2006年04月01日

ナイト・ウォッチ 70点(100点満点中)

血を吸う
公式サイト

ロシアでベストセラーとなった伝奇小説の映画化。

光と闇の戦いが太古の昔から続けられており、現在は休戦協定が結ばれている状態。互いが抜け駆けしない様に、闇を監視する光の能力者"ナイト・ウォッチ"と、光を監視する闇の能力者"デイ・ウォッチ"が存在し、均衡が保たれている。という世界設定を前提とした物語。

ナイト・ウォッチの一員である主人公が冒頭で背負う""が発端となり、闇側のバンパイアが狙う少年を守ろうと戦うナイト・ウォッチの話へと展開していくストーリー。

それだけではあまりに地味すぎると判断したのか、先述の話とはあまり関わりなく、伝説の"呪われた女"の謎を巡る捜索が、クライマックスを盛り上げる大きな流れともなっており、2つの話が並行して進む展開となっている。

他にも、何十年もフクロウの姿に封じ込められていた女など、印象的で意味ありげながら、大筋には特に影響を与えないエピソードもあり、これらはおそらくは続編への引き要素なのだろう。このフクロウ女の変身は、一応ヒロイン的キャラでありながらも、羽毛と粘液がバリバリと飛散するという、かなりグロテスクな演出がなされており面白い。

これらの様々な事件やキャラクターが複雑に絡み合い、その様々な要素が伏線となって最終的にはバッドエンドとも言えるオチに結実するという、一筋縄ではいかない全体的な構成はなかなか面白く、また、ザラついた質感の画面や、全編を通しての陰鬱な雰囲気によって、大衆娯楽として平淡化しがちなハリウッド映画とは違う、独特の味わい深い作品となっている。
語られる"光と闇"が、キリスト教的正義と悪の二元論で括られていないのもまた、冷戦終了や民主化で価値観の揺らぎまくったロシアならではと言えるだろう。

ハリウッド映画の様な、単純明快で、派手でスカっとするアクションヒーロー映画を期待していた人間には不評なのかもしれないし、好き嫌いが別れるであろうが、個人的にはかなりのお気に入りとなった。アメコミでいえばVERTIGO COMICSの様な、地味でダークでネガティブなヒーローものが好きな人間には、間違いなくオススメできる作品である。既に本国では公開されているという続編も楽しみだ。

ただ、英語字幕をも演出効果として用いる手法は面白いのだが、そのため日本語字幕が画面の右端に表示されるので、慣れるまで少し見辛いというのが、少し困る点だ。



tsubuanco at 17:02│Comments(0)TrackBack(3)clip!映画 

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