2006年08月31日

UDON 10点(100点満点中)

升毅と要潤が共演している作品
公式サイト

"『踊る大捜査線』のスタッフ"という時点で、嫌な予感はしていたんだが(と言っても『踊る〜』自体は割と好きなんだが)、まさに的中(笑

香川を舞台に名物の讃岐うどんを題材とし、前半は、ユースケが火付け役となってうどんブームが起こり、やがて収束していく様子を、後半は、うどん職人である倒れた父に代わって、ユースケがうどんを作る話という、二段構えの構成となっている。

まず前半だが、そもそもユースケが書くうどん記事が具体的にどんなもので、それがどの様に読者の支持を得て情報誌の人気が上がり、地元でのうどんブームに繋がっていったのか、あるいは江守徹演じるフジテレビの偉い人が、どの様な指示を出して地域のブームを全国レベルに押し上げたのか。これらの、"ブームがどの様にして起こり、盛り上がっていくのか"という、一番説明しなくてはいけない部分がほとんど省略されてしまっているのだ。

そのため、ブーム最中の様子をいくら見せられたところで、"画面の中だけで起こっている出来事"として、冷めた目で見る事となってしまい、なんら感情移入も出来ず、少しも楽しめない。

本物の店の人をそのまま使うなどして、力を入れて行われている店紹介でも、各店のシステム的な面白さはわかるが、実際にどんな風に美味しいのかはあまり触れられておらず、「うどんが食べたい!」という気にはならない

また、超大手マスコミ企業であるフジテレビ製作の本作において、"無責任なメディアが興味本位でブームを煽り、飽きられたら捨てる"という、マスコミの持つ負の部分をクローズアップして取り上げている事自体は面白いが、そんな作品をまたフジテレビが宣伝で煽りまくっているのは、社を挙げた自爆ギャグのつもりだろうか。

この前半の展開と、ユースケがうどんを作ろうと試行錯誤する後半の展開が、あまりに乖離しすぎているのも問題だ。前半で取材したうどん屋のデータが、うどん作りの力となる構成自体はいいのだが、その見せ方があまりに取って付けた様なものでしかなく、盛り上がりとは感じられない。

ユースケの父が美味しいうどんを作るために、何十年も真面目に努力を続けてきたと強調する割には、ユースケが2週間頑張ったら美味しいうどんが再現出来たり、父が仕事着のままで煙草を吸っていたりと、「実のところ製作者はうどんを馬鹿にしてるんじゃないのか?」と思ってしまう展開や描写が続出し、またユースケ自身もそこまで努力しておきながら、最後は店を出て行ってしまうと、結局、方向性が全然つかめないお話になってしまっている。

展開もキャラクターも、その全てが"話を進めるために話が進んでいる"としか感じられないつくりで、しかもその話自体が中途半端。恋愛色を薄くしたのは構わないが、ではヒロイン小西真奈美とユースケの関係はどの程度のものでどうなっているのか、という部分の描写も説明もないため、何故小西真奈美は今この場でこうしているのかという点にも納得がいかない。人間が全く描けていないのだ。

上辺の事に関しては、「観客をバカだと思っているのか」と言いたくなるくらいにしつこくナレーションや台詞で説明されており、尺も二時間超と長い割に、観客が知りたい肝心な説明は不足している、上っ面だけの薄っぺらでまとまりのない駄作に終わっている。文字通り時間のムダ

マンモス西要潤や南原清隆、中野美奈子他、香川出身の役者やタレントが所々に出ていたり、"ブレードランナーのうどん屋パロディ"や"ほっしゃんの鼻からうどん芸"などの小ネタもあるが、その程度で作品そのものが面白くなるわけでもない。テレビ的なアップ映像がやたらと多く、劇場で見る映像でもない。

中身のないものを虚飾で誤摩化して宣伝だけで売ろうとする、現代マスメディアの愚かさを象徴する作品にすぎない。



tsubuanco at 11:20│Comments(16)TrackBack(5)clip!映画 

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この記事へのコメント

1. Posted by いっくん   2006年08月31日 20:52
3 10点はいくらなんでも低い。試写会で観たけどそこまで悪くなかった
2. Posted by つぶあんこ   2006年09月01日 11:56
具体的にどこがどう良かったのかを
述べていただかない事には何とも。
3. Posted by ルークofルーク   2006年09月03日 18:44
なんでしょうか・・・この映画って観なくても面白くない事がわかる気がするんですが・・・

「うどん」が題材です。

と、言われて

「観てーーー!」

と、なるのでしょうか?

