2006年09月07日

雨の町 45点(100点満点中)

魔界村
公式サイト

菊地秀行の短編小説を実写映画化。脚本・監督は『タナカヒロシのすべて』で監督デビューし評価を得た田中誠。

原作は数分もあれば読めてしまうほどの超短編で、それをそのまま使えば短編映画にしかならないため、映画化に際して原作を元に話を大きく膨らませたものとされている。

その方向性自体は構わないが、本作においては、その膨らませ方に、少しヒネリが足りない様に思えた。

原作の場合は、"失踪した子供達が、雨の日に帰って来る"というストーリーに対して、"何故消えるのか"、"何故帰ってくるのか"、"帰ってきた子供は何ものなのか"などの、謎・疑問に対しては意図的に明確な回答を提示せず、その事で作品に不思議な魅力を与えていた。

が、この映画では、それらの謎に対して答えを出さないまでは同じだが、尺を長くするため状況説明などが多く、更にオリジナルの要素も多分に加えられており、そしてそれらを映像として目に見えるかたちにしている事で、正直なところ「蛇足」という言葉が当てはまる様に感じてしまった。

本来"わからない"事で面白さを出していたものを、子供達が異形に変身するなどして、ある程度見せてしまったため、想像の範囲が限定されてしまう上に、それでもやはり最終的な答えは出されておらず、なんとも中途半端な内容に終わってしまっているのだ。

子供達の失踪を、"集団神隠し"として新聞記事などで明確に見せたのも、結局説明がないため、余計な改変としか感じられないし、子供達の正体も中途半端に明かして行動まで見せてしまっているから、余計に辻褄が合わなくなってしまっている。

また、先述の"異形の変身"のメイクであったり、血まみれになって体を引きずっているのに血の跡が残らないなど、チープさが目について、興醒めしてしまう部分もある。

が、その様な、ホラーやミステリーとしての側面とは別に、主人公や老夫婦など人物の心情・行動の描写はよく出来たものとなっている。

化け物となって帰ってきた我が子に、親はどう向き合うのか。親に捨てられた過去を持つ主人公が、帰る家をなくした少女にどう応えるのか。

そう言った場面からは、登場人物の思い、苦しみ、悲しみが、ヒシヒシと伝わって来る。このあたりは監督の持つ演出力の確かさを評価出来るところだ。

作中で特に印象的なキャラクターとなる、"帰る家をなくした少女"を演じる成海璃子は、その存在感が突出しており、また、今までの彼女の出演作の中では、一番魅力的に撮られていると言っても過言ではない。

その様な、"人間"の見せ方に関しては、よく出来ており、一見の価値はある。だが、やはり話に無理があるため、全体的な評価としては、あまり高いものではないというのが結論だ。(原作通りの短編作品として『世にも奇妙な物語』の一編などで作れば、面白いかもしれない)


tsubuanco at 16:15│Comments(2)TrackBack(1)clip!映画 

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この記事へのコメント

1. Posted by LKL   2006年09月08日 01:11
確かに成海嬢が光ってましたね。他作品(含むテレビ)を見たことは無いのですが。
あの般若メイク怒髪天モードは賛否あるかとも思われます。
真木よう子がホームベース顔でした。
2. Posted by つぶあんこ   2006年09月08日 11:03
成海璃子は凄かったです。
子供でもあり大人でもあり、あるいはそのどちらでもない、
摩訶不思議な存在感を出していたと思います。

怒りメイクはやめておいた方が良かった気が (ノ∀`)
あそこは演出で見せてほしかったですねえ。

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