(ゲイ映画を見倒すNo.97)
tsonag4American History X (1998)tsonag4
                Country:USA  l Language:English
                Director:Tony Kaye
                Writer: David McKenna
                Stars:Edward Norton, Edward Furlong and Beverly D'Angelo

american history x
↗tsonaguのこんな感じイメージ画。「レイプされる囚人Derek」
 
 tsonag4あらすじtsonag4
 Derekはネオナチのギャンググループの副代表に上り詰め、あくまで正当防衛で黒人を3人銃殺し、3年の刑期を全うして帰ってきたところである。高校生の弟のDannyはそんな兄を見習い、自分も"組入り"を目指す。どう見ても女の子にしか見えない顔と華奢な身体な彼がスキンヘッドにしているのは、若干痛々しく、長男の収監が応えてめっきり老いて病気がちになった母は、
 「お前の美しい髪は伸ばさないのかい」
 弟Dannyは兄を心から尊敬していて、いつか自分もあんな風にマッチョになりたいし、刺青入れまくりたいと思っている。でも Derekは髪を伸ばし始めたみたい。初めて入れた刺青を見せたときの反応も弟の期待していたものではなかった。
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 Derekの父親は黒人の薬の売人の巣窟で消火活動にあたる最中、黒人に撃たれて殺されたのだった....
  一家の住む町は貧困層と犯罪が多く、貧しい白人は貧しい黒人のことを目の敵にしていた、ただでさえ。そこに父親の死が加わり、そこから、Derek少年の白人至上主義に拍車がかかっていったのである。

 部屋に真っ赤なヒットラーのポスター。白い肌に逆卍、打倒ヒップホップ。俺たちゃパンク....金ない、ロクな親じゃないから家に帰りたくない....希望のない若者達はいっちょ前にギャングを気取り、暗くなったら移民の営む食料品店を襲撃、日中は楽しいバスケット・ボールをした。黒人チームを負かしてやったぜ....
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 Derekは母親のユダヤ人の恋人を追い払って、彼女を貧しいままにし、挙句の果てには親に手を上げ、勉強家の妹の首を絞めたりし始めた。Dannyはバカだったので兄を憎みはしなかったが精神的に憔悴する....Derekは家族を苦しめる存在になってきた。そこに、逮捕....
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 Derek逮捕の夜、黒人3人組がDerekの亡き父の車を盗みに来た。バスケのゲームで負けた男だった
 「畜生。負けちゃったぜ。目にもの見せてやるぜ」
 彼は負けず嫌いだった。

 しかしDerekはブリーフ姿のまま迷わずピストルを引っ掴んで玄関を出て、3人とも射殺してしまう。Dannyは一部始終を見ていた。二人目の男は歩けなくなった身体で、素直に降参したのに、兄は....
 「お兄ちゃん」
 お兄ちゃんはやってきたパトカーの前に自ら進み出て行って、おとなしく連行された。ブリーフ姿で道路に組み伏せられ....しかしその表情は神々しいまでに誇らしげだった
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 3年間カリフォルニアの刑務所にぶち込まれた。刑務所の民族構成、派閥というものは外と変わらない。白人と黒人だけ。若くてマッチョ。刺青だらけで、誰も髪伸ばさない。
 Derekはすぐ、白人の悪そうな男達とメシを食べるようになったが、1年後彼らに嫌気刺す....

 生まれてこの方、黒人の友人などいなかった
 しかしお洗濯当番で一緒になった Lamontという黒人と仲良くなり、粋がるのをやめて、真面目な囚人として縮められる刑期は縮めてしまった方が利口だということを教わる。 :
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 白人たちは、Derekが態度を変えたのが面白くなかった。手始めにシカトし、次の手は―
 シャワールーム。裸の囚人達が一列になって熱い飛沫を被っている。シャワーは各人から立ち上る男臭さを洗い流すというより、むしろ蒸気で達上らせている....
 みんなボチボチ上がり始たころだった。Derekは突然、白人の猛者数人から羽交い絞めにされ、壁に押し付けられる。看守は見て見ぬふり。
 「放せ。何する気だ」
 今、Derekの体の前面は、風呂場の壁のタイルの目に皮膚が挟まりこむほど密着させられているので、後ろの様子は確認できないが、歩み寄るリーダー格の男が向かう場所は分かっていた....

 Derekは尻から大量の血を流して意識を失う....
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 面会に来た高校の恩師Sweeneyが言うには、弟はそろそろマジでグループに入ろうとしているらしい。かわいい弟に自分の二の舞を演じさせてはならない

