2006年08月16日

ユナイテッド93 50点(100点満点中)

現実とフィクションの区別がつかない人
公式サイト

911テロにおいて、唯一目標に到達せずに墜落した、ユナイテッド93機内で起こったとされる出来事を、記録や証言に創作をプラスし、劇映画として製作された作品。

一部出演者に本物を起用したり(管制官など)、手持ちカメラによる不安定な映像を意図的に多用するなど、作品にリアリティを増すための工夫がなされてはいるが、ジャンルとしてはあくまでも劇映画の手法で作られており、間違ってもフェイクドキュメントではない。まあ、映画に詳しくない人が混同してしまうのは仕方ないが。(例を挙げるなら、『食人族』『ブレアウィッチ・プロジェクト』『ノロイ』などはフェイクドキュメント。『誰も知らない』『バッシング』などは"事実を元にした劇映画")

内容に関しては、当時の報道などで既に知られている通りなのだが、観客がストーリーの顛末をほぼ完全に知っている状態で、さらなる興味を引きつけ、ラストまで見させるには、少し工夫が足りない様に感じる。

乗客が行動を開始し始めるラスト30分の展開は、異様なまでに緊迫感溢れる演出・撮影・編集がなされており、救いのないラストへ至るまで全く目が離せない状態にのめり込んでしまう(この部分だけなら100点を出してもいいレベル)のだが、そこに至るまでの管制側や軍などが混乱している描写があまりに冗長で、映像的な工夫もないため、かなり退屈なものとなってしまっているのが残念。

あるいは意図した演出なのかもしれないが、このやり方は、観客にとっても何が起きているのかが理解出来ない、普通の映画においては正解なのだろうが、観客全員が「何が起こっていてこの後どうなるかわかっている状態」では、やはり問題がある。観客が見たいものはその先にあるのだから。

とはいえ、一見の価値がある作品である事は間違いない。ぜひ劇場の大画面で、ラスト30分の臨場感と絶望感を味わってもらいたい。


追記:字幕が戸田奈津子なため、スチュワーデスが客に常時タメ口で話すなど、せっかくの緊張感が萎え萎えになってしまう字幕が多々あり。もうホント勘弁。



tsubuanco at 16:19│Comments(8)TrackBack(3)clip!映画 

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この記事へのコメント

1. Posted by 頭いいひと   2006年08月19日 14:55
1 そもそも英語自体にタメグチも何もねーよ。



バーカ。
2. Posted by つぶあんこ   2006年08月19日 15:26
英語に敬語はない。と思い込むのは、とんでもない誤解です。
英語には単語としての敬語こそありませんが、
相手に敬意を表わす表現は、日本の敬語以上に豊かに発達しています。

また、翻訳や通訳という作業は、言語を置き換える際、
その国の言語表現として、最も適切と思われる
かたちに変換する語学力・センスが求められます。

接客サービス業者が客に話しかける場合、
通常の日本語なら敬語を用いるのが常識です。
翻訳者は、その点を考慮して翻訳するのが当然です。
丁寧語すら使わないのでは、お話になりません。

もっと勉強して、本当に頭のいいヒトを目指しましょう(笑
3. Posted by yosh   2006年08月29日 02:22
まあまあ、"英語に敬語は無い"などと曰う時点で、"私はこれっぽちも英語を理解しません。喋れないどころか中学レベルも怪しいです"と宣言しているに等しいのですから、そう理路整然とやっつけなくともいいじゃありませんかw つぶあんこ氏の仰る通りです。

…ところで、またなっちか。
SFやらミリタリー物やら刑事物やらの翻訳が苦手なのは知っていたけど、ドラマの普通のシーンもこなせなくなってるのか。
早く引退して欲しいですな。老害を体現しておられる。

そう言えば、ファンタジーも苦手でしたね。使えねぇバアサンだこと。
4. Posted by つぶあんこ   2006年08月29日 17:14
まあまあ、そこまでやっつけなくともいいじゃありませんか(笑

でも正直、自分が観る作品に関わってほしい人ではないです。
5. Posted by マグナカルタ   2007年04月30日 20:22
はじめまして。

前半部分の一見冗長に見える部分ですが、わたしはそこを「敢えて通常のエンターテイメント映画のように見せる」意図と解しました。
普通のエンターテイメントであれば後半部分の(ハッピーエンドに向かうための)伏線になりそうなエピソードを入れる事で、現実にもエンターテイメント的な要素があるが、実際にはそううまくいかないぞ、という効果か、もしくは一見エンターテイメント映画と錯覚させる効果を観客に与える効果かと考えました。
6. Posted by マグナカルタ   2007年04月30日 20:23
映画館で印象的だったのは、交信記録で「我々」のコメントを聞いた事から、これが同時多発的なものである可能性に気付くシーンです。これを見たときに、「ジャッカルの日」でわずかな断末魔の呻きからジャッカルの語を拾い出した捜査チームのエピソードを咄嗟に想起しました。そういうリアルの中のエンターテイメント的要素を入れる事が、「事実としての劇映画」を作る手法として効果的だったと私は感じました。
(その究極が、公開されているボイスレコーダーの中身とは全く異なるラストシーンかと思っています)。

なっちは(苦笑)。
今日、「父親たちの星条旗」を見てきたのですが、小隊付き軍曹にタメ口で話しかける新兵にはほとほと呆れました。
なっちの字幕を目にせずに台詞を聞き取れる英語力をつけなかったことを恨みます。
7. Posted by つぶあんこ   2007年05月01日 16:57
どうもです。

にしても前半は長過ぎではないかと。
8. Posted by kimion20002000   2009年03月17日 12:11
戸田奈津子先生は、まだまだ後進にその座を渡さないのでしょうかねぇ。

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