From:ななころ
プライベートオフィスより
 

◆騙されるサラリーマン大家が続出

2013年4月4日。

就任間もない日銀の黒田東彦総裁が“異次元緩和”を発表。

記者会見で「これまでとは次元の異なる金融緩和だ」と述べました。

ここから収益不動産にも異次元の融資が出始めます。


ここから一気にサラリーマンに不動産投資が浸透。

メガ大家、ギガ大家といった言葉まで産み出し、一気に規模を拡大するサラリーマン大家が続出しました。


一方で、異次元の金融緩和の波に乗るかのように、2014年には「かぼちゃの馬車」が誕生。

怪しい不動産投資話も一気に急増しました。


三為業者の暗躍によって売買価格は釣り上げられたり、エセ不動産投資コンサルによってはめ込まれてしまるサラリーマン大家が続出しました。


はめ込みの道具として使われた金融機関としてスルガ銀行が代表されますが、スルガ銀行の収益不動産への融資残高は約「2兆円」(第三者委員会の報告より)。

一人平均1億円の物件を購入したとして、単純計算でオーナー数は約「2万人」。

スルガ銀行だけでこの数。


スルガ銀行以外にも、はめ込み利用された銀行はいくつかあります。

いったいどのくらいのサラリーマン大家が危険水域にいるのでしょうか・・・。


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◆不動産投資は茹でガエル

「茹でガエル」という言葉を聞いたことのある人も多いでしょう。


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 『2匹のカエルを用意し、一方は熱湯に入れ、もう一方は緩やかに昇温する冷水に入れる。すると、前者は直ちに飛び跳ね脱出・生存するのに対し、後者は水温の上昇を知覚できずに死亡する』
 およそ人間は環境適応能力を持つがゆえに、漸次的な変化は万一それが致命的なものであっても、受け入れてしまう傾向が見られる。例えば業績悪化が危機的レベルに迫りつつあるにもかかわらず、低すぎる営業目標達成を祝す経営幹部や、敗色濃厚にもかかわらず、なお好戦的な軍上層部など。

(ウィキペディア Wikipediaより)

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不動産投資の危険なところは、この茹でガエルのように、危険水域に到達しているかどうか投資家本人が気が付きにくいということが上げられます。

じわりじわりと鍋が熱くなっていることに気が付かない・・・。


当初の計算では収支はプラスなはずだったが・・・

年1%づつ家賃下落していったら・・・

金利が上昇したら・・・

大規模修繕が発生したら・・・


気がついたときには「時すでに遅し」なのです。



◆あなたの物件の収支将来予測をしてみよう!

あなたの物件の収支が今後どうなっていくか、計算したことはありますか?


(購入前にしっかりと収支計算を行い、ここまで問題なく収支が回っている人はここ先から読む必要はないでしょう。)


もし物件の収支将来予測をしたことがなければ、今一度ここで計算することが大切です。

対処が早ければ早いほど、悲惨な未来を避けることができるからです。


収支将来予測のできるツールはいろいろなありますが、「楽待のシュミレーションツール」をここでは紹介しておきます。

特にメールアドレスの登録も必要もなく無料で使えて、5箇所だけの入力で簡単ですし、優秀なツールだなと感じています。

もしあなたが物件をお持ちなら、一度入力してみることをオススメします。



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◆危険度レベル

さて、入力結果はいかがだったでしょうか?


「意外と問題なさそう」という方もいれば、「まずい・・・」と気づかれた方もいるのではないでしょうか。

1億円の物件を購入した場合を例として、危険度を3つのレベルに分けてみたいと思います。


=== 計算条件 ===

売買価格:1億円

構造:RC(鉄筋コンクリート)

築年:20年

建物面積:1000平米

融資:1億円(フルローン)

期間:30年

金利:4.5%

入居率:90%

家賃下落率:0.5%

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【危険度レベル1】表面利回り12%

年間の満室想定の家賃収入が1200万円(表面利回り12%)の収支シュミレーションです。

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初年度からかなり薄利ですが、かろうじてキャッシュフローが出ています。

しかし、仮に10年後に大規模修繕を行うとすると、それまでコツコツ貯めてきた利益を一気に利益を吐き出すことに・・・。


大規模修繕を行わければ、家賃下落率「0.5%」を上回る可能性が高く、入居率は「90%」で稼働させることはかなり難しくなります。

返済が終わるまでの30年間を乗り切るまで、ジリ貧の状態が続くことが予想されます。


対策としては、満室稼働を心がけるとともに、早期の金利引き下げや売却を検討した方が良いでしょう。

場合によっては、サブリースや家賃保証が付いているのであれば解除を行い、管理会社の変更も必要となってきます。



【危険度レベル2】表面利回り10%

年間の満室想定の家賃収入が1000万円(表面利回り10%)の収支シュミレーションです。

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初年度からかろうじて収益が出ていますが、かなり厳しい・・・。

大規模修繕を行うこともままなりません。


現状維持のままでいったとしても、10年後には赤字に転落してしまいます。

最大で毎月13万円ほどの大赤字を垂れ流すことが予測されます。


空室率の上昇、家賃の下落、金利上昇、どれかでも発生したら、目も当てられません。

早急の売却や金利交渉や借り換えが必要となってきます。



【危険度レベル3】表面利回り8%

年間の満室想定の家賃収入が800万円(表面利回り8%)の収支シュミレーションです。

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この水準で購入していたとしたら、すでにアウト。

初年度から徐々に赤字幅が大きくなり、持っていれば持っているだけ辛くなってきます。


このまま維持することはとてもできませんから、傷口を広げる前に早急な対策が必要となります。

待ったなしの売却、金利交渉が必要となってきます。

もし売却や金利交渉が難しい場合は、最終手段に移行するしか手立てがありません。



◆どうやって収支を改善したら良いか?

以上のように3つのパターンで、物件収支を見てきました。


このブログを以前からご覧になっている方は大丈夫だと思いますが、万が一これらのパターンに当てはまるようですと、早急な対策が必要となってきます。

虫歯と同じで、ほっといても決して良くなることはありません。


一方で、対策が早ければ早いほど、対処方法があります。

どんな対処方法があるのかを次回からお伝えしていきたいと思います。

(「その2」につづく)

メルマガも合わせご参考ください。



◆編集後記

今回の記事を書いていて、小学校の頃の「夏休みの宿題」を思い出してしまいました。。。


夏休みの宿題って、「最後に絶対苦しくなる」と分かっていても、私は絶対にコツコツできないタイプの人間でした(苦笑)


ですから、私のように「後回しのクセ」が付いている人は危険なのかもしれません。


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(竹書房『アカギ 闇に降り立った天才』第51話「純度」より)