2006年12月26日

unknown アンノウン 40点(100点満点中)

誰も知らない
公式サイト

『CUBE』や『SAW』などと同様、"密室での謎解き"を題材とした、シチュエーションサスペンス映画。

主人公が目を覚ますと、そこは荒れた廃工場の中、周囲には様々な状態で気を失っている4人の男。主人公を含め全員が記憶喪失状態で、自分が何者で、何故この場にいるのかもわからない。という状況から物語は始まる。

この導入部は非常に魅力的で、何故かやたらと喧嘩っ早い男達が、時には揉め、時には力を合わせ、何とか現状を打破しようとする、その狙いはかなり面白く、どんな展開が待ち受けているのかとワクワクさせられる。

が、残念ながら、その期待はあまり達成されないまま終わってしまった。

それぞれの記憶が戻るにつれ、謎が明らかになって行く、この全体的な流れが、まず失敗ではないかと思われる。

密閉された空間において、そこに存在する物、あるいは各人の状態や所持品などから、現状を分析して謎を解こうとするといった動きは全くなく、てんでバラバラに唐突に記憶が蘇って、自分が誰で何者なのかがわかってしまうパターンが繰り返され、謎解きの面白さも驚きも全くないままに話が進んでしまうのだ。

記憶喪失の5人が閉じ込められている間に見せる様々な行動は、その場その場での混乱を見せるだけのもので、後の展開に繋がるものがほとんどない、単発的なものばかりでしかない。ただギャーギャー騒いでケンカしているだけなのだ。

そこに最初から存在するものが実は重要な伏線となっていて、登場人物とともに観客も驚かされる、その様な構成が本来は求められるはずのジャンルながら、全くそれが無いのは呆れてしまう。

また、"誰が何者か"に関しては、比較的早い段階で決着がついてしまい、終盤は"主人公が何者か"の謎解きへと話が移行するのだが、これまたロクな伏線もなく"唐突に思い出して"明らかになる、芸のない展開が続いてしまう始末。

しかもその真相のうち、"主人公の職業"については、かなり早い段階で観客には想像がついてしまうもので、それもまた、ストーリーや映像がヒントとなって想像するのではなく、「この手の話はきっとこういう事だろう」と安易に予想した事がそのまま正解という有様。

そのくせ、ラストは大した意味もなく思わせぶりに投げっぱなしで終わってしまう、あまりに底の浅い展開にはガッカリした。

そもそも、密室内で繰り広げられる、息の詰まる空気感こそが重要となる作品において、閉じ込められている建物の外観を、かなり早くから何度も見せてしまっているのは問題だろう。主人公達がわからない事は観客にもわからないからこそ、登場人物と観客が一体化し、共に恐怖や焦燥を味わう事が出来るのだ。

同様に、外部で行われる警察の捜査も、"妻"の存在以外はほぼ何の伏線にもなっていないのだから、追う車を間違えたりといった展開などは全く不要だったはずだ。

魅力的なアイディアを内容に活かしきれなかった、残念な作品。もっと脚本が練られていれば、最初に挙げた2作品に匹敵するものになったとも思えるだけに勿体ない。レンタルで充分


tsubuanco at 17:06│Comments(0)TrackBack(0)clip!映画 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
Comments