神田つばきな日々

専業主婦からライターに。更年期医療から女性発信のアダルトコンテンツまで
女性と「性」の関わりを多角度から追求する神田つばきのページです。

蔵の町・川越に森島花さんの作品を訪ねる

さきの日曜日、次女をともなって、川越で開催中の『蔵と現代美術展』に森島花さんの展示を見に行った。
子どもを連れて行ったのには理由があった。

一つは花さんのお母様である劇団羊のしっぽの森島朋美さんが制作と出演で参加される、劇団新転位21の『骨風』を彼女と観る予定だからだ。
花さんも美術で参加しておられ、お芝居を観る前に花さんの作品を観ることで、私たちの思いもより深くなるだろうと思ったのだ。

DSC_0983-680x382


もう一つの理由はたびたびSNSで拝読する朋美さんのことばに、花さんに対する深い愛情があふれていて、次女はきっと私にこういうお母さんを求めているのだろうな、と思ったからだ。

川越の由緒あるお蕎麦やさん、中正屋さんの蔵が花さんの展示会場だった。
花さんに作品のことをいろいろおたずねした。
お母様のことばから、花さんのたたずまいは想像していて、果たしてその通りの優美で清楚なお嬢さんだったが、何千枚もの和紙をご自宅でひとりで手で漉いたことをうかがうと、創るということに対する気迫を感じる。

この日は小春日和で、薄暗い蔵の宙空からこれも紙を漉いてこしらえた糸で吊るした花弁のような和紙たちが、午後になっても冷たくならない風に、うれしそうに揺れていた。
これは何を表現されたのですか?―
花さんの答を聞くうちに、次女を連れてきたことも忘れ、思い出すのは四年半前に喪くした母のことばかりだった……


母を喪くした日からわたしがしたことは、
日々忘れていく母との記憶を必死で掻き集め、
古い着物をしまうように心の底に積み重ねていく作業だった。

しかし何枚か積み重ねては、かつてその袂にあったはずの
麗々しい絵羽柄が白く抜け落ちていることに気づき、
幾つかの重要な記憶が哀しいものだったのか、
そうでもなかったのか、母と私と
それぞれにとって意味が違うことに今さら気づき、愕然とする。

母はいつもそこにいる人で、
くちかずのおおい人であったから、
どんなこともいつでも聴けることであると思って、
ほうぼうに棚差しにしたまま私はそれらを忘れた。

何より私はひとりになりたかった。

何より私はひとりになりたかった。

ひとりになって自分の記憶と向き合いたかった。

それはかなわぬことの筈だったのに、
真冬の駅のホームで見知らぬ番号の電話を受け、
母が救急車で運ばれていると聞いた瞬間から
私はほんとうにひとりになった。

母の遺した写真や食器を手に取るたび、
あれこれの記憶がずるりと出てくるのに、
いずれも不完全で香りと温度を持たない。
母と過ごした時間は確かにあったのに、
その記憶を共有した母がいなくなってみると、
片面しか色のない花びらのように、
取り返しのつかぬ欠落の残酷さに傷つく。

どんどん晒されて白くなる。

どんどん晒されて白くなる。

それでいいのだと誰かが言ってくれないか。
完全に白くなった私の記憶と母の記憶はいつか
一片の和紙のように洗われて練られ漉かれて一つになり
時の風にちりぢりに、そうだそれでいいのだと。


自分の拙い感想文に花さんの力作の写真を掲載することははばかられるので、明日23日(祝)まで開催の『プレ蔵と現代美術展』にぜひ足を運んでみてください。

14680672_347987342203296_3973537047667589013_n


中正屋美術館は石原町1-2-1、川越駅からバスで7つめの「札の辻」が最寄りですが、小江戸情緒たっぷりの通りを30分ほどかけて散策するのもお薦めします。
また、『蔵と現代美術展』さんのFacebookにも今回の花さんの展示の写真があります。

しばし過去を振り返り、未来を見つめる時間をいただき、どうもありがとうございました。
花さんの今後のご活躍をお祈りいたしております。

『SEX and the live キックオフイベント』に思う

土曜日の『SEX and the live キックオフイベント』、雨にもかかわらず満員のお客様に迎えていただき、ほぼ4時間のトークイベントの後、懇親会にもお邪魔して、大いに語り合いました。

卜沢さんが言っていた「中間の場」がちゃんとできましたね。
心からおめでとうございます。

20161119001


中間の場というのは、以下は私の感じ方ですが、性について話をするとなると、非常に消費的なエロエロどんちゃかな話か、「あれも危険、これもダメ」なお堅い話か、どちらかを求められてしまいます。
これがとても不自由です。
まるで世の中には、セックスが大好きで生中だしをされても気にしない女性と、生殖を目的としたセックスをする以外の日は性欲がない女性と二種類いるみたいです。

それって男性が、「妻には貞淑かつ母性的な女性像を求め、外では淫乱な娼婦を求める」という話と似ています。
不倫の是非とかモノガミーの限界という話はまた別で語るとして、女性にはその二種類しかいないわけではない!
娼婦であっても子どもは健全に育てたいし、フェミニズムを勉強したら性欲が消滅するわけでもないのですよ。

女性を二つのカタマリに分けたあげく、どちらかに嵌まりきれない女性がたくさんこぼれて、自分の生き方を模索して苦しい思いをしている。
それを病んでいるとか、メンヘラとか、まるで精神的に弱いみたいにどんどん追い込んでいくことが、私はつくづくイヤになってきたのです。

