの馬車物件だけで13000戸以上。


たちまち需要は飽和状態となり、
空室が急増、家賃は急落。


安定して30年運営どころか、
1年後も危ういほど、
激しい競争にさらされているのです。


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つまり「融資を引きやすい」ということは、
「参入障壁を低下」させてしまい、
「激しい競争にさらされて」、

結果的に長期間安定した収益を生むことが、
とても難しくなってしまうと考えるのです。



◆中古も同じなのでは?

そこで、また同じような疑問を持つかと思います。

「いやいや、ななころさん、
 融資を引きやすかったら中古物件も一緒でしょ!?」


たしかに、ここ5年は、
中古物件にも融資がバンバン付きました。


特に1棟マンションは、融資が付きやすく、
融資期間が長く取れるため、一瞬で売れてしまうほど、
どんどん購入されていきました。


融資の引きやすい全国の政令都市のような、
都心エリアは、入居募集競争が激しくなっています。


しかし、新築と中古の決定的な違いは、
中古物件の場合は、新築物件と違って、
購入しても「供給数は変わらない」ということです。


もともとの売主さんが入居募集をしていますので、
あなたが購入する前と、購入後では、
その周辺の部屋の供給数は変わっていないですよね!?


その周辺の中古物件をバンバン買っていこうが、
入居募集の競争率は変わらないのです。


(周辺によりレベルの高いオーナーが増えることで、
 競争の質は変わるかもしれませんが。。。)



◆新築物件は金利が低くいのか?

また、新築のメリットとして、
「金利が低い」ということをよく言われます。


たしかに、一般的に、新築は中古よりも、
融資を受けた際の金利が低い傾向にあります。


実際に中古物件ではとても出ないような金利で、
融資を受けている例もあります。


しかし、本当に金利は低いのでしょうか?


・TATERU・・・西京銀行 約2%

・かぼちゃの馬車・・・スルガ銀行 約3.5%


決して金利は低くないですね。。。

記事では、TATERUから購入した鈴木さんは、
西京銀行から2.55%という金利で融資を受けています。


この程度の金利でしたら、中古物件でも、
融資を受けている事例はたくさん知っています。


このように、新築だからといって、
「すべてのケースで、金利が低いわけではない」
ということが分かります。



◆イールドギャップはどうなのか?


上記の通り、新築だからといって、
一概に金利が低いわけではない
ということが分かりました。


そのため、中途半端な金利で融資を受けて、
新築物件を買ってしまうと、
とんでもないことになります。


このブログの読者さんはレベルが高い方が多いので、
ご存知の方も多いかと思いますが、

不動産投資において収益を上げるには、
「イールドギャップ」が重要な数字だと言われています。


「実質利回り(表面利回りではない)」と、

「金利(単純な金利ではない)」との差が、

儲けになってくるという考え方です。



それでは、記事の鈴木さんのTATERUの物件の、
イールドギャップはどうなのでしょうか?


<物件の収支状況>

 満室時想定年収:453.6万円

 実質年収:395.6万円

 経費:90万円(経費率20%)※予想

 総投資額:7661万円

 ⇒ 実質利回り:3.98%(営業利益÷総投資額)



<借入状況> 

 自己資金;491万円
 
 融資額:7170万円
 
 金利:2.55%

 融資期間:35年 ※予想

 年間支払額:310万円

 ⇒ K%(ローン定数) 4.32%
 


<イールドギャップ>

▲0.34%(マイナス0.34%)


※記事に書かれていないところは「予想値」です。

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このように、完全に、
イールドギャプがプラスどころか、
マイナスになってしまっているのです。

これでは持ち出しになってしまいます。。。


新築1年目からこの数字ですから、
この後30年、果たして持ちこたえることができるか、
とても不安になってくる数字です。


このように中途半端な金利で融資を受けて、
利回りの低い新築物件を買ってしまうと、
とんでもないことになることが分かります。

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◆中古物件は新築物件よりも利回りが高い

そして、一般的に、
中古物件は新築物件よりも利回りが高いですから、

イールドギャップの値も大きくなり、
競争が激しくなった場合でも余力があります。


適切な利回りを見込めていれば、
たとえ金利4.5%で融資を受けたとしても、
多少空室が増えたとしても、家賃が下がっとしても、
利回りが高ければ何も問題がないわけです。


さらに、金利4.5%を、金利交渉や借り換えで、
低くすることができれば、
さらに収支を安定させることができるのです。


逆に新築物件の場合はそうはいきません。

金利1%などで融資を受けていると、
0.5%に下げてもらうのは難しいですし、

下げてもらえたとしても、
そのインパクトは低いのです。


まとめると、

・融資を引きやすいということは、
 参入障壁が低く、競争に巻き込まれやすく

・新築でも金利が低くくないケースも多く

・イールドギャップを取りにくく

・余力の幅が狭くなる

ここが私が新築物件を難しいと考える理由の2つ目です。



◆新築は難しいと考える理由3

さらに、新築が難しいと考える理由として、
「経験値」という理由があります。


長くなったので、次回に続きます。




◆編集後記

台風21号の被害の爪痕が残る中、
今度は北海道で大きな地震が発生。。。

北海道に住む方々の無事をお祈りしています。


さて、ここ数年、
連日のように災害が報道されていますが、
大変な時代になりました。


過去の歴史を見返すと、
「災害と政変」がセットとなっていることが、
分かります。


大災害が発生すると、
これまでの体制が大きく崩れ、
政変が起こっているのです。


奇しくも来年(2019年)5月から、
平成時代は幕を下ろし、新元号になります。


不動産投資の業界でも、
今まさに大変革の時を迎えています。


江戸時代から明治時代に変わり、
大きく価値観が変わったように、
私たちの価値観も大きく変わろうとしています。

ゆっくりと着実に・・・。


そして、これまでのルールも通用しなくなります。

これまで当たり前だった慣習が、
まったく通用しなくなります。

明治時代にちょんまげも刀の所有も禁止されたように。


この新しい流れを読みながら、
変革を楽しんでいきましょう!