2006年10月04日

オトシモノ 30点(100点満点中)

沢尻エリカと沼尻さやかの区別がつく様になった
公式サイト
ここ最近、事務所が必死で売り出し中の沢尻エリカ主演のホラー映画。駅で落し物を拾った人達が、謎の女の呪いの犠牲になっていくお話。

ホラー映画において最も重要なのは、"怖がれるかどうか"だが、本作で怖がれるのは、よほどホラーに耐性のない人くらいだろう。

大きな音を立てて驚かされる箇所はいくつかあるが、驚愕と恐怖は違うものだ。ビックリ箱を開けて驚いたからといって、「怖かった」とは普通思わない。

近年の日本のホラー映画界においては、『リング』の中田秀夫や『呪怨』の清水崇など、"恐怖の表現・演出"のセンスに優れたクリエイターが存在し、世界的な評価を得ている事もあって、それらの手法を真似た様な演出が、粗製濫造される凡百のホラー映画によく見受けられるのだが、本作もまた然り。

"謎の女"の撮り方や出現のさせ方、ギクシャクした動き、被害者の写真に現れる黒い影など、"どこかで見たような"画面・演出が続出するが、オリジナルのそれと比べ、微妙にツボをはずしているので、恐怖感は薄い。

また、例えば作中で、被害者の一人が電車に轢かれる場面があるのだが、何故かその一連の映像を全てスローで見させられてしまうのだ。

確かに、轢かれる直前に重要な台詞を叫ぶので、その部分がスローになるのは構わない。が、実際に轢かれて死ぬところまでスローで見せてしまうのは、驚きも怖さも放棄しているとしか考えられない。

車や電車に人が轢かれる場面が観客に衝撃を与えるのは、そのスピード感によるあっけなさ、唐突さから生じる、非情な残酷さ故である。それをスローで見させられては話にならない。

逆に、ゆっくり見せることで、苦しんでいる様などをじっくりと見せ、観客を怖がらせるやり方もあるかもしれないが、この場合はそんな演出ではなく、単にスローにしているだけなので、それには当たらない。

本作では他にも、踏み切りで動かなくなった車が電車と激突する場面もあるのだが、ここでも何故か、電車が車を撥ね飛ばす瞬間の映像を、2回繰り返している。明らかに蛇足としか思えない演出だ。

今述べた2つの"事故"場面の映像は、予告編でも使用されている。という事は、この部分が見せ場になると思って作られたという事だろう。少しセンスがずれているとしか思えない。

脚本的にも、行き当たりばったりでどこに重点を置いているのかよくわからない出来で、家族愛、友情、仕事への責任感、そして呪いの謎解きと、全てが中途半端に混在し、まとまりが感じられない。

呪いの元凶と思われていた謎の女性の行動理由や、その因果関係、子供が帰ってくる理由、何故特定の運転士だけが霊を見るのか、あるいは真の呪いの元凶の存在や背景、そういった部分に全く整合性がなく、話に深みがない

"よくわからないから逆に怖い"という、不条理な恐怖を狙っているのかもしれないが、中途半端に説明があったり、見るからに陳腐な悪魔の石像らしきものが出てくる事などで、どっちつかずになってしまっているのだ。

ただ、終盤の洞窟内で、亡者達が大量に登場し、主人公を追いかける場面に関しては、ゾンビ映画的面白さが出ており、ゾンビ好きなら、この部分だけは少しは楽しむことができるかもしれない。

ホラー映画は期待せずに観るのが鉄則だが、本作も残念ながら、特に見る価値もない凡作である。

沢尻エリカの美貌やプニプニした肢体は楽しめるので(演技は下手だが)、ファンなら一応チェックしておいてもいいかも。というレベル。



tsubuanco at 15:03│Comments(0)TrackBack(0)clip!映画 

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