まずそこが失敗なキガスル・・・フジテレビじゃなかったらもっと人が入らなかったのではなかろうかと
4. Posted by つぶあんこ   2006年09月04日 00:01
前にも同じ事を書いた事がありますが、
作品というのは"何を描くか"ではなく"いかに描くか"
が重要であると思うので、
「題材が何々だから観なくてもツマランとわかる」
という事はありえないと思います。

また、個人的には「うどんの映画」と聞いて、
「観たい」と思いました。
"食"は三度の飯より好きなので。

その事と、作品に対する評価は別の問題です。
5. Posted by Riccazow   2006年09月04日 01:24
『UDON』感想ブログ巡りで辿り着きました。
いやはや、私の感想を代弁して下さっているかのような直球文章に、
軽く感動を覚えたので、コメント残させていただきます。
6. Posted by 夏ヒッキー   2006年09月04日 11:38
こういうテレビドラマレベルの映画しか作れないのは、予算の問題だけじゃないようだね。邦画監督自身にセンス(ビデオクリップとかCM監督の奇を衒った「俺って個性的じゃね?」演出とは違う)がないのがマズイ。金がなくてもやり方次第でどうにでもなるだろ
7. Posted by ふーん   2006年09月04日 14:21
語るねえ。
8. Posted by つぶあんこ   2006年09月04日 17:45
Riccazowさま
 どうもです。励みになります。

夏ヒッキーさま
 基本的にはその通りですけど、
 でも、ホントに信じられないくらいの低予算の作品なんかは、
 ある程度は差し引いて見てあげてもいいと思いますよ。

ふーんさま
 語ります。
9. Posted by ルーク   2006年09月04日 18:41
そうなんですか?
僕はラーメン好きですが
映画「ラーメン」があってもまったく興味わかないですけど・・・
名前だけでまず客入れようと思うのなら捻った方がよかったのでは・・・?
と、言いたかったのです。
10. Posted by VIPから来てません   2006年09月05日 02:57
3 私は「UDON」、好きですね。
坊主憎けりゃ、的な書き方なので
つぶあんこ様はどんな映画を好きなんだろ?
と思ってみたら、スーパーマンがお好きみたいですね。
私は同作品を全然名作だと思わないので、
こちらのエントリー見る限り、結局は自分の思い入れに帰結しているだけだな、と思いました。
ちょっと辛辣かもしれませんが。

ま、そうは言っても
一番悪いのは「恐さぬ」で映画を作るという
企画そのものでは無かったかと思います。
うどん好きの自分でもそこまで擁護する気は毛頭無い。
11. Posted by いっくん   2006年09月05日 22:49
2 いや10点って
12. Posted by つぶあんこ   2006年09月06日 09:17
ルークさま
 『うどん』ではなく『UDON』なのが
 捻ったところかと(笑

VIPから来てません さま
 好き嫌いといい悪いを混同されている様ですし、
 具体的根拠も述べておられないので何とも。

いっくんさま
 はい10点です。
13. Posted by キャプテンUDON、丸亀市在住   2006年09月12日 04:49
地元に住んでてフツーにあるうどん屋やラーメン屋のハゲ親父が偉そうにうどんのダシのウンチク語るのには辟易、岡山、香川のメディアにはよく登場するうどん屋ばかり、もぉ今更なカンジ・・

普段見慣れた景色バックにユースケや小西や京香さんなどのキャストが居るのは感動!!でも、それだけ・・・

地元の人間は「あぁ、あの松井のおっさん映っとるよ」ぐらい。 全国の人には・・・無理かも。
ストーリー抜きにですよ。
14. Posted by つぶあんこ   2006年09月14日 16:23
地元の人にとってのイベント性は高いでしょうね
15. Posted by udon   2007年10月22日 23:40
初めてudonを貶している評価読みました。
妥当な評価だと思いますw

僕はあの、
1 ユースケたち、なにかを思いついて頑張る
2 お客さんが、予想外に集まり大行列
3 さあ、感動しろ
という流れの連続に辟易しました。
何度そのパターンをやるのかと…

あそこまで予定調和な「感動」に、本気で感動できてしまう人というのが、もう、なんか、よく分かりません。
2度と見ることは無いと思いますが、実は期待していた分、残念な映画でした。
16. Posted by つぶあんこ   2007年10月23日 17:27
簡単な人の方が多いですから。

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