20161119002


ついでに言うと、そういう女性を「助けてあげる」「救ってあげる」という態度にも限界を感じています。
それが土曜日のトークで私が「チンポコ騎士道」に言及した理由なんだけど……

男性性でもって女性を庇護し、救えるという考えは、それはそれで悪くはなかったんだろうな、と私は思っています。
無垢な女性が強く気高い男性に救われて……という童話を読んで私たちは育ってきました。
ある時代まではそれが、例えば自然災害などに対抗して子供を残すために、有効なスキームだったのではないでしょうか。

でも、それでは社会が立ち行かなくなっていることを、みんなひしひしと感じているわけです。
年配の議員さんなどが、「女は仕事を辞めて子供を産めばいい」みたいなことを言うたびに、「それができればとっくにやっている」「仕事辞めたら自分も子供も餓死」と、みんな暗い気持ちになっていくのですよ……。
少子化は女が生意気になったせいでも、男が草食化したせいでもありません。
一生に二人の子供を作るぐらい、かなり草食な男性だってできますって。
問題はそこじゃない。

最近はこのキックオフのほかにも、さまざまなイベントやシンポジウムに出ていました。

・メノポーズ協会主催のWHAMサロン……PMSや更年期障害が理由で昇進を辞退する女性の現状など。
・日活ロマンポルノの魅力を女性が語る「大人の学校」
・家庭内での性暴力についての講演
・中高年者の性の実態についてのシンポジウム
・ジャパンアダルトエキスポ……AV業界をあげて年に一度行うファン感謝祭
・緊縛美研究会

などなど……。
いずれも性のさまざまな面をしっかりとらえた集まりなわけですが、そこで得たことをほかの人と共有できる場がほしいと、毎回思っていました。
その意味で、SEX and the liveのような場ができることは、私たちの「これから」を変えていく第一歩になるかも知れません。

20161119003


「性について話します」と言うと、
いやらしい話が聴けると思ってニヤニヤしちゃう人……
ゴリゴリの男尊女卑撤廃や「女はつらいよ」を聞かされると思って身構える人……
今までは、どこに行ってもそう、そんな感じでしたが、これからはちがってくると思います。

私は、私の話をします。
私に、あなたの話をしてください。

ということでもありますね。
染矢明日香さんの言葉を、当日来れなかった皆さんにも贈りたいと思います。

「sexはエロい人だけのものじゃないからね」

若い人の口からこの言葉が出て来たことを我々中高年は猛省すべきだと思う。
私たちが若い人に教えるべき言葉なのに。
行き詰ったあげく、
「四人に一人が年寄りだって? どうするんだ、年寄りは早く死ね、若者はもっと産め」
じゃなくて、10代、20代、30代との対話をすることが唯一の明るい方向に向かう道なんじゃないですか?

写真 帖津价鼎量漫后左から私、二村ヒトシ先生、染矢明日香さん、たかだまなみさん、卜沢彩子さん、きのコさん。
写真◆帖帖嶌Fはどうやったらポルチオでイケるかみたいな話をする場じゃないんだよね?」「あきまへん」と夫婦漫談する二人合わせて109歳な二人。
写真……ラブサポーターの竹田淳子さんと。ラブサポーターとは清く正しく美しい性の啓蒙活動と全ての女性の健全な愛のお手伝いをする方です。

お写真と当日のトーク内容からのキーワードは参加者の皆さんにお借りいたしました。
ご協力どうもありがとうございました。

卜沢彩子さんのこと【11/19(土)の予習ァ

38歳で離婚して以来、はじめは派遣で銀行にいたとはいえ、ずっと仕事としてエロスに関わってきた。
私がエロスの世界に仕事を見つけたり、作ったりしようとしたのは、それが人間にとって大切なものだと思っていたからだ。
自分の生きてきた道に孤独があり、道端に花を植えるように、残りの人生に柔らかく楽しいいろどりがほしいと思ったからだ。

それがエロスのはずだと、わけもなく確信した。
自分の内側でくねり曲がってしまった不自由なエロスを、まっすぐに伸ばしたいような思いがあった。

   ×      ×      ×      ×

それから20年近い時間が過ぎたわけだ。
たくさんのエロティックな体験や見聞を重ねさせていただき、少女のころから憧れていたような世界を目の当たりにして、震えて感動した。

しかし、その芯にいる自分自身は少しも変わっていないのだ。
人を愛することに臆病で、人とうまく交われないのに、性をパスポートがわりに自由に交通できるようになったにすぎない。



そうやって自分を客観視することで、私は女として少し楽に息ができるようになると知った。
55歳の誕生日に自分の『女年表』を書いた。
心と身体のイベントははっきりと分けることができず、ずらずらと見苦しく繋がったけれども、その作業を終えると私はほっとした。

「な〜んだ、な〜んだ、大したことないな」

田中美津先生の著書の題名ではないが、「かけがえのない、大したことのない私」なんだということだ。
自分は一人しかいない大切な存在だけれども、私の受けた傷はいつか癒えるべき運命を持っているのだ、と納得できるようになった。

私のもっとも新しい友人たちの一人であり、もっとも若いグループ(A-LIVE connect)を主宰する卜沢さんも、「性的被害年表」を書いておられる。
私はこの共通点がうれしかった。

生きてきた中で自分に起きたことを、なかったことにすることはできない。
忘れることもできない。
しかし、いつか我が身から「ぺりり」と引き剥がしてしっかり見つめておかないと、やがては癒着して剥がすに剥がせなくなってしまう。

