2012年11月

富山に行ってきました

11月23,24日と2日間、JSTのプロジェクトを視察するために富山市に行ってきました。対象となったのは、富山大学の中林美奈子先生をリーダーとする「社会資本の活性化を先導する歩行圏コミュニティづくり」。歩行補助車を使って高齢者にまち歩きをしてもらうことで、行動範囲を広げ、街に活気を取り戻すことが狙いです。

歩行補助車は、今年5月に訪れた北欧で見たものと同型ですが、反射板、買物籠、ベル、傘や杖を支えるフックをつけ、疲れたら座れるようになっているのは、いかにも日本的な細やかな心配りです。昨年も訪問しましたが、1年間でかなり改良が進み、色もステキな赤です。どんな色にするのかについても、モニターである高齢者たちと相談したそうです。

23日の午後と24日の午前、それぞれ車をひきながら、2時間近く歩きました。途中でお茶したり、買物したり、お店をのぞいたり、楽しいひと時でした。それにしても利用者たちは、かなり健脚で、こちらがついて行くのが大変な時もありました。モニターになっていただく方は、希望者を募ったために、どうしてもお元気な人に偏りがちです。最初は、恥ずかしいということで、なかなかモニターになってくれる人がみつからず、老人クラブの会長(すべて男性)を口説いたとのこと。最初は抵抗感があったようですが、今では、むしろ自慢そうで、通りがかりの高齢者に試させたりしていました。富山大学のプロジェクトに協力しているということがプライドになっているようです。

歩くことは心身の健康維持やQOLの向上につながり、寿命を延ばし、認知症の予防にもつながります。ちょっとした助けがあれば、歩行が容易になることを実感させられました。交流会の折に、ある高齢者から歩けるようになっても行くところがないと言う発言があったのは、ちょっとショックでした。ご多分にもれず、富山でも中心市街地は空洞化し、休日というのにあまり人がいません。高齢者だけでなく、若者も集まるようなまちをつくることが、高齢者の外出意欲の向上につながるでしょうね。

富山市はコンパクトシティというコンセプトを掲げて、市街地を活性化を目指しています。高齢者が街に出かけることで、いっそうの活性化が図られることを期待しております。

歩行補助車
歩行補助車です。

歩行補助車出発
安全確認をして、さあ出発!


障害とともに生きる

11月17日(土)は、文京ボランティア市民活動まつり2012でした。昨年に引き続き、手話サークルの一員として、案内係を務めました。手話通訳という腕章をつけさせられ、耳の聞こえない人に問いかけられたらどうしようかと、どきどきしていましたが、幸いそういうことは起こりませんでした。

呼び込みをしながら、会場の一隅で開かれたミニシンポを聞きました。パネリストは、聴覚障害者、視覚障害者、身体障害者、精神科障害者(精神障害ではなく、精神科障害者と言っていました)、社会福祉協議会職員、ボランティアなどです。障害のある人たちのいずれもが語っていたのは、普通に接してほしい、声をかけてほしい、過剰に手助けしないでほしい、ということでした。障害者に対しては、無視するか、さもなければ手を出し過ぎる傾向があります。何をしてほしいのかを確かめたうえで手を貸すことが必要でしょう。

一月ほど前にアメリカの大学時代の仲間が集まりました。その中には、脳梗塞の後遺症で息子に支えられてやって来た人やパーキンソンで手の震えている人もいました。ああそんな年になったのだな、としみじみ思いました。高齢になることは、障害者になることでもあります。人は皆いずれは障害者になるのですから、障害のある人を特別視しないことが肝心です。

文京区では、障害者施設が建てられることに対して反対運動があるそうです。私の家の近所でも、特別養護老人ホームが計画されましたが、住民の反対運動の結果、計画はつぶされてしまいました。反対者たちは、自分もいずれは心身機能が低下し、障害をもつようになることに思い至らないのでしょうね。

障害とともに生きるとは、障害者とともに生きることであるとともに、障害をもちながらも住みなれた家や地域で暮らし続けることでもあります。こうした当たり前のことが理解できない人があまりにも多いことがとても残念です。

右傾化する日本

やっと野田首相が解散に踏み切り、いよいよ総選挙です。気がかりなのは、やたらに勇ましいことを唱える政党が目立つことです。それにしても、維新の会の「強くしたたかな日本」にはびっくり。

石原慎太郎氏は、もともとマッチョな方なのでわからないわけではありませんが。「美しい日本」を目指す安倍晋三氏も伝統回帰色が濃厚です。現在、勢いの良い方々に共通しているのはジェンダーの視点が皆無ということです。

