文部科学省は、2021年度1月から、グローバル化や技術革新に伴い、新たな時代を切り開く人材を育成するために、知識・技能だけでなく、思考力・判断力・表現力を評価する試験制度を導入するとのことでしたが、ご存知のように111日、英語民間試験の2021年度からの導入見送りを発表しました。国語・数学の記述式問題に関しても問題点が指摘されており、その実行が危ぶまれている状況です。決定における拙速さ、採点における正確性や実施における公平性、さらには憲法26条の教育の機会均等の精神にも反するのではないかとの疑念も呈されています。こうした状況の中で、ご心配なされているご父兄の方々も多々おられると思います。先ずは新共通テストと現行センター試験との違いをご説明し、それに対するTSK東京進学会の今後の対応をお知らせいたします。

 

各教科の変更点

<英語>

センター試験 筆記200点・リスニング50点が、新共通テストではリーディング100点・リスニング100点となります。リーディングでは、センター試験の発音と語句整序がなくなり、読解がメインとなり、リスニングでは、センターでは2度読まれるが、一度しか読まれない問題もあるようです。

 *なお大学によって、独自にリーディングとリスニングの配点比率を変えるところもあります。

例:信州大:リーディング160点・リスニング40点として現行と同じ1:4の比率。

 

<数学>

数Ⅰ・数ⅠA10分長く70分となり、記述式問題が3問出題されます。得点は、国語と違って段階的評価ではなくマーク式問題と合わせて100点。記述式の配点は試行試験では15点だったが、本番では未定とのこと。

 

<国語>

 センター試験より20分長く100分となります。問題は従来のマーク式に記述式が加わります。マーク式問題が200点(現文100点+古文50点+漢文50点)と点数評価なのに対し、記述式は段階的評価(AE5段階)となります。記述式の小問は3問で文字数は最も長いものは80120字程度となります。小問ごとに解答が3段階で評価するとのこと。評論文のような論理的文章のみならず、「新聞記事」や「規約」「資料や図表」など様々なデータを組み合わせた形での出題形式となる模様です。

 *英語と同様に記述式の段階的評価を合否判断の対象とするか、するにしても度のように扱うかは大学によって異なっています。

 

<その他の教科>

理科では、実験や観察の結果をまとめた表やグラフから必要な部分を抽出して分析し、論理的に解釈する力が試されます。社会も地図やグラフ・資料などを判読し、背景や経緯・原因・影響などを考えさせ、判断する能力が試されるようになります。

 

<総評>-思考力・判断力・表現力を問う-

多くの情報を組み合わせて分析する能力が求められる結果、全教科に渡って問題の情報量が現行のセンター試験と比べて大幅に増加します。様々な素材を関連付けて思考させ、判断させるということです。つまり、知識力はもちろんベースとして必要で、それももちろん問われますが、そればかりでなく、その知識を如何に使って、考え、判断し、表現するかということが新制度の狙いだと言えるでしょう。

 

≪今後の対応≫

 現在、大学入試センター試験の継続を求める声も上がるなど大学入試改革は今後の展開は予断を許さない状況となっています。新しい共通テストの活用も採用不採用を含め、大学によって様々です。こうした状況下で受験生はどのような対応をすればいいのでしょうか?

  1. 今後発表される公式情報収集をすること

    今月1129日にすべての国立大学が2021年度入試の内容について、改めて公表するそうです。私立大学もそれぞれ学部ごとに発表し始めています。TSKとしても随時情報をお伝えするつもりです。

 2.志望を早めに決めること。

理系、文型はもちろんのこと、国公立か私立か、どの大学のどの学部か、早めに決めることが肝心です。そして早めの対策をとることです。高1生も真剣に検討すべきです。私大に関しては、共通テストの混乱を嫌って受験生の相当数が流れこむと予想されています。特に首都圏では合格者数を定員内に抑えるということで難易度が上がっている状況で、さらに難易度が上がる可能性大です。受験生の動向が読めないために従来の大手予備校の模試判定などの受験情報は参考に程度にしておいた方が良いでしょう。

3.いち早く受験体制を整えること

    高1・高2生は高校の行事や日々の学習、部活などで忙しいとは思いますが、1週間のうち、受験勉強に充てる日や時間を作りましょう。また、新共通入試といえども高校の学習をベースにしているのですから、高校での日々の授業も大切にしていきましょう。

 

TSKの対応≫

  今回の改革の目標である「思考力」「判断力」「表現力」は、もともとTSKが授業の目標にしてきたものですが、今まで以上に講師間の連絡を密にとって強化していきたいと思います。

  英語に関しては、共通試験対策として、今までセンター試験対策の土曜演習の一環として9月から行ってきたリスニングテストを春から始めていきます。耳を鍛えるためにディクテーションなど取り入れていきます。また、毎週土曜日に実施している単語テストの問題をリーディングと英語表現向けに、和訳と英作を増やしていきます。ステップラダー英語は、もともと自分の力で英語長文を理解し、英文を書いていく力を養う講座で、文法事項もそれらに必要な項目に絞って教え、それらを読解や英作に応用していくという観点で作成したテキストです。来期からは、より読解と英作を強化した内容にしていくつもりです。民間の英語試験対策は、今後の展開に合わせてフォローしていきます。私大入試は民間試験の導入を決めたところもありますが、まだまだ従来の入試を継続していくところが大多数です。それらに対する対策もこれからの傾向に配慮し対応していきます。

  他の教科ですが、4名以下の授業ですのでそれぞれの授業の中で対応していきます。国語(現文)では、記述式問題を意識した授業を展開し、各自の書いた解答を添削指導していきます。極少人数授業を活かし、個別に近い形で添削していきます。数学や他の教科でも生徒と十分にコミュニケーションをとりながら授業を進めていますが、これまで以上に細かく指導して行きます。以前から講習で始めていますが、論理的文章の書き方講座も一層充実を図っていきます。TSKには現在論文作成を指導できる講師が2名おります。野中講師は河合で小論講座を担当していましたし、坂本講師は小論の参考書も書いています。論理的で的確な表現力をつけるという意味でぜひ利用してほしいと思います。特に小論など文章は添削を受けて初めて勉強になるものです。こうした丁寧な添削は高校や大手予備校などの集団授業で到底できるものではありません。

  また、AOや推薦入試などの利用も増え、より競争が厳しくなると予想されます。TSKでは今までこうした試験対策にも対応してきました。推薦文の添削や模擬面接など行っておりますので、ご利用ください。

  先が見通せない今日ではありますが、ご父兄の方々のご協力とご理解を得て、TSKとして何ができるのか探っていきたいと思っております。何かご要望があれば遠慮なくお申し出いただければと思います。すべては個々の生徒の未来のため全力を尽くすつもりでおります。

 

                            TSK東京進学会