私にとっては19年前に子宮を摘出して離婚したときに、緊縛ビデオに出たことが「ぺりり」の第一歩だったのかも知れない。
しかし、いったん癒着しかけたアレコレはそれだけできれいに身から離れてはくれない。
あのガリガリに痩せてブスな緊縛写真は私の傷そのもので、何度も何度もそれを眺めた。
『ゲスママ』も、だから、私の「ぺりり」なのだ。

卜沢彩子という人には、その「ぺりり」感がある。

   ×      ×      ×      ×

湯気の立ちのぼるお鍋を囲んで、私ははじめてパーティーに出た子どものように、いろんな若い人の言葉に耳を奪われ、落ち着きがなかった。
アクティビストとスタッフの皆さんの会話の糸を手繰り、眺めてばかりいると、卜沢さんが何度も私の注意を本筋に戻してくれて、話を前に進めてくれた。
それが明日11/19(土)のキックオフイベントの打合せだった。

今思うと、彼女のあの冷静さと俯瞰能力が「ぺりり」に繋がっているのだ。
それは自分の身に起こった事象に自身を浸食されない、潔く凛々しい姿勢のことだ。
武士的な姿勢と言っていいかも知れない。

まだまだ”よのなか”は私たち女性に、「被害者たれ」「庇護を求める者であれ」と言っているような気がしてならない。
それは私の被害者意識だろうか?

しかし、占沢さんが「社会構造が変わらなければ」と言っていることと、私がSWSで「社会全体の性の消費構造を変えないかぎり、強要問題のような事件はまた起きる」と言ったことはフラクタルのような気がしきりにしている。
私とA-LIVE connectの四人とのつながりは、まだはじまったばかりだ。
この疑問に答を出すのは私ではなく、卜沢彩子でもなく、染谷明日香でもなく、きのコでもたかだまなみでもなく、6448万の日本女性なんだろう。

1/6,448,000の私は、4/6,448,000の彼女たちと二村ヒトシさんといっしょに明日、ここでお待ちしています。↓

space03


*場所は渋谷のデザインカフェ、タワレコ向かいのおしゃれなスペースです。
13:00START、16:30CLOSE(予定)、一般3000円/学生2500円、お申込はhttp://mailto:sex-and-the-live@a-liveconnect.com/またはFacebookのイベントページで参加を押してください。

http://urasawa-ayako.hatenablog.com/entry/2016/11/06/213039

まなだむさんのこと【11/19(土)の予習ぁ

19日のキックオフイベントにそなえ、高田真奈美さんのページや記事をたくさん読んだ。

彼女のホームページは本当の意味でおもしろい。
どう見ても、意識高い系でしかも綺麗な女性のページのつくりなのに、トップページからいきなりこう来る。

まなだむ

これが冗談でも釣りでもなく、本当に社員面接の記録が掲載されている。
実際に応募した男性のtweetも読んで、そちらもおもしろかった。
(人に入れないという私と共通の悩みが書かれていたせいもあって。)
「いったい、これは何なんだ……」
名前のつけられない新しいものを発見するのはうれしい。

ときどきわけもなく気が塞ぐことがある。
それは”よのなか”という姿があってないようなものが、私たち女に、いちだん下から「助けてえ」と泣いて依存するのを待ち構えている気配を感じたときだ。

「セックスワークサミットでAV出演強要問題について話すことになった」
と言ったとき、親しいマスコミの人から、
「”よのなか”が求めているのは、”こんなに酷い目に遭いました……”という残酷物語だけだよ」
と言われ、そうなんだろうなと納得しつつ、何とも言えないいやあな気分になるのを止められなかった。

だって私は評論する立場で登壇するのだけれど、今も業界制作側で仕事をしている。
そして、それ以前に出演者だったし、それ以前に女なのだ。

……ちょっと伝わりにくいと思うが、”よのなか”はシンプルかつダイレクトに感情を乗っけられる話を求めているので、そんないくつもの属性を一人の人間が持っていることなんかどうでもいいし邪魔なのだ。

つい先日、震災以来ずっと尊敬してフォローしているマスコミの方が、世界中の奴隷状態にある人身についての記事を引用しながら、AV強要問題も同じだと書いた。
その人に悪気などなく、正義感から書いてくれているのはわかっているのだが、これはこたえた。
私は出たくてAVに出たのに、それが良い思い出になっているから制作に回ったのに、奴隷状態に置かれた人が一人いたら、私たちは全員”不憫な奴隷”の役を振り当てられる。
一人残らず引き受けさせられる。
それが本当に騙されたり、傷つけられたリした女性を救うことになるのか疑問に思いながら、その有名なマスコミの人に伝える言葉と手段がなかった。

そのことが心のどこかに引っかかっていた。
なんだかたくさんの不幸の値札が用意されていて、気がつかないうちに私たちはそれをペタペタと貼られる。
淫乱だと言っては貼られ、性的魅力がないと言っては貼られ、子持ちなんか女じゃないと言っては貼られ、子供を産んだこともないくせにと言っては貼られる。
57歳で閉経でAVやっていたゲスママな私なんか、さしずめ千社札で木肌が見えなくなった古い神社の柱のようだ。

と、世を拗ねた気分にもなりがちな私は、高田まなみさんの存在に「あっ、それもありか」と膝を打った。

キックオフの打合せではじめて会ったまなみさんは私に、
「私ってクズ男が好きなんですよ」
と言った。
それは若い女性によくある話、と言いかけた私に彼女は言った。
「男を見る目がないから、みんなに選んでもらおうと思って、自分の婚活を運営する株式会社を作ったんです」
えっ……?
私は驚き、そして次の瞬間、ものすごく楽しくなった。

