2006年12月07日
無花果の顔 10点(100点満点中)
コロッケはオカズにならない
公式サイト
桃井かおりの初監督映画。監督だけでなく、脚本と主演も務めている。クレジット上の主演は山田花子だが、どう見ても桃井かおりがメイン。
これは、本当はもっと山田花子メインで話を進める予定だったのが、山田花子があまりにも演技が出来なさすぎるために、やむなく大幅に出番を減らし、その分桃井かおりの出番が増えてしまったからだそうな。
そんな風に、製作状況でも混乱と迷走を見せていた本作、出来上がった内容もまた、混乱と迷走としか表現出来ない作品となった。
父(石倉三郎)、母(桃井かおり)、娘(山田花子)、と弟の4人家族の、平凡な昭和的家族の日常を、意図的に違和感を感じる画角と、夢幻的な色彩の映像で見せられる事となるのだが、その違和感のある画角は、その様に撮る事自体は意図的なものであっても、その様に撮る事自体には意図や意味が感じられないもので、作品を面白くする効果をあげているとは言えない。
全編を通しての"違和感のある画面"と、かなり聞き取りにくい台詞の多さによって、物語はかなりの迷走を見せる。
ひとつひとつの場面、展開に、意味も繋がりもなく、ただ淡々と事象が羅列されていき、何のオチもなく終わる。それ自体が悪いわけではないが、そうするに相応しい構成や見せ方が出来ておらず、単につまらないだけの作品になてしまっているのだ。
時おり挟まれるギャグも、それ自体はそこそこ面白いものもあるが、その場限りの単発的なものでしかなく、本筋に意味を与える様な深い構成は無い。
山田花子は確かに台詞回しは下手だが、他者にはない味も存在感もあるし、他の出演者陣も、みな個性的で芸達者なのだが、その良さを全く活かせていない、非常に勿体ない作りだ。
そもそも桃井かおり自体が、ときどき彼女が何を言っているのか他者には理解出来なかったりなど、独自のロジックで生きている事もあり、作品自体も彼女にしか理解出来ないロジックで作られており、彼女以外の人間がこれを楽しむ事は不可能に近いだろう。
そんな意味ではまさに監督のオナニー的作品。特段には鑑賞の価値はないだろう。
が、エンドロールに流れる小ネタ的映像は、かなり面白いもので、この路線で本編を見せてくれたら、普通に面白いものになったのではないか、とも思う。
公式サイト
桃井かおりの初監督映画。監督だけでなく、脚本と主演も務めている。クレジット上の主演は山田花子だが、どう見ても桃井かおりがメイン。
これは、本当はもっと山田花子メインで話を進める予定だったのが、山田花子があまりにも演技が出来なさすぎるために、やむなく大幅に出番を減らし、その分桃井かおりの出番が増えてしまったからだそうな。
そんな風に、製作状況でも混乱と迷走を見せていた本作、出来上がった内容もまた、混乱と迷走としか表現出来ない作品となった。
父(石倉三郎)、母(桃井かおり)、娘(山田花子)、と弟の4人家族の、平凡な昭和的家族の日常を、意図的に違和感を感じる画角と、夢幻的な色彩の映像で見せられる事となるのだが、その違和感のある画角は、その様に撮る事自体は意図的なものであっても、その様に撮る事自体には意図や意味が感じられないもので、作品を面白くする効果をあげているとは言えない。
全編を通しての"違和感のある画面"と、かなり聞き取りにくい台詞の多さによって、物語はかなりの迷走を見せる。
ひとつひとつの場面、展開に、意味も繋がりもなく、ただ淡々と事象が羅列されていき、何のオチもなく終わる。それ自体が悪いわけではないが、そうするに相応しい構成や見せ方が出来ておらず、単につまらないだけの作品になてしまっているのだ。
時おり挟まれるギャグも、それ自体はそこそこ面白いものもあるが、その場限りの単発的なものでしかなく、本筋に意味を与える様な深い構成は無い。
山田花子は確かに台詞回しは下手だが、他者にはない味も存在感もあるし、他の出演者陣も、みな個性的で芸達者なのだが、その良さを全く活かせていない、非常に勿体ない作りだ。
そもそも桃井かおり自体が、ときどき彼女が何を言っているのか他者には理解出来なかったりなど、独自のロジックで生きている事もあり、作品自体も彼女にしか理解出来ないロジックで作られており、彼女以外の人間がこれを楽しむ事は不可能に近いだろう。
そんな意味ではまさに監督のオナニー的作品。特段には鑑賞の価値はないだろう。
が、エンドロールに流れる小ネタ的映像は、かなり面白いもので、この路線で本編を見せてくれたら、普通に面白いものになったのではないか、とも思う。
トラックバックURL
この記事へのトラックバック
1. 【2007-3】無花果(いちじく)の顔 [ ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!! ] 2007年01月08日 21:30
これはただの家族の話である。
花は無くても、
実の有る人生。
2. 無花果の顔/見えないものこそ [ マダム・クニコの映画解体新書 ] 2007年01月13日 12:35
不思議な作品である。観ている最中も、観た後も、奇妙な気分に浸される。
目に見えるものと見えないもの、生と死、現在と過去、自己と他者、女と男、人間と動物・・・。
これらをすべて同じ位置から捉えた、”境界のない感覚”とでもいおうか。
3. 『無花果の顔』舞台挨拶@シネマスクエアとうきゅう [ |あんぱ的日々放談|∇ ̄●)ο ] 2007年01月13日 14:11
今日も一人で映画館。。。選んだのは「大奥」でも「シャーロットのおくりもの」でもなく『無花果の顔』脚本・監督・出演、そして歌まで桃井かおりがやっちゃったという作品だ。初回は10:20からだったので、ちょっと余裕を持って9:00に到着してみると居ない、誰も居ない・・...
