2006年06月24日

ウルトラヴァイオレット 40点(100点満点中)

紫の上
公式サイト

カート・ウィマーが、ミラ・ジョボビッチ主演のSFアクション映画を新たに製作した」という報を聞いて、日本で公開される日を待ち望んでいた映画好きは多いだろう。

なにせカートは、"銃と剣と体術で近接戦闘を行う格闘術・ガン=カタ"によって、世界中のアクション映画ファンを魅了した傑作『リベリオン』の監督であり、ミラは、『フィフス・エレメント』『バイオ・ハザード』などで、コスチュームアクションヒロインとして文字通り"エロカッコいい"魅力を、自ら楽しんで発揮している女優である。

この両者が組めば、どんな物が出来上がってしまうのだろうと、たまらなくワクテカしてしまうのは、当然と言っていいだろう。

オープニングは何と、アメコミをメインとした、古今東西のコミックアーティスト(なぜか池上遼一も混じってたがw)の画風を模して描かれた"コミック版・ウルトラヴァイオレット"のブックレットのカバーアートが次々と現れるという演出。しかも同時に表示されるクレジットには、アメコミの"LETTER"を使用。(=アメコミの台詞などに通常使用される、手書き風の字体)最初の段階で、「この映画はマンガ映画です」と宣言してしいるという事であり、観る側の姿勢も、ここで示唆されているという事だ。「細かい事は気にするな!」と。

個人的には、この時点でかなりお腹一杯(笑)。DVDの特典で、このカバーアートの画集なんかが付いてたら、そっち目当てで喜んで買ってしまうだろう。

ストーリーは『リベリオン』と似た感じで、"一方的価値観の独裁支配に立ち向かうレジスタンスヒーローもの"なのだが、全体的な世界構築や物語の起伏などは、残念ながら『リベリオン』には及ばないものとなってしまっている。

ミラ演じる主人公は、とある事情から一人の謎の少年を守って戦う事となり、この少年が物語全体の鍵を握っているのだが、この子が全然可愛くないため、今ひとつ感情移入出来ないというのも大きなマイナス点の一つ。こういう部分は結構痛い。

ちなみにこの子、今度公開される、『X-MEN FINAL DECISION』にも重要な役で出てるらしいが、日本人にはわからない良さが、どこかにあるのだろうか? 理解しがたい。

が、この映画にみんなが期待しているのはそんなところではなく、やはり『リベリオン』で見られた様な、カッコ良すぎるアクションであろう。これさえ見られれば、話なんかどうでもいいと言っても問題ないのだ。

そのアクション面なのだが…、まずハッキリ言えるのはこの映画にガン=カタは登場しない。という事。

『リベリオン』に登場するガン=カタは、"決め・溜め"を重視した、空手の型をモチーフとした動きで、あくまでも"格闘術としてのカッコ良さ"を見せてくれたところが魅力であった。が、本作のアクションは、空手ではなく舞踊的中国武術をモチーフとしていると見受けられ、基本動作がガン=カタのそれとは全く違うため、独自性が薄れたものとなってしまっている。

また、監督が期待していたよりもミラが動けない事が判明したためか、アクションシーンが省略されている場面(戦う直前 → 別の場面 → 敵が全員倒れている といった展開)が異様に多くこれまた残念な事に。アクションを見に来たのにアクションを見せないとはどういう事か。

実際に、監督一流のセンスによる見事なカット割りでかなり見栄えよくしてはいるものの、ミラはその魅力たる長身痩躯のボディを若干持て余し気味で、よく見なくてもアクションに苦労している事がわかってしまうのだが、実のところ普通の女優である彼女に、あまり過度な期待をするのも可哀相というもので、その辺りは割り引いて見てあげるべきだろう。決めポーズの立ち姿は、文句無しにカッコいいのだから。

何より、複数の人間が入り乱れる乱戦でありながら、"誰が、どこで、何を、誰に対して、どう行っているのか"が、流れる様なカット割りでしっかり視認出来るという、先述の通り監督の持つ優れた映像構成能力は見事で、一対一の格闘なのに何がどうなっているのか全然わからない『バイオ・ハザード2』などに比べれば、そのクオリティは天地の開きがあり、充分に及第点のアクションは撮れているはずなのだが…、やはり『リベリオン』が頭にあると厳しい。(これは観る側の問題かもしれないが)

結局のところ、個人的には好きな作品となったが、本作は"B級バッドガール映画"として、そのジャンルや女優のファンにはそれなりに楽しめるという程度の出来に終わってしまっており、無条件に人にオススメ出来る様な作品ではない。興味のある人は期待せずに観る事

蛇足:劇中で何の説明もなく主人公の髪の色や服の色がコロコロ変わるのは、アメコミアクションフィギュアの定番である、"リペイント・バージョン"のオマージュであろう。最後に白 → 紅と変わるのは、流れる血と燃える感情とを合わせた視覚演出という意味もあるのだろうが。

蛇足その2:主演作品ではほとんど必ず貧乳を見せつけてくれるミラだが、今回は裸になるシーンはあるのに裸はほとんど全然映らないというヘンテコな撮影と編集でガッカリ。それ目当ての人は御愁傷様。


tsubuanco at 17:16│Comments(3)TrackBack(2)clip!映画 

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2. ウルトラ・ヴァイオレット  [ ☆彡映画鑑賞日記☆彡 ]   2008年04月21日 22:34
 『感染は広まり 世界を変えた。 それでも生き残る―― 君を守るため。』  コチラの「ウルトラヴァイオレット」は、昨日6/24公開になったミラ・ジョヴォヴィッチ主演の近未来SFアクションなんですが、早速観て来ちゃいましたぁ〜♪ヒロイン・アクション系って好きな....

この記事へのコメント

1. Posted by ゆりンコ      2007年10月05日 05:22
2 バイオハザードは好きだけどこれはいまいちだった。ちょっと期待ハズレ。
2. Posted by つぶあんこ   2007年10月05日 22:01
バイオハザード3の公開が楽しみです。
3. Posted by ゆりンコ      2007年10月06日 05:49
2 そうですね。私はDVDレンタルで観ます。

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