ここで、
「私って男を選ぶたびに不幸になるんです。誰か助けて」
という媚びへつらいがあったらおもしろくない。
「男がすべての元凶だから、この場では私が君臨してやる」
という驕り昂ぶりがあったら痛々しい。

でも、彼女はそのどちらでもない。
ふつうにおもしろいのだ。
それは彼女が”よのなか”が押しつけてくる役の衣裳を身につけないで、”たかだまなみ”をやっているからだろう。

私自身、30歳と26歳の娘の母親であり、彼女たちがボヤボヤしていたら幸せになれないんじゃないか、とわけもなく不安にかられることがある。
「ゲスママが死んでも強く生きていってよ? 大丈夫?」
と、がらにもなく心配したりするようになった。

高田さんがいまの高田さんになったのは、一ヶ月の外遊で発見したことが大きいのだろうか。
19日は懇親会もあるそうだし、そのお話を聞けるかも。
今から楽しみでならない。

space03


*場所は渋谷のデザインカフェ、タワレコ向かいのおしゃれなスペースです。
13:00START、16:30CLOSE(予定)、一般3000円/学生2500円、お申込はhttp://mailto:sex-and-the-live@a-liveconnect.com/またはFacebookのイベントページで参加を押してください。

http://urasawa-ayako.hatenablog.com/entry/2016/11/06/213039

きのコさんのこと【11/19(土)の予習】

57歳ともなると新しいことなどまったく入って来ない生活を送ることが可能になる。

私が少女の頃、一般的な社会人の定年退職は55歳だった。
下町の人たちはそれ以上の年齢の人を「隠居」と呼び、みずからも「隠居する」と称していた。

かろうじて私は仕事を持っているけれども、最近はせっかく意識の中に入ってきた新しい言葉も「いつか使うかもね」的な感じで頭の片隅に積み重ねられ、埃がつもり、やがて見えなくなっていくばかり。
それはまるで買っただけで藁色の紙カバーを外しもせずに積まれてゆく本のようだ。
断捨離されることもなく、手ずれがすることもなく、忘却と熱意のはざまに潜んだままの。

最近では「ポリアモリー」という言葉がそうだった。
私がこの言葉を最初に聞いたのは『ゲスママ』を世に出してくれた編集者のマツゲ君の口からだった。
彼はいつも理論の森を散策して、両手いっぱいに私が見たこともないエキゾチックな木の実を抱えているのだ。
歩きながらマツゲ君がひょいひょいと口に放り込むそれらの液果の中から、私でも食べられそうな”言の葉”を見つけると、だまって私は自分のポケットに入れる。
いつか食べるかも知れないから。
そうして、多くを、そのまま忘れる。

私は思いこんだのだ。
ポリアモリーも割り切って遊べる大人の人たちが好む、性癖という名の希少なアクセサリーのようなものだと。
それはきっと愛をうまく乗りこなせない自分には贅沢品にちがいないと、誰にたしかめることもなく、決めてしまった。

二度目にその言葉を聞いたのは「SEX and the LIVE キックオフイベント」の顔合わせのときで、順に自己紹介していたアクティビストのきのコさんの口からだった。
彼女の言葉どおりではないのだが、

「私はポリアモリーです。大人になる前から、複数の人を好きになってしまう自分に気づいて苦しんできました」

という意味のことをおっしゃったと思う。
きのコさんの知的で明朗な口調が風のように私の脳内の窓をおし開け、ポリアモリーという言葉の上につもった埃を吹き飛ばした瞬間だった。

被支配にあこがれ、展翅板の上の蝶になりたいと願い苦しんでいた私は、自分の知らない愛を背負った人たちもまたにがい苦しみを舐めて生きていることに気がつかないでいたということだ。

「ポリアモリーは贅沢品。私とはちがって精神に余裕のある人の典雅な”愛の遊び”」

だなどと、勝手に決めつけていたのだ。
心の底から恥ずかしい。
そして恥に打ちのめされることはたまらなく快い。
血管の中を高速で駆け回るその馴染みがたい感情が、ヒリヒリと細胞壁を攻撃して、

「お前を変えてやる。変えてやんよー!」

と騒ぎ立て、私は信頼できそうな他人の言葉に脳を委ねるという行為に淫する。
きのコさんという初対面の若い人が自身の愛の、恐らくは世間は偏向と呼ぶであろうところの稀有なかたちについて語っている。
気負いもなく静かに清々しく立っている。
そして私は忘れていたあることを思い出す。

人間は”わかる”と”好きになる”を同時に行うことが多い。
だから、”好き”なのに”わからない”から愉しめないでいる貴重な感情というものがある。可愛いショートカットのきのコさんを見上げながら、唐突に岡本かのこのことを思い出した。
私の大好きな作家である岡本かのこは、岡本一平と堀切茂雄と三人で同居し旅行していたではないか。
私はその話が好きだった。
わからないけれど、好きだった。

あの、好きの続きをまた愉しもう。
きのコさんのコラムを読んで少しだけわかった私は、その日からまた岡本かのこのことを考えている。
マツゲ君から拝借した木の実は、ときどきとても美味しい。

私はまたひとつ自由になった。

space03


*場所は渋谷のデザインカフェ、タワレコ向かいのおしゃれなスペースです。
13:00START、16:30CLOSE(予定)、一般3000円/学生2500円、お申込はhttp://mailto:sex-and-the-live@a-liveconnect.com/またはFacebookのイベントページで参加を押してください。

http://urasawa-ayako.hatenablog.com/entry/2016/11/06/213039

染矢明日香さんのこと【11/19(土)の予習◆

SEX and the LIVEのキックオフイベントに呼んでくださったのは、アクティビストの一人である染矢明日香さんだ。

染矢さんとはちょうど4年前の「遊びの学校」第19回公開講座で、ともに登壇した間柄だった。
彼女は大学時代にピルコンという避妊啓発団体を立ち上げ、NPO法人化した今も代表を務めている。