かつて私は内閣府男女共同参画会議の議員を務めました。男女共同参画担当大臣が誕生するまでは、議長は官房長官でした。小泉内閣の時の官房長官は安倍氏でした。いやいやながら議長を務めるという感じで、ジェンダーとか男女共同参画という言葉は一度も使いませんでした。どうしても必要な時には、「男も女も」という表現を使っていました。安倍氏は山谷えり子氏と共同で、自民党内にプロジェクトチームを立ち上げ、ジェンダーバッシングに乗り出しました。各地の講演会にはバッシング派が押し掛け、パブコメには彼らの意見がどっと押し寄せたために、「第二次基本計画」の見出しからは、ほとんどジェンダーの語が消えました。唯一残ったのは、国際関係に関連する項目で、国連でジェンダーの語を使っているので、仕方なく残したという感じです。政権交代後の「第三次基本計画」には、ジェンダーが復活いたしました。

憲法改正の声が高まっていることも気がかりです。憲法改正というと9条と思い込んでいる人が大部分ですが、安倍氏は夫婦の平等を唱える24条も目の敵にしています。「妻は夫に従う」というパターンがお好みのようです。しかし、実際にあの夫婦はどうなのでしょうか。奥様は、かなりリーダーシップを握っているように見えますが。

現在の日本は、経済不況による国民の不満が高まり、軍部が力をもつようになった昭和初期に似ているといわれます。中国や韓国に対して強硬姿勢を採る勢力が増していくのをはらはらしながら眺めております。「戦争への道を許さない女たちの会」を立ち上げた吉武輝子さんが生きていたら、今の状況に対してどう対応するでしょうか。今こそ女たちが連帯し、右傾化する日本に歯止めをかける必要があります。

還付金詐欺

昨日(13日)、新宿区の区政モニター会議に出席した折に渡されたチラシに、「還付金詐欺 激増!」とありました。昨年もいくらかあったそうですが、今年は激増とのこと。わが家にも電話がかかり、新宿区役所に出かけてしまいました。その後、再び、電話があり、「区役所にはいつ行くのか」と尋ねられましたので、「あんた詐欺でしょ」と言ったら、すぐに電話が切れました。

警察に届けたほうがよいと福祉課長に勧められ、早速、牛込署に電話しました。警察の説明でいろいろなことが判りました。過去5年間に払いすぎた医療費を還付すると持ちかけ、巧みにATMに誘導し、携帯の指示にしたがって操作すると、大金が相手の口座に振り込まれるとのこと。「還付金なんて大した額ではないでしょう?」と尋ねたら、そこが狙い目なのだそうです。「3~5万円程度なので、ちょっとしたお小遣いになるかな」と、つい乗ってしまうようです。ある程度の操作後、それでは「あなたの認証番号を入れてください」と言って、986425と6桁の数字を入れさせ、送信ボタン押させます。そうすると、相手の口座に98万6425円が送金されるのです。うまいことを考えたものです。

どこかから名簿が流出したのではなく、電話帳で高齢者らしい名前を選んでかけているようです。警察によると、太郎、二郎といった名前は、最近の若い人には見かけませんからね、とのこと。そういえば、夫の名前にも二郎がついています。また、最近の若い人は、電話帳に載せていないので、電話帳にあるのは、もっぱら高齢者のようです。

「しっかり捕まえてくれなくては」と警察に注文を付けましたが、モグラたたきで、捕まえても捕まえても新しい手口やグループがでてくるので、とうてい追いつかないそうです。しかも、捕まるのは小物ばかりで、元締めにはなかなか辿りつけないようです。消費者被害に会うのは、高齢者が圧倒的に多いので、せいぜい気をつける以外にないようです。

警察によると、いまどきのお年寄りは、皆、携帯を持っていますからね、とのことでしたが、夫は携帯は持っていますが、ほとんと(全く)使えません。短縮ダイヤルで私の携帯にかけるか、電話帳から私が選択してあげると、そこを押すだけしかできません。こういう人がATMに誘導されたら、どういうことになるかとちょっと興味があります。夫は、「携帯が使えなくて良かったでしょう」と威張っています。

オレオレ詐欺(続)

昨日(7日)、介護保険の認定更新用紙を受け取りに来宅したケアマネさんにオレオレ詐欺の一件を話したところ、その日の朝に新宿区役所から注意あったとのことです。かなりたくさんの人に電話をかけているらしく、すでにお金をだまし取られた人もいるそうです。パターンはほぼ同じで、福祉課を名乗っていますが、渡辺、中井の他に高橋というのもあるとのこと。

狙われたのは、要支援の人ばかり。要介護者の中には歩行困難な人も少なくありませんが、要支援者は、ある程度自立しているので、金融機関やATMに出向くことも可能です。うまいことを考えたものです。それにしても、とうやって要支援者の名前を入手したのでしょうか。どこかから名簿が流出したのでしょうね。

介護保険や医療保険がらみで手に入れられるお金は、たかがしれています。せいぜい数万円というところでしょう。夫は、「そんな小額をあてにするようでは、ヤクザも困っているのかな」と呑気なことを言っていました。

ネット社会には、いろいろな犯罪があるものです。皆様、気をつけましょうね。
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