2006年02月17日

サイレン 30点(100点満点中)

夢の化石歌うよ〜 Be〜
公式サイト

CMのインパクトで話題になったPS2ゲームの映画化ではあるが、血の涙のゾンビや赤い視点など、ゲーム中の要素を散りばめながら別物としたオリジナルのストーリー。

病気の弟・英夫の療養のため、父とともに離島にやって来た市川由衣演じる由貴が、島に伝わるサイレンに関する言い伝えによって、恐怖の事件に巻き込まれていく…という話なのだが、由貴が経験した恐怖体験の全てが実は、キチガイである由貴自身の妄想で、そもそも弟すらいなかった。というオチかと思わせて、由貴が狂ったのは島に地縛した人魚の呪いのせいだった。というオチ自体はなかなか面白いと思うし、エンディング後のラストカット、夕日の逆光で島民を襲う由貴の映像は美しくも凄惨ないい画だ。

しかし、だとすれば、29年前に阿部寛によって全滅させられた島民の言い伝えや文化風俗が、その後に入植して来た新しい住民にもそのまま受け継がれているのはおかしいし、小屋にいた謎の男が何者なのかも何の説明もなく意味不明になるし、由貴不在の弟視点で描かれたシーンがあったりするのもおかしいし、由貴を観察する赤い視点の映像も意味不明となる。

また、弟を連れて家から出ようとした直後に、ゾンビ化した父親に教われるシーンなどは、さっさと家から出ればいいものをいつまでも家の中でガタガタ震えているなど、どう考えても納得のいかない描写が多い、この様にストーリー自体に矛盾点やツッコミどころが多すぎるため、内容的には決して褒められたものとは言えない。

また、本作は当然ホラー映画なのだが、本来怖がれるべき場面が少しも怖くないのだ。この監督は多分ホラー向きではないセンスの持ち主ではないかとさえ思う。

ホラー映画はたとえストーリーがおかしかったりつまらなかったりしても、とにかく怖い映像さえ見せてくれればそれなりに楽しめるのだが、ストーリーに問題がある上に怖くないとなれば、これは評価に困ってしまう。全く言う事を聞かずすぐに失踪して姉に心配ばかりかけ、一言も口をきかないムッツリ顔の糞ガキ弟の役名が天本英夫というのは笑うところですか?

そして、予告編ではどう見ても阿部寛が主演の映画であるかの様なつくりになっていたのに、その阿部寛は少ししか出てこずに、実は主演は市川由衣だったという、本作を観て一番驚かされたのはそこだったりするw

これは蛇足だが、この前に観た映画「フライトプラン」が、キチガイの妄想と思いつつ実際に起こっていた内容だったのに対し、本作は実際に起こったと思ったらキチガイの妄想だったという、正反対の構図の映画を連続して観てしまった事に気づいて笑ってしまった。



tsubuanco at 15:56│Comments(0)TrackBack(0)clip!映画 

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