こういう話をするとすぐに、
「へええ、少子化が問題になっているのに避妊啓発?」
などと真顔で茶々を入れる人が必ずいて、私はいつもげんなりする。
未だに妊娠中絶を「子殺し・間引き」の感覚でとらえている人は少なくない。
その短絡的な発想は避妊そのものを疎かにしてしまう感覚とどこか似ている気がする。

_SX350_BO1,204,203,200_


つい最近、どこかで読んだのだが、たとえ未婚・未成年の女性が妊娠したとしても、医療機関だったか行政だったか(その両方だったか)が、
「産む? 産まない?」
からはじまって、どんなお産をしたいか、計画を立てるように話し合う国があるときいて、私は驚いた。
それは素晴しいことだと感じる前に、一瞬呆気にとられた。
日本にいる私には想像もつかないことだったからだ。
性にまつわる仕事をしている私でさえそうなのだ。
先進国と言われる国のうちで、日本ほど性の娯楽に寛容な国はないと言われるが、日本ほど性の知識を軽んじている国もないのではないか。

そんなことを思っている矢先、染矢さんが『マンガでわかるオトコの子の「性」』という本を上梓されたと聞いて、早速取り寄せた。
この本は、これから男の子を育てようとしている人はもちろん、女の子しかいないご家庭でも読まれるべき本だと思った。
いたずらに男性を嫌悪・警戒することでは、実は女性の身は守れない。
女性の心と身体を傷つけるのは痴漢や性犯罪者だけではないのである。
愛する人と結びつくための行為だったはずが、知識や理解の不足によって女性の幸せを壊してしまう。

先日、私が勉強のため加入している女性の健康とメノポーズ協会で、大塚製薬の北野祐子さんが、
「学校で女子だけ集められて生理の話、それからいきなり避妊の話」
とおっしゃっていて、未だに「結婚するまで処女」が常識だった私たちの思春期と同じ内容なのか、と愕然とした。
ここに欠けているいちばん重大なものは、男は女を、女は男を、まるきり違うけれども理解し合おうという姿勢なのだと思った。
染矢さんが行っている活動はピルコンもご本も、そこのところを力まずサラッと提示していて、誰もが抵抗なく耳を傾けることができる。

実は「遊びの学校」のとき、染矢さんのプレゼン慣れした様子に感心した。
お仕事でパワーポイントを使いこなしておられるのだろうな、と思ったばかりではない。
彼女は言葉選びが的確で、絶対に間違えない人なのだ。
遊びの学校から少し経って、お食事しませんかと誘ったいただき、とても嬉しかったのだが、このとき彼女が選択する言葉は正確かつ温度が一定で聴く人に安心感を与えることに気がついた。
思えば「ピルコン」という名称も一度聞いたら忘れないばかりか、絶対に人に間違えさせない力を持った四文字だ。

しっかりと理屈の通った、ていねいな育てられ方をしてきた人にちがいない、とも思った。
そんな彼女が四年経って、お母さんになっていた!
スリングに可愛い赤ちゃんを抱きながら、仕事もピルコンも、前と変わりなく力まずサラッとやっているが、そんな彼女の今日のtweetは……

一時保育、朝一の営業開始前から並び、2時間順番待った挙げ句、希望日程ほぼ空いてないって地獄。。保育園はいっぱいで8月から待機して来年4月に入れるかどうかわからない状況。。少子化ってなんだろう、女性の活躍ってなんだろう、、、

一時保育も1時間800円かかって、9-17時で預けると、6400円かかるし、認可外保育園だとその2倍以上かかることもザラ。仕事しても穴のあいたバケツのごとく金がなくなるorz


保育の問題は私が子育てしていた頃からまるっきり変わっていない。
夫の同僚は子供三人を預けて一ヶ月15万円の保育料を支払っていた。
当時の奥さんの月給はほぼ保育料に消え、ボーナスとそれでもキャリアを中断しないという形而上的な結果を得ることができるだけだった。
それが30年以上経った今でも変わらないのは、とても不思議な気がする。

もし子供が病気を抱えていたり、奥さんが少しでも身体が弱かったりしたら、すぐに挫折する綱渡り生活―それが日本の共働き事情なのだ。
そこを改善せずに「女性総活躍」をゴリゴリと実施するならば、それは「女性総酷使」になってしまう。
女性が過労死しないと誰も改善に本腰を入れないのではないかと、私はかねてから心配でならないのだ。

私はずっと性の娯楽を作る側にいて、染谷さんはピルコンとともにいた。
それは一見、対極の世界だが、「性」の持つ二つの側面なのではないだろうか。
「いつかこんなしっかりした若い女性といっしょに仕事してみたい」という思いがやっと実現したのは、昨今の女性の「性」をめぐる混乱のおかげかも知れないな、と思ったりする。

染矢さんが私の『ゲスママ』を読んでくれて、その上で仲間に入れてくれたことが、私はとてもとてもうれしい。
人と行動することの(ほとんど病的に)苦手な私だけれど、彼女のそばにいると、何か不可能なことを可能にしていけそうな勇気が静かに心に湧いてくる。

