2006年11月10日

パビリオン山椒魚 40点(100点満点中)

リオンシリーズ最新作
公式サイト

実験的ショートムービー連作『亀虫』で注目を集めた異才・富永昌敬監督の最新作にして、劇場用の長編映画としては一作目。本作もまた、多分に実験的手法が用いられた作品となった。

だが、どうやら鈴木清順的なシュールさを意図したと推測されるのだが、あるいは長編向きでない才能なのか、やはり無理があった様で、何とも微妙な出来となってしまった。

レントゲン車を横から、または前から、窓越しに映して中の会話を見せたり、墓場での主人公とヒロインのやりとりなど、随所に多用される長回しカットなどで、オダギリジョーをはじめとする役者達の、間の取り方や動きの緩急といった、絶妙な演技を堪能する事が出来、映像・演出的な観点では目が離せず楽しめるのだが、その一方で、肝心のストーリー構成はあまり評価できない。

前半と後半でガラリと方向性を変え、ついでに主人公のキャラクターまで何故か変えてしまい、観客をケムに撒く構成などはなかなか面白いと感じられる.

が、急にカラーが変わるなら変わるで、何故変わったのかが理解できる描写くらいはないと、あまりに唐突すぎて置いてけぼりを喰らってしまう事になるし、急変したギャップを見せたいなら、前半で変わる前の状態をしっかり見せておかないと意味がないだろう。

特に、主人公はともかく、もう一人の性格が急変したキャラクターは、前半の印象が薄すぎて、終始「コイツ誰?」としか思えず、狙いは完全に外しているとしか思えない。

その一方で、山椒魚を巡る謎解きミステリー風の流れだけが、必然性もなく後半まで残っているのはいただけない。説明不要の不条理世界を構築したいのなら、中途半端なストーリー性は邪魔なだけで、どっち側に寄って観ればいいのかと、観客を迷わせてしまうだけだ。

よくこれだけ集めたと感心してしまう、個性的な出演者達のアクの強い演技を楽しむ分には問題ないだろうが、一つの映画作品としては、この手の作品を作る上で重要な、条理と不条理のバランスの不徹底が強く感じられる、残念な結果となってしまった。

テレビで放送される事はないと思うので、興味のある人はレンタルで。



tsubuanco at 14:50│Comments(2)TrackBack(1)clip!映画 

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この記事へのコメント

1. Posted by むほ   2007年08月20日 16:10
アーマードモジュールですね。
2. Posted by つぶあんこ   2007年08月20日 17:44
最近のスパロボはあまり知らないんですけど、一応、ジリオン、エヴァンゲリオン、シャンゼリオン、の、セガスポンサーでリオンがタイトルに付く作品を想定してました。

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