2006年09月25日
幻遊伝 30点(100点満点中)
時をかける少女
公式サイト
田中麗奈主演の台湾製ファンタジー映画。父親役で大杉漣も出演している。
台湾で生まれ育った日本人の少女・小蝶(田中麗奈)が、時代劇映画のオープンセット内に侵入して頭を打って気絶。目を覚ました彼女は、過去の王朝時代にタイムスリップしていた。という導入で物語は始まる。
何故映画のセットなのかというと、しばらくの間、小蝶に自分が異世界へ紛れ込んだ自覚を与えず、そこから生じるギャップの笑いを狙っているのだろう。それが一応成功しているのは序盤のみで、小蝶が現代人である事の違和感は、かなり早い段階で消えてしまう。
また、この時代には小蝶と瓜二つの、青醍子なる女義賊が存在し、最初は彼女と間違われ、事態を少しだけ混乱させるのだが、それもかなり早い段階でどうでもよくなってしまう。
メインキャラクターとして、キョンシーを操る道士と、故郷の貧村を救うために官金を盗んだ青年が登場し、小蝶の旅の道連れとなるのだが、小蝶が彼らと同行するそもそもの動機が語られておらず、単に話を進めるために一緒にいるだけとしか感じられない。実際小蝶は一緒にいるだけで、主人公らしい活躍はほとんどない。
また、道連れとなる青年は、道士に弟子入りしてキョンシーを操る術を学ぶのだが、それが話を面白く進めるために活かされているわけでもない。
元の時代に帰りたい、という目的がある割には、特に何もしようともせず、一体全体何をどうしたいのか方向性が見えないまま時間だけが経ち、終盤になって何の伏線も無くラスボスが登場。
キョンシーを自在に操る道士、主人公と瓜二つの人物、魔物を召還する悪の首領などなど、いくらでも面白くなりそうなキャラクターや、時間の迷い子になった主人公が、どうすれば元の世界へ帰れるのか、という謎解きや冒険のネタも用意されているにもかかわらず、結局、あらゆる要素が全て中途半端に放り出され、何一つ釈然としないまま終わってしまうのだ。
決して美人ではないはずなのだが、時折ハッとするほど美麗でエロティックな表情を見せる、田中麗奈の持つそのビジュアル的魅力を、それなりに鑑賞する事はできるだろうが、大して活躍もせず、せっかく露出していたヘソやフトモモも衣装を変えて隠してしまうため、ファンが観ても、結果的にはガッカリする出来では無いだろうか。
残念ながら、アイドル映画としても、アクション映画としても、キョンシー映画としても中途半端な凡作だ。困った。
余談:
"大杉漣演じる父親が、タイムスリップした娘を救うために奔走する"という構図は、『ロングラブレター 漂流教室』を彷彿とさせ、ニヤリとさせられた。狙ったわけではないだろうが。
公式サイト
田中麗奈主演の台湾製ファンタジー映画。父親役で大杉漣も出演している。
台湾で生まれ育った日本人の少女・小蝶(田中麗奈)が、時代劇映画のオープンセット内に侵入して頭を打って気絶。目を覚ました彼女は、過去の王朝時代にタイムスリップしていた。という導入で物語は始まる。
何故映画のセットなのかというと、しばらくの間、小蝶に自分が異世界へ紛れ込んだ自覚を与えず、そこから生じるギャップの笑いを狙っているのだろう。それが一応成功しているのは序盤のみで、小蝶が現代人である事の違和感は、かなり早い段階で消えてしまう。
また、この時代には小蝶と瓜二つの、青醍子なる女義賊が存在し、最初は彼女と間違われ、事態を少しだけ混乱させるのだが、それもかなり早い段階でどうでもよくなってしまう。
メインキャラクターとして、キョンシーを操る道士と、故郷の貧村を救うために官金を盗んだ青年が登場し、小蝶の旅の道連れとなるのだが、小蝶が彼らと同行するそもそもの動機が語られておらず、単に話を進めるために一緒にいるだけとしか感じられない。実際小蝶は一緒にいるだけで、主人公らしい活躍はほとんどない。
また、道連れとなる青年は、道士に弟子入りしてキョンシーを操る術を学ぶのだが、それが話を面白く進めるために活かされているわけでもない。
元の時代に帰りたい、という目的がある割には、特に何もしようともせず、一体全体何をどうしたいのか方向性が見えないまま時間だけが経ち、終盤になって何の伏線も無くラスボスが登場。
キョンシーを自在に操る道士、主人公と瓜二つの人物、魔物を召還する悪の首領などなど、いくらでも面白くなりそうなキャラクターや、時間の迷い子になった主人公が、どうすれば元の世界へ帰れるのか、という謎解きや冒険のネタも用意されているにもかかわらず、結局、あらゆる要素が全て中途半端に放り出され、何一つ釈然としないまま終わってしまうのだ。
決して美人ではないはずなのだが、時折ハッとするほど美麗でエロティックな表情を見せる、田中麗奈の持つそのビジュアル的魅力を、それなりに鑑賞する事はできるだろうが、大して活躍もせず、せっかく露出していたヘソやフトモモも衣装を変えて隠してしまうため、ファンが観ても、結果的にはガッカリする出来では無いだろうか。
残念ながら、アイドル映画としても、アクション映画としても、キョンシー映画としても中途半端な凡作だ。困った。
余談:
"大杉漣演じる父親が、タイムスリップした娘を救うために奔走する"という構図は、『ロングラブレター 漂流教室』を彷彿とさせ、ニヤリとさせられた。狙ったわけではないだろうが。
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1. 【劇場鑑賞103】幻遊伝(TRIPPING 原題:神遊情人) [ ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!! ] 2006年09月28日 21:13
戻れるか!圏外トリッパー
タイム・トリップした先は、キョンシー出現!摩訶不思議ワールド!?
2. [ 幻遊伝 ]コスプレとカンフーアクション [ アロハ坊主の日がな一日 ] 2006年09月28日 21:34
[ 幻遊伝 ]@渋谷で鑑賞
キョンシーと日本人の女の子という異色な組み合わせ。
現代の台北に住む、日本人の女の子がひょんなことから
遠い昔にタイムスリップして、故郷の経済的危機を救う
ために盗賊をしている少年たち一行と出会う。成り行き
で仲間に加わった彼...
この記事へのコメント
1. Posted by えんどう 2006年09月26日 14:03
いつも書き込みありがとうございます。
それと改行方法上手くいきました、ありがとうございます!
つぶあんこさんのブログを見ると無性に映画が見たくなりますね。
点数が高いものを初めに観ようかなw
それと改行方法上手くいきました、ありがとうございます!
つぶあんこさんのブログを見ると無性に映画が見たくなりますね。
点数が高いものを初めに観ようかなw
2. Posted by つぶあんこ 2006年09月26日 17:25
こちらこそ、お世話になっております。
当ブログを鑑賞の参考にされて当てが外れたとしても、
怒らないでください(><)
当ブログを鑑賞の参考にされて当てが外れたとしても、
怒らないでください(><)