―19日はその「はじめの一歩」なんだ。

space03


*場所は渋谷のデザインカフェ、タワレコ向かいのおしゃれなスペースです。
13:00START、16:30CLOSE(予定)、一般3000円/学生2500円、お申込はhttp://mailto:sex-and-the-live@a-liveconnect.com/またはFacebookのイベントページで参加を押してください。

http://urasawa-ayako.hatenablog.com/entry/2016/11/06/213039

二村ヒトシさんのこと【11/19(土)の予習 

SEX and the LIVE キックオフイベントで、Wゲストとして登壇してくださる二村ヒトシさんのことを書かせてください。

二村ヒトシさんと初めてお会いしたのは下関マグロさんの結婚披露パーティーだったから、2008年の初夏の新宿だということになる。

cover-jEGjjgcxL92UcXYZjMlmTzIjyaBnQJNo


わたしは会場の中華飯店から歩いて5分ほどの古いマンションに棲んでいた。
『ゲスママ』に出てくる「夢の遺跡」のマンションで、いま日記を紐解いてみたら、乳首を切ってからひと月かふた月経ったころだ(こうして文字に書いてみると本当に空恐ろしい話だな)。

そのころの日記は苦悩と狂気にみだれて、とても皿に盛って食卓に載せることのできないシロモノであることに驚く。
あの『ゲスママ』にさえそこは書かなかったのだ。
書きようがなかったのだ。

二村さんのご家族はとても和やかで物静かで、私は素直に「ああ、いいなあ」と思ったことを記憶している。
有名人の妻ですよ、という気負いのない、ていねいに育てられた人だけが醸す安心感のただよう奥様の近くの席は居心地がよかった。

あれからまだ8年にしかならないのか。
二村さんは売れっ子作家になり、私は新宿を離れ、子どもたちもとっくに社会人である。
去年、下の子どもから、

「二村ヒトシさんに会わせてほしい。どうしても会ってお話が聞きたい。ねえ、いいでしょう? 私がママのお仕事関係の人に会わせてほしいと言ったの、初めてなんだよ? ねえ、ねえ!」

と狂ったようにせっつかれた。
『あなたはなぜ「愛してくれない人」を好きになるのか』を読んだのだった、彼女は、そのとき。

51gi4xp6Y5L

それまで不義理を重ねていたのに、果たして二村さんは私たち母娘と飲みに行ってくれた。
お説教はせずに、二軒目でグダグダになるまで飲んでくれた、そういうところが二村さんの育ちの良さで、あたしには絶対にできない伸び伸びしたところだ。

今でもあの夜の話は我が家でたびたび語り草になっている。
そのときしたお話の続きを、19日の『SEX and the LIVE キックオフイベント』で伺おうと思っているのだ。

うちの子たちはまさにSEX and the LIVEの四名の女性たちと同年代なのである。
そして私は未だに子育てに悩みがある。
なんだか最近、子どもたちが等身大の女性になったせいか、悩みの質も変わってきた。
『ゲスママ』で解決したのは、私と子どもたちの関係性であって、彼女たちの自己実現はまた別のテーマだからね。

そんな思いを抱いて19日はお話をしに行きます。
会場の皆さんも、二村さんにいろいろ質問してみてください。

space03

*場所は渋谷のデザインカフェ、タワレコ向かいのおしゃれなスペースです。
13:00START、16:30CLOSE(予定)、一般3000円/学生2500円、お申込はhttp://mailto:sex-and-the-live@a-liveconnect.com/またはFacebookのイベントページで参加を押してください。

http://urasawa-ayako.hatenablog.com/entry/2016/11/06/213039

懐かしい口上

少し前に、ある台本を書くために廃品回収業者について調べたことがあった。

50年前は東京の下町には「屑屋」という商売があって、古本などは各家庭を回って引き取ってくれたものだ。
私は子供だったので、いかほどで引き取ってくれたのか、はたまた無料だったのか、引き取った古物をどういうルートで捌いていたのかは知らない。
ただ、覚えているのは、天秤のような簡易秤とリヤカーと、

「く〜ずや〜、おはらい〜」

という、のんびりしたmajorの口上だけである。

「げんま〜い、パンのほやほや〜」

という口上と似ているのだが、ほやほや〜は最後に「!」がつく感じなのに対して「おはらい〜」にはつかない。
何とも静かな、たいていは初老のおじさんの声が聞こえるのは決まってお昼の少し前だったと思う。

幼心に、自分のようなただ生きているだけの子どもには何も起きない、ただ退屈を過ごしていくしかない、という諦念があって、「おはらい〜」の声だけが静かに響く昼下がりの憂鬱を今も思い出す。

私の町では、屑屋さんは間もなく姿を消し、その後は急速な経済成長がこすり落とす垢のように、大量のごみをすべて収集車に出すようになった。
そのせいで数年後には区の焼却場の排熱を利用して温水プールができたほどだ。
資源ごみを分けて収集するようになったのは、ずっと後のことになる。

地域によっては今も親が営んでいた回収業を世襲している人がいるという。
昔を知る私などの感覚では、軒先に出した廃品を持っていってくれるのは、自治体であろうと個人事業主であろうと有難いことには変わりない。
ゴミの収集は水道光熱に次ぐ重要な都市インフラで、これが一日でも停滞したらと思うと恐ろしい。

しかし、現実には自治体の指示日に出した廃物を個人が持ち去ることは違法になる。
親の代からの屑屋さんであろうとも、泥棒扱いになってしまう。
また、屑屋という言葉は差別用語にあたるとの見解で、放送上使えない。
AVであっても倫理審査で指摘されるので、懐かしい思い出のあるこの言葉は使わなかった。

