From:ななころ
プライベートオフィスより

◆前回までのあらすじ

地方のある都市の鉄骨アパート。

満室想定で720万円。


それが、たったの400万円。

表面利回り180%を超える収支。


修繕費を入れても1年も経たず資金を回収できてしまう計算になります。

(物件情報はややぼやかしています。)


しかし、その物件は、「道路に接していない」という致命的な問題を抱えた物件だったのです。

さらに、過去に近隣とのトラブルを抱える、訳ありどころか、訳あり×3の物件。


それでも、1つだけ希望があったのです。

それは誰も入札してこないだろうという希望です。


そして、受講生は入札の決心をしました。

さぁ、いよいよ開札です。

果たして落札できるのか・・・




◆いくらで入札すべきか?

たくさんのワケありを抱えながらも、粘り強く現地調査をしてきました。

何度も収支シュミレーションを繰り返してきました。


やれることはやった。

受講生を見て、ななころは感じていました。


最低入札価格は400万円。

あとはいくらで入札をするかを決断するだけ。


不動産投資は、購入時の大事なステップとして、大きく分けて2ステップあります。

ステップ1は、「買うか or 買わないか」を決断するステップ。

ステップ2は、「いくらで買うか」を決断するステップ。


この2つのステップは、1つ1つ丁寧に踏んでいきたい重要なステップです。


なぜなら「買いたい病」にかかっている人は、このステップを飛び越えてしまうからです。

もう最初から「買う前提」で動いていて、いくらで買うかも関係なかったりして、いかに自己資金を使わずにオーバーローンが引けることばかり考えているんですね。

(はめ込み不動産業者が巧みに誘導しているケースも多いのですが)


そういう意味では、「自分で購入する金額を決める」というステップが必ず入る公売や競売は、良い練習になります。


受講生は、ステップ1を踏み、それからステップ2を踏んでいきました。

シュミレーションを行い、入札金額を自身で決め、入札したのです。

(いくらで入札したかは、ななころにも事前に明かされることはありませんでした。)


結果やいかに・・・

0782e7874d8a44fff2875158ba68839e_s




◆いよいよ開札当日の夜・・・

ななころは、いつものように家族で夕食を食べ、ホームステイしているフランス人の女の子を交えて団らんしていました。


食後のお茶を飲みがら、携帯にふと目を移すと、受講生からLINEにメッセージが入っていました。


スクリーンショット 2020-03-06 10.44.06


なんとっ、落札できず・・・


受講生が入札した金額は「458万4580円」。

2番手が「460万円」。

そして、落札金額は「500万1千円」だったのです。。。

06ef7689477ba7735e3f6113bd80beb9_s



◆現地確認もせず入札?

これは悔しい!


予想通り落札金額は低かったのですが、まさかここまで入札者がいるとは!?

現地確認もせず入札しているというのでしょうか。


いや、きっと隣地所有者や近隣の人が入札しているのでしょう。

それだったら過去のトラブルや敷地問題も把握しているので合点がいきます。


そうでなければ、この物件の問題点をまったく把握せず落札したとしたら、チャレンジ過ぎます。


しかし、興味深いのは「落札金額」です。

500万円ピッタリではなく、500万円と1千円。


おそらく公売や競売を専門にしている業者だと、こういう落札金額設定にはしないでしょう。

もっと機械的に落札金額を設定しているイメージがあります。


500万円ぴったりで入札してくる人がいるだろうという予測の元、1千円だけ上乗せしていたのでしょうか。

とても面白いですね。


いったいどんな人が落札したのでしょうか?


今、登記簿をオンラインで取寄せ中です。

詳細が分かったら後日お伝えできればと思います。



◆最後に・・・

ここまで第8話で、受講生の公売挑戦記をお伝えしてきました。


少しでも参考になる部分があればいいなと、1話づつ丁寧に書いてきました。

機械的に書かずに、話しを盛り上げて、なるべ面白おかしくお伝えしてきたつもりです。


途中引っ張りすぎて「なんだこのクソ記事」というコメントをもらいしましたが、じれったく感じた方もいたかもしれませんね。

ごめんなさい。


この受講生は、結果的には落札できませんでした。


入札のために動いた労力や時間やお金は無駄だったのでしょうか?

今回の挑戦は、長い人生の中において意味のあることだったのでしょうか?


今回の挑戦の意味は、受講生本人が決めることなんだと思います。

無駄な挑戦だったか、価値ある挑戦だったかは、受講生の今後の人生が決めることでしょう。



将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできません。

できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。


だから、我々はいまやっていることがいずれ人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかない。

運命、カルマ…、何にせよ我々は何かを信じないとやっていけないのです。


私はこのやり方で後悔したことはありません。

むしろ、今になって大きな差をもたらしてくれたと思います。

EJnEls4WoAI-Olq

(スティーブ・ジョブズ「米スタンフォード大卒業式(2005年6月)のスピーチ」より)




◆編集後記

新型コロナウィルスの影響で、証券会社が潤っているようです。

在宅勤務が増え、株やFXの取引量が増えているのですね。

みなさん、仕事しているのでしょうか!?笑



たしかに、ほとんどのサラリーマン仕事は無駄。

無駄な会議、無駄な資料作成、無駄な派閥間の調整、、、

ななころが11年サラリーマンをやってきて、感じたことです。



ですから、在宅勤務となり、無駄が省かれたのは良いことだなと思います。

ただ、「在宅勤務破産」が増えないようにだけは注意してくださいね・・・。


とはいえ、こういう時にも、安定して稼いでくれるのは不動産です。


新型コロナウィルスの影響なのか、ここまでは退去が少なく、退去1に対して、更新3。

毎月とほとんど変わらず合計100万円ほどが入金される。(返済は毎月20万円弱)

抜群の安定力です。


そして、株価と不動産価格は連動していますから、これから株価が下がれば、ちょっと遅れて不動産価格も下がっていくことでしょう。

これから良い物件がどんどん出てくるようになってきます。


今年一年が俄然楽しみになってきましたよ!