4. 映画「無花果の顔」 [ 茸茶の想い ∞ ??祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり?? ] 2007年01月14日 00:39
頭の中をグルグルとぉ??いろんなことが駆け回るぅ??、日本で極めてポピュラー、それがイチジク、実のようでいて実は花、あの粒々こそが花だったんです・・
桃井かおり初監督作品ということで、どこかとぼけた感じのある彼女に、そこはかとなく興味を持って観た。
...
5. 無花果の顔 [ ★試写会中毒★ ] 2007年01月16日 10:18
満 足 度:★★★★
(★×10=満点)
監 督:桃井かおり
キャスト:山田花子 、
桃井かおり 、
石倉三郎 、
高橋克実 、
光石研 、他
■ストーリー■
花の咲かな
6. 映画「無花果の顔」を鑑賞。 [ masalaの辛口映画館 ] 2007年01月16日 12:13
昨日、109シネマズ川崎シアター9にて、桃井かおり第一回監督作品「無花果の顔」を見た。客入りは89席のキャパに私を含めて10人、クリスマス後という事もあるかも知れないれど悲惨な状況。 映画の話は、庭にいちじくの木が植えられた古い日本家屋で、平和に暮ら...
7. 『無花果の顔』 [ 京の昼寝〜♪ ] 2007年01月17日 12:13
花は無くても、実のある人生
■監督・脚本 桃井かおり(第一回監督作品)■キャスト 桃井かおり、石倉三郎、山田花子、HIROYUKI、高橋克美、光石 研、岩松 了□オフィシャルサイト 『無花果の顔』 庭に花の咲かない無花果の木がある門脇家。 縁側に面した茶の...
8. 山田花子の母はアグネス・チャンとラーメンを食べていた!? [ 芸能ニュース速報! ] 2007年03月13日 05:06
人気女性お笑い芸人・山田花子さんは子供の頃、家が貧しく母親がキャバレーでホステスをやっていたのだそうです...
9. 無花果の顔 [ ☆彡映画鑑賞日記☆彡 ] 2008年01月10日 20:57
『花は無くても、 実の有る人生。』
コチラの「無花果の顔」は、12/23公開になった個性派女優の桃井かおりさんが脚本も担当された初監督作品なのですが、観てきちゃいましたぁ〜♪
何とも言えない独特の空気感のある家族ドラマなのですが、ファンタジックなテイス...
この記事へのコメント
1. Posted by masala 2007年01月16日 12:21
初めまして、masalaと申します。
つぶあんこさんのブログを読ませていただきました。
「無花果の顔」は観客に向けて作られていないとつぶあんこさんが、おっしゃるとおり「無花果の顔」は観客に向けて作られていなく、桃井かおり本人だけが楽しい映画のように思いました。
私のブログをTBさせて頂きました。
今後共「masalaの辛口映画館」を宜しくお願いします。
つぶあんこさんのブログを読ませていただきました。
「無花果の顔」は観客に向けて作られていないとつぶあんこさんが、おっしゃるとおり「無花果の顔」は観客に向けて作られていなく、桃井かおり本人だけが楽しい映画のように思いました。
私のブログをTBさせて頂きました。
今後共「masalaの辛口映画館」を宜しくお願いします。
2. Posted by つぶあんこ 2007年01月16日 21:24
ありがとうございます。
そちらのブログの方も覗かせていただきます。
そちらのブログの方も覗かせていただきます。
3. Posted by 笹心太 2007年01月18日 21:30
ほんとうにつぶあんこさんは
映画が好きなんですね。
映画が好きなんですね。
4. Posted by つぶあんこ 2007年01月19日 10:43
好きですね。