何だか切ないけれど、それが時代の移り変わりということなのだろう。
思い出は記憶の中にしか住んではいけないのだ。

宮台真司さんのこと

拙著『ゲスママ』の帯文を書いてくださったのは社会学者の宮台真司先生で、お目にかかったのは出版直前の雨の日曜日だった。

私は勝手に、いかめしい先生がお見えになると思っていたら、宮台さんはとてもチャーミングな、良い意味で少年性を醸している方だったのでポカンとしてしまった。
見た目もスラッとしてお写真の印象よりずっと若く、私と同い年だと伺って、こちらが恥ずかしくなってしまった。
ブランチにサラダをオーダーされるのを見て、「若さの秘密は野菜か」と私は心にメモをした。

宮台さんのお仕事はとても多岐にわたっていて、映画や音楽にも関わっておられる。
私はちゃっかり、宮台さんがMerzbowとともに制作した新譜『Music for Urbanism』を差し出してサインを頂いた。

image

メルツバウの秋田昌美さんはかつて(90年代)緊縛美研究会の春原悠理さんたちとセッションを重ねていて、私はその直後くらいに緊美研参加しているので、当時の悠理さんたちの活動は映像で少し見ることがあり、渇くように憧れた。
もちろん、『ゲスママ』には悠理さん本人が登場する。
自分を偽って社会のレールから踏み出さないことにだけ心を砕いていた(安定と引換えに自分の内部を痛ましいぐらい抉っていた)私が、予期しない子宮頸癌で現実に肉体を抉られる仕儀に至ってはじめて覚醒し、

「フザケンナヨ!」

と溜めに溜めた怒りに火をつけた瞬間、その分岐点に立っていた人が春原悠理という女性で、だから彼女は私にとって巫女だった。

私の怒りはほかならぬ私自身に向けたもので、私に嘘を吐き嘘を吐かせ人に媚びて己を曲げて生きることを強いた自分の中の何かを私は許せなかった。
それを完全に消滅させるまで十年間以上私は私を裁き続けた。
それが『ゲスママ』の物語である。
それをやっと言葉にして自分の内側から切り離した今、また悠理さんの愛するMerzbowの音を聴く、不思議な巡り合わせはうれしいものだった。

食卓でサインを求めるという私の無作法を宮台さんは叱らず、

「本当に買ってくれたの」

と優しくおっしゃった。
若々しい宮台さんが、この時だけはなぜか優しい父親に見えて、私はこの声の余韻にドキドキした。
そしてなぜか、このドキドキを悟られてはいけないような気がした。

宮台さんを「決して衰えない少年性を湛えた人」と見ることは、私を少し余裕ある心持ちにさせる。
おままごとの母親役を獲得した女の子のように。

しかし、宮台さんの前でわざとrudeに振る舞うことに、私は抗しがたい誘惑を見つけてしまった。
静かな昼下がりのラウンジで、私が思いっきりお行儀の悪いことをしても、彼は眉一つ上げないで、それでいて無視もせず、黙って直してくれるような人だと直感した。

この気持ちを何と呼んだらいいのか、わからなかった。

その後、本は刊行され、Loft9渋谷という新しいスペースで出版記念トークイベントをさせていただいた。
ゲストは漫画家の田房永子先生と、宮台先生。

どんな話の流れだったか、宮台さんが私に、

「貴女は罪が好きなんだよ」

という意味のことをおっしゃった。
眉一つ上げないで、無視もせず、静かに。

あの雨の日曜日、悟られてはいけないと思ったドキドキの正体が、ほかならぬ宮台さんの唇によって語られるのを聴いて、私はもう一度あの瞬間に帰りたいと思った。

トークの中でそのことが言えなかったので(私はそういうところ、運動神経が悪いから)、忘れないようにここに書いておくことにした。

「私は罪が好きなんです」

何かを我慢したり自分を偽らないと幸せになれないのだろうか?

痴漢も性被害に含めると、一生に一度も性被害に遭わない女性の数はとても少ないのではないだろうか。

「そんな、痴漢ぐらいで」と言ってはいけない。
電車の中での痴漢、路上や公園での抱きつき、性器を見せられる、その時の嫌な気持ちは男性には想像しにくいのではないだろうか。

高校時代、満員電車の中で必死に英単語の暗記をしていて、電車から降りたらスカートにべっとりと白い精液が付着していたことがあった。
まったく意識しないところで、一方的に性処理の対象に利用されることは不愉快だ。
その時、私は処女だったけれど、処女じゃなくたって不愉快だ。
百歩、千歩、万歩譲って『ゲスママ』を著した今の私であっても不愉快だ!

かんたんなことだ。
お腹が空いていないときに、無理やり食物を口に詰め込まれたら誰だって苦しいし、怒る。
その人に欲求があるかないかは、その人自身が決定することで、他人が押し付けてはいけないのだ。

……などと信田さよ子先生の講演の帰り道に考えていたのだが、翌日は11月15日に開かれる二村ヒトシ先生とのトークイベントの打合せであった。
この会は、四人の女性がアクティビストとして運営しているSEX and the liveのキックオフイベントとして企画されたものだ。

まずはSEX and the liveの動画を見てほしい。
若くて、知的で美しい四人の女性、ママさんもいる。



代表の卜沢彩子(うらさわあやこ)さんは性被害に遭った過去を隠さず、活動している女性である。
……というと、四人の女性が怒りの拳を上げているところを想像するかも知れないが、ここはそういう場所ではなかった。
ふつうに性の話ができる稀有な場所(それが稀有だということは問題なのだが)だった。

