2014年06月

ノーチラス会に行ってきました

NPO法人ノーチラス会は、双極性障害の当事者と家族および支援者による団体です。2年前に夫がうつ病で100日間入院して以来、双極性障害の当事者団体を探していました。ネットで検索したところ、統合失調症とうつ病の団体は、たくさんありますが、双極性障害を専門とする団体は非常に少なく、やっと見つけたグループも休眠中でした。このところ、うつ病に関する書物や講演会は増えていますが、双極性障害はほとんどありません。

ノーチラス会は、双極性障害に特化しているのと、顧問として名を連ねている方々が名の知れた大学や研究機関に所属する人たちなので、怪しげなグループではないだろうと思い、資料を取り寄せて、入会いたしました。しかし、なかなか日程が合わないために、入会後1年以上たってやっと本日(6月28日)、初めて会合に参加いたしました。

参加者は、10人あまり。比較的年齢の若い当事者が多く、家族は私を含めて2人だけでした。皆、率直に自分の体験を語るので、私にとっては大変に参考になりました。北杜夫が双極性障害であることは知っていましたが、夏目漱石、ニュートン、ゲーテ、キャサリン・ゼタジョーンズなどが双極性障害であることを初めて知りました。

話題のひとつに、カミングアウトするか否ががありました。大勢としては,カミングアウトすべきということでしたが、それによって去っていく友人もいるようです。やっと最近になって夫は、病識ができたようで、電話の冒頭で、双極性障害であることを断ることが多くなりました。しかし、多くの人にとって双極性障害という言葉はなじみのないものなので、どこまで相手が理解しているかどうか疑問です。昔から使われている躁うつ病と言ったほうがわかりやすいかもしれません。

理事長の鈴木映二先生によると、統合失調症と違って、双極性障害の人の怒りには理由があるとのこと。私からみると、きわめて理不尽な怒りようですが、当人にとってみれば、正当な理由があっての怒りなのでしょう。怒りのコントロールに関する本を読んでみようと思います。

やっかいな病気に付き合うことになったのは重荷ではありますが、貴重な体験ができることを前向きにとらえようと思います。できれば、いつかこうした体験を出版につなげたいと、せっせと記録にとどめております。



 

金婚式を迎えました

6月25日は、私たちの金婚式でした。ロスアンゼルスの教会で結婚式をあげて以来、50年。はるばると来つるものかなの感があります。50年もたつと記憶が曖昧になってしまい、私は当初から6月25日と言っていたのですが、連れ合いが27日と主張するので、間をとって昨日(26日)に近所のイタリアンレストランで食事をしました。後でチェックしたら、やはり私の記憶が当たっていました。

レストランはイタリア人が経営。雑誌にも紹介されている有名店のようです。日本人とのハーフの自称ドラ息子(店長)が、接待してくれました。アルコール飲料を禁止されている連れ合いは、ノンアルコールのスパークリングワインを持ち込みました。ノンアルコールのワインを売っている店は非常に少なく、これを見つけるのに2週間近くかかりました。こだわりの人です。乾杯だけちょっとつきあいましたが、何だか甘くて頼りない。やっぱりアルコール入りでないと、とばかりに私だけ通常のワインに切り替えました。

50年というと、戦前の平均寿命です。よく持ったものとしみじみ思います。金婚式というと、昔は大変に珍しかったけれど、人生90年時代の今日では、当たり前のことになってしまったようです。人生もそろそろ最終ゴール。これからは終活に向けて、準備しなければと思い、とりあえず引越し以来、10年以上も開けていなかった段ボールを開けて、写真の整理などをいたしました。

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高齢者は若者に禅譲せよ!

6月15日(日)、お茶の水女子大学でシニア社会学会の総会・大会が開催されました。創設が2001年、その翌年から大会を開催しているので、今年で13回目になります。はるばると来つるものかなの感があります。再び会長に選出されましたので、会員の協力を得て、何とか頑張りたいと思います。

多くの自主団体に共通することですが、シニア社会学会も会員数の減少と高齢化という問題に直面しています。考えてみると、これまでは高齢者のニーズに応えることに偏りすぎていたため、いつのまにか仲良しクラブのような雰囲気になってしまいました。大会も、基調講演とパネルディスカッションという構成が定番で、参加者はただ座ってお話を聞くというスタイルが続いてきました。

そこで、本年は、若い世代との対話を中心に、参加者全員が発言の機会を持てるワールドカフェを試みました。全体のテーマは「2020年――これでいいのか日本!」 シニア世代からは70代の濱口晴彦・副会長と私が発言し、若者世代として30代の田邊健史・NPOサポートセンター事務局次長と石川公彌子 ・学習院大学非常勤講師が発言しました。

若者世代からは、若者たちの置かれた現状の厳しさが語られました。「東大で博士号をとっても非常勤講師の職しかない」という石川さんの発言から、最近読んだ「高学歴女性の貧困」(ちくま書房)を思い出しました。田邊さんは、「若者にチャンスを」とややソフトな要望でしたが、石川さんは「高齢者は特権的地位を禅譲すべき!」と 過激です。たしかに、高齢者は資産を持っている人が多いし、年金受給年齢が上がるにつれて定年が延長される傾向にあります。かつては、60歳で定年を迎えた東大教授は、別の大学に天下るのが普通で、お茶大にもたくさんの元東大教授がいらっしゃいました。お茶大の定年は65歳。さらに、その後、私立大学に移り、70歳かそれ以上教職に留まる方が少なくありませんでした。しかし、私立大学にも大学院が設置されるようになると、自分の大学出身者を採用するようになったため、東大教授の天下り先が少なくなりました。そこで東大でも定年延長が行われ、それに伴って、大学院出身者の行先が狭められてしまったというわけです。

受け皿を用意することなく、大学院の新設や定員増を認めてしまった文部科学省の見通しの悪さは、法科大学院を卒業しても、司法試験に合格できない人が増えてしまったことと共通しています。企業や民間組織が博士号取得者を進んで雇うアメリカと違って、日本では、組織内で人材を育成し、組織の伝統や気風を身に着けさせるのが伝統です。博士号を出しすぎたアメリカでは、他人の修士論文や博士論文を書いてあげたり、研究助成金の申請書を書いてあげることで収入を得ている人もいます。やがて日本も、そうなるかもしれませんね。

ワールドカフェでは、もっぱら世代間の対立が話題になり、協調や連帯をさぐることに関心が集まりました。ほんもののワールドカフェでは、2,3度、席替えをするようですが、時間の制約のため、一度しか席替えできませんでした。それでも、思った以上に盛り上がり、全員が活発に発言したことを嬉しく思います。参加者にも、とても好評だったので、ぜひ再チャレンジしてみたいと思います。こうした試みが功を奏して、若い人がシニア社会学会に参加してくれることを願っております。
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