2014年12月

2014年を振り返って

そろそろ2014年も終わりに近づきました。今年を振り返って,今更ながら日本社会の劣化を痛感させられます。そのことを実感したのは、年末に行われた総選挙の結果です。もともと「大義のない選挙」と言われましたが、大義があろうとなかろうと、安倍首相にとっては、自分のしたいことをするための期間を確保することが必要だったのです。野党の準備が整わないうちに、選挙にうってでて、与党の圧勝を勝ち取ったという点では、安倍首相の作戦勝ち。共産党をのぞく、野党の惨敗ということになります。

当選した議員たちをみると、二代目、三代目なかには四代目までいて、いずれも高学歴のお坊ちゃま、お嬢ちゃまぞろい。戦前、戦後を知っている自民党の長老たちは、こぞって姿を消しました。かつての自民党内には,反戦平和や護憲の方々もいたのですが。

選挙直後の調査によると、当選議員の過半数が、与野党を問わず憲法改正を支持しています。もっとも、人によって、どの部分を変えたいのかはさまざまで、必ずしも9条だけではないことにも留意する必要がありそうです。

選挙期間中、安倍首相はもっぱら景気回復の話ばかりで、憲法改正にはまったく触れませんでしたが、当選したとたんに改正を口にし始めました。憲法改正は、岸信介元首相の悲願でもありましたから、敬愛するおじいちゃんの希望を実現することに邁進するのではないでしょうか。

特定秘密保護法、集団的自衛権、そして憲法改正と続き、自衛隊の海外派兵も始まりそうです。現在の日本を、戦争へと突き進んでいった戦前やナチス登場前夜のようだと言う人も少なくありません。選挙関連報道に関する自民党の介入を見ると、治安維持法とか言論弾圧といった言葉もちらちらします。

暗い時代を知っている世代あるいはそれを見聞きした世代が消滅しつつある現在こそ、過去から学ぶ必要があります。シニアにとっての最後の出番かもしれません。

来年が、少しでもましな年でありますように。
 

詩吟の効用

詩吟を初めて2年近くになります。要支援2で足元がおぼつかない夫の付き添いで出かけているうちに、誘われて参加することになりました。しかし、最初は、仕方なくという感じでした。怠け者の夫がまったく練習をしないので、それに合わせて私も練習はゼロ。月に2回の神楽坂詩吟クラブの会合で吟ずるだけ。一応、先達の吟は,録音しておりましたが,聞き直すことはまったくありませんでした。

このところ、にわかに詩吟に熱を入れ始めた原因の一つは、夫が鬱になってしまったことにあります。双極性障害で躁と鬱を繰り返します。今年の夏は、躁で大変でした。大音響でCDをかけたり、大声で電話したり、一晩中しゃべりまくるので、その相手をすることに時間をとられ、とうてい詩吟をする気分にはなれませんでした。

ところが鬱になると、すっかり静かになってしまいます。「死にたい、死にたい」という夫の鬱に付き合っていると、私までおかしくなりそうなので、思い切って声を出してみました。やってみると、なかなかいい気分です。だんだん声が大きくなってきました。寒い季節で窓を閉め切っているので、多分、外に声はもれないでしょう。 

このところ、神楽坂詩吟クラブの他に、月に1回の千吟会という各教場から参加する、もうワンランク上の会にも参加しております。最初は、お作法もわからないし、かなりのベテランばかりでおたおたしましたが,なんとかついて行かれるようになりました。

老年学の専門家によると、老化を防ぐ3原則は、歩くこと、声を出すこと、人と交わること、と言われます。詩吟は、まさにぴったり。そのうえ、漢詩の由来や意味を勉強すれば、頭の体操にもなります。老人ホームや精神病院などのレクリエーション活動の一環に詩吟を取り入れることを是非、お勧めしたいと思います。

尻尾が犬を振り回す

あわただしく選挙が始まり、あわただしく終了いたしました。自民党圧勝で、安倍首相はしたいほうだいになるのではと懸念されましたが、トータルでは自民が議席を減らし、代わって民主、公明、共産が議席数を増やしました。

誰もがアベノミクスを支持したわけではないことは明らかです。とりわけ共産党の躍進にはびっくり。国民の中にもちゃんと情勢判断ができる人がいることがわかってほっとしました。しかし、テレビで見る限り、志位さんはちょっと有頂天になりすぎで心配です。

注目したいのが、公明党が議席数を伸ばしたこと。この党の選挙戦術のうまさには,今更ながら感心します。ほとんどが有効票ではなかったでしょうか。自民党の当選者のかなりが、公明党支持者からの支援を受けていることは確かです。今後も自公連立で行くそうですが、公明党の助力なしに自民党はやってゆかれないでしょうね。

このところ、すっかり自民党に取り込まれた感のある公明党ですが、もともとは平和と福祉を標榜する政党でした。
今こそ初心にかえって、平和と福祉を追求してほしいものです。選挙結果に大満足の安倍首相は、憲法改正も匂わせています。安倍首相の暴走に歯止めをかけるのは党代表が落選してしまった民主党ではなくて、公明党でしょう。

西洋には,「犬が尻尾を振るのではなく、尻尾が犬を振り回す」ということわざがあります。公明党には、是非とも犬を振り回す尻尾の役割をはたしてほしいと願っています。 

過労とストレス

昨日(12月8日)、歯茎がはれ上がって頭痛がするので、かかりつけの歯医者に飛び込みました。先生は、私の歯をコンコンとたたいた後で、首筋のあたりをさわり、「リンパがはれてますね。過労とストレスです。ゆっくり寝れば治りますよ」と、それでおしまい。何もしてくれそうにないので、「でも痛いんです」と訴えたら、しぶしぶ鎮痛剤と抗生物質の処方箋を書いてくれました。

この歯科医には、何日に海外出張するからそれまでに治してくれと無理な注文をつけたり、年末のぎりぎりの時に営業時間外に診てもらい、ビルの正面玄関が閉まっているので、真っ暗な地下駐車場ら出てきたこともありました。先月のシニア社会学会の講座で、星旦二先生が「かかりつけの歯科医をもつ人は長生きする」と語っていたのを思い出します。

考えてみると先週はちょっとハードスケジュールでした。4日(木)は13時半から20時までの会議、終わって2時間近くの懇親会、5日(木)は小田原にある社会福祉法人の理事会、その後は、同じ法人が経営する有料老人ホームに入居しているKさんとお食事。6日(土)は、11時から18時10分までの集中講義。7日(日)は、助っ人の助けを得て、山のような本や資料の整理などなど。その間に締切の迫った原稿を執筆。もう若くはないということを痛感しました。

これからは、もう少しゆっくり暮らそうと、つくづく反省いたしました。
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