私は打合せの夜、この四人と協力スタッフの皆さんと鍋を囲んでお話させていただいたのだが、初対面だと思えないほど楽しく喋り散らかした。
自分にはその性癖がないため理解できなかったポリアモリーについて、きのコさんの「複数の人を好きになってしまう自分に気がついて」という言葉で腑に落ち、愛する人からDVを受けた過去をなぜ自分が人に話せなかったのか、たかだまなみさんの話で気づくことができた。
これだけでも、私自身(治ったことにしていた傷が)深く癒された。

そして、この会に呼んでくれたピルコンの染矢明日香さんがママになっていた。
私はかつて大人の大学で彼女と同じ日に登壇したことがあったのだが、活動するフィールドが違うにも関わらず私を覚えていてくれて、『ゲスママ』を読んでくれたことに本当に感謝した。

性暴力の被害者というと、私たちは暗く悲しく重たく堅い話をするものだと思いこんでしまう。
その私たちの思いこみが、性暴力の問題を「ごく特殊な人が特殊な状況で起す過ち」として、見なくても済むところに棚上げしてしまい、まるで気を付けていれば誰でも避けられるかのように錯覚させてしまうような気がしてならない。

性は、性被害はもっと柔らかに語られなければならないのだ。
しかし、「私、性の話をオープンにします」と言うと、上記の動画にあるように「一人エッチを見せてください」と言われたりする。
堅苦しい性機能の解説と、ふざけたセクハラまがいのエッチな話の中間の喋り場があってもいいんじゃないんですか、というのがSEX and the liveの目指すところなんだと思う。

今思うことは、30代の私がこんな場所を持っていたら、もしかしたら離婚しなかったんじゃないだろうか、夫との関係にももっと柔軟な対処ができたんじゃないかということ。
もう、何を今さらなんだけれど、何かを我慢したり、自分を偽らなければ愛を見つけられないのかな、と疑問に感じている人がいたら、ぜひ話を聴きに来てほしいなと思います。

https://note.mu/ayakourasawa/n/n047a599e0f38

『ゲスママ』に書いたように、私は辛抱に辛抱を重ねた挙句、子宮頸癌をキックボードに家庭を解体して性の冒険に旅立つ、というテロを行ってしまった。
今にして思うと、やはり周囲を傷つけたことは間違いなくて、革命はいいけどテロはいかんです。
11月19日は、あの時の私のように「誰にも言えない」と思っている女性のためのイベントです。

いきなりなんて、人は変われません。
自分で自分を語れなくても、語っている女性の話をちょっと聞いてみたら、自分の言葉が見つかるような気がします。
講演「性の文化とAV」


セックスワークサミットでの講演の模様が弁護士ドットコムニュースに掲載されました
書籍が出ました


「ゲスママ」9/10刊行
私はなぜ異端の性を求めたか―神田つばき初の自伝的私小説。刊行・コアマガジン帯文・宮台真司(社会学者)
更年期コラム連載中

「そうか、更年期だったのか」
ラブピースクラブに好評連載中
脚本担当しました


安藤ボン監督・藤崎ルキノ主演『別の顔』、2014年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭フォアキャスト部門にて初上映。脚本で参加しました
書籍が出ました


女性の妄想にアクセスしてちょっと変態なエッチに誘うトーク術のハンドブックが登場! 不埒なことを真摯に研究する神田つばきの書下ろし三和ムック。三和エロティカまたはamazonで!
大人のケータイ小説


いつでもどこでもケータイ・スマホ・PCでも読めるR18官能小説!毎日更新中!神田も毎夜読んでます。
投稿官能小説のコンテストの審査員を務めさせていただくことになりました。どの作品が受賞するのか楽しみです!
週刊現代10月26日号


「実はみんなやっています 明るく楽しいSEX生活 2013」にコメントを寄せています。だって本当にやってるんだもーん☆
壮快11月号


9月16日発売! マキノ出版『壮快11月号』の特集「下半身の活性術」で「女性の体は休火山! 豆腐タッチでイキやすく…」というお話をしております。
週刊現代6月23日号
熟年セックス講座
「50歳から妻とやり直す」


セックス研究家兼ライター・神田つばきとして「中折れを愛でる」というお話をしています。
神田つばきの提言


「すべての女性の活躍のために女性ホルモン値検査を」
女性特有の健康問題の観点から、一億総活躍社会への提言をしています
PROFILE
OVO大使に就任



ライフスタイルグッズOVOが、栄えあるレッドドットデザイン賞を受賞! 低価格高品質のドイツ製バイブレーターや膣トレボールのご紹介をしています
アクセスカウンター

    GALLERY
    • 蔵の町・川越に森島花さんの作品を訪ねる
    • 蔵の町・川越に森島花さんの作品を訪ねる
    • 『SEX and the live キックオフイベント』に思う
    • 『SEX and the live キックオフイベント』に思う
    • 『SEX and the live キックオフイベント』に思う
    • 卜沢彩子さんのこと【11/19(土)の予習ァ
    • 卜沢彩子さんのこと【11/19(土)の予習ァ
    • まなだむさんのこと【11/19(土)の予習ぁ
    • まなだむさんのこと【11/19(土)の予習ぁ
    • きのコさんのこと【11/19(土)の予習】
    • 染矢明日香さんのこと【11/19(土)の予習◆
    • 染矢明日香さんのこと【11/19(土)の予習◆
    • 二村ヒトシさんのこと【11/19(土)の予習 
    • 二村ヒトシさんのこと【11/19(土)の予習 
    • 二村ヒトシさんのこと【11/19(土)の予習 
    • 宮台真司さんのこと
    • ライブドアブログ