2011年06月02日

草すべり

04f09e32.jpg 久しぶりに本を読んでいる。心癒される本ということでAmazonで頼んだ。もちろん中古本だ。思えば、本当に久しぶりだ。各種の悩み事が一挙に押し寄せ、本を読む気がしなかった。結局、本の世界はほどよく余裕がある時の贅沢かもしれない……。
 南木佳士の「草すべり」という山歩きのエッセイのようなもの。いや!!、40年ぶりの男女の再会エッセイ?……。

“……梅雨の晴れ間に蓼科山に登り、下山ルートに亀甲池から双子池へと向かうコースを選んで針葉樹林を歩いていると、苔むす地表に丈の低い白い花が群落を形成して咲いているのに出くわした。その白があまりにも清らかだったから、しゃがみこんで見とれていたら、意識せずに呼吸していた大気が、針葉樹そのものの強い香りを、苔と花のまろやかな芳香が適度に抑えた絶妙な配合になっているのに気づいた。……”(p.13) 
 文体や感覚が妙に自然に染み込む世界を感じたので、ネットで調べた。やはり、同世代でかつ、うつ病経験者だった。ささやかに藻掻いている私と同年齢だ。

“南木佳士(なぎけいし、1951,10,13)は、日本の小説家、医師。代表作は『ダイヤモンドダスト』『医学生』『阿弥陀堂だより』等、生と死をテーマにした作品が多い。”(Wikipediaから)

 『阿弥陀堂だより』の作者だった。映画しか見ていないが、いい作品だった。彼は三十代後半にうつを発病し治るまでに五年以上かかったらしい。そして、五十歳から山登りを始めた。身体を動かすことの大事さに気づいたのだ。

 私は単に軽いパニック障害だが、彼は苦労したのだろう。……しかし、ある種の確信をもった。これはmの再生にきっと価値があるということ。
 つまり、体を動かすこと。山や森に入るということ。体を動かす、“血液そのものが浄化される体感”、森の空気を吸う、汗をかく、緑を見る、花を見る、空を見る、深呼吸をする、全身で混じりっけのない新鮮な空気を感じる……。山や森は、徐々に心を回復させる。
 mを軽い山に連れて行こうと思う。本のテーマとは違うだろうが、実にいいタイミングの本に出会った。

tssune3 at 21:27│Comments(0)読書 

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