 Derekは模範的囚人となった。椅子に腰かけると裂けて治ってきた肛門が、また裂ける。だから食堂の時間は拷問だった。猛烈な痛みに耐える彼の姿を見て、ホモの囚人が笑っていた。
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 Dannyが高校の歴史の授業でヒトラーを賛美するレポートを書いたところ、実は三年前の彼の母親の恋人でもあるユダヤ人の社会科教諭がそれを、校長に報告。その後校長 Sweeneyは少年を呼び出し、代わりに教えてやる、と言った。クラスの名前は"American History X"一番最初の宿題は、兄Derekの投獄に至る歴史をまとめたレポートの作成期限は明日まで。
 「冗談でしょ? 」
 「いや。Derekを分析すれば現代アメリカのあり様が分かるだろう
 そして、Sweeneyは付け加えた。
 「お前やお前の家族が受けた衝撃....なんでも書きなさい。何を書いても読むのは私だけなんだから」
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 Sweeneyはかつての教え子Derekが自分を慕っていたことを知っていた。Derekがレイプされた後運び込まれた病室に彼が見舞いに訪れたとき、Derekは緊張がほどけたと見えて、声を上げて泣いたのだ。DannyはDerekの大切な弟だから、更生させてやりたかった。自分は教師としてDerekの転落を止めてやれなかった。"American History X"は、Derekの高校生時代に受けさせるべき授業だった....
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 出所したDerekは弟にギャングと関わりを持つなと説得するが、聞き入れてもらえない。数日後、ネオナチの集会パーティーが催された。
 Derekが帰ってきたので会場は祝賀ムードだったが、Derekはリーダーの顔に唾を吐きに行く
 「俺は足を洗うぜ。今後俺と弟に近づくんじゃねぇ」

 ピストルを手にした仲間に追い回されながら会場を後にした。
 球戯場のベンチで息を潜め、敵を巻く。隣にはDanny。彼にはパーティーにくるなと釘を刺しておいたのに、来ていたのだった。兄は弟に包み隠さず打ち明けた....
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 その晩家に帰ってレポートを仕上げたDanny翌朝、まだ仮出所の身の上の兄は警察との面接があるということで兄弟は連れ立って家を出た。ネクタイを締めた兄もなかなかカッコ良かった。
 弟が高校の敷地内に入ったのを見届けてから、Derekは待ち合わせ先の軽食屋へ。そこで待っていた警察官と恩師Sweeneyから、昨日の暴行事件の経緯を尋ねられる。
 しかしヤバいことになっていたのは、むしろ弟の方だった。彼が高校の便所で用を足していたところ、背後から黒人の生徒が....Derekがかつて殺した黒人と彼に直接の関係はなかった。しかも彼とDannyは憎み合ってはおらず、お互いに共通するものを感じ合ってさえいた。それなのに....
 は不吉な予感がして高校に走る、走るが、走っても----

 tsonag4tsonaguのゲイ映画熟視熟考tsonag4
    これはアメリカ人がベタ惚れしている人気アメリカ囚人ホモ映画だ
  まず過去の回想シーンをモノクロにするという単純な効果に疑問。回想シーンが長いためほとんどモノクロなのだが、カラー映像にエフェクトをかけただけらしく、一面グレーでパンチがない。白人と黒人の対比を協調する効果を狙いたかったのかもしれないが成功はしていない。
 バスケの回想シーン、たかがボール遊びなのでメッセージ性もない。にもかかわらず、驚きのスケールで描かれる。サウンドトラックが壮大。そして、長い!! たかがボール遊びなのに !
 一体どこがアメリカ人を感動させるのだろう。
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 白人と有色人種の隔たりというのは白人が自らを優等生と思い込み、有色人種が白人に憧れ続けている間なくならない。人種差別はいけません、と学校は教えるけれども、違うものを違うと思って警戒してしまうのは自然な反応であり、自民族の誇りというのは、その歴史が左右する。かつて奴隷とされていた民族が、自らに誇りを感じることは難しいように思える。ただ、痛む記憶というものは直前のだけだ。来世紀、白人奴隷市場が欧米各国につくられるようになったりしたら、記憶の痛みは今世紀まで持たなかった民族が持つことになり、今世紀まで古傷を気にしていた民族は全快するだろう。このように世界は、誰か笑えば誰か泣くようにできている。つまり、自分以外の誰かを泣かせなければ人は笑えない
 ネオナチのやり方を理不尽だ、せこい、と思って理解しようとしない人は間違っている。ナチスが壊滅した後、ドイツだけでなく欧州各国の若者が皆で集まって頭を剃って、移民を襲う現実をどう見るのか(もちろん東アジアでネオナチは流行らなかったが)。グループに入ってやっと得たアイデンティティーに縋っている若者の姿は、世界中の前人や現代人の生き映しのように感じられる。
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 相手に痛む記憶を押しつけて自らは優位に立つ民族は一見笑っているけれども、そのことに罪悪感を感じてもいて、それが自己否定に繋がっている....今作はそんなアメリカ白人の心を描く一本かもしれない
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 『Avatar (2009)』を見て、結局最後には"悪の将軍 対 ヒーロー"の対決になっていたのでアメリカ映画だなあ、と西部劇でも見ている気になった。しかし今作は、悪が存在しない形で終わるのである。そこがこの映画を人々の記憶に焼きつけている要因なのかもしれない
 Edward Nortonが Derek役。Ed Nortonがタオルで首をしめながらタイルに押しつけられながらレイプ、というのは衝撃だった....が、せっかく流れた血の赤がモノクロ映像に生きていなかったのが残念。
   また、弟役の Edward Furlongは、今作から二年後の映画で新入り囚人役でホモに狙われる。
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 (出演映画紹介⇒ゲイ映画を見倒す : 『The Bourne Legacy (2012)』:今一番カッコイイ男としてゲイ疑惑絶えぬJeremy Renner、ヒットシリーズの顔へ。Ed Norton共演という豪華さに大興奮)
   (Edward Furlongのホモ映画⇒ゲイ映画を見倒す : 囚人ホモ映画②『Animal Factory (2000)』~新入り囚人をレイプから護れ!!ゴミ収集車に積んで脱出ダ)