2006年12月27日

海でのはなし。 20点(100点満点中)

博士の異常な愛情
公式サイト

スピッツのシングルコレクションCDのCMをきっかけに製作された、宮崎あおい、西島秀俊主演作品。もともとネット配信用に製作されたものだが、どうやら好評だったらしく、今回劇場映画として上映されるはこびとなった。

父親が浮気しているのではないかと悩むヒロイン・楓(宮崎あおい)と、大学の非常勤講師・博士(西島秀俊)二人の、それぞれの家族のあり方をメインの流れとし、二人の関係とそれぞれの心情の変化が、スピッツのヒット曲をバックに進行する内容となっている。

だが、まずそのストーリーが非常に陳腐で、少しも魅力を感じられないのが大きな問題。親の浮気だの出生の秘密だの、あるいは親を信じられない悲しさだの、そんな要素はそもそもスピッツの歌と全然マッチしていない事は、別にスピッツのファンでなくともわかるはずだ。

また、主人公二人の、そもそもの関係性が全く語られていないので、そこから二人の関係が進展したところで、出発点が不明なのだから意味がわからないし、結ばれても感動も何もあったものではない。

主人公二人以外も同様に説明不足に感じる人物ばかりで、例えば二人の共通の友人らしい女性(菊地凛子)なども、そもそもこの人が何者なのかが全然わからないため、重要な役どころであるはずなのに、何故そう言ってそうするのかも理解出来ないのだ。

ストーリーにもキャラクターにも魅力がない、そんな作品において、唯一光って見られるのが、主演の二人、宮崎あおいと西島秀俊の存在感と演技力である。

この二人、それぞれ全くカラーは異なるが、共に役者としての能力、演技力、存在感は、同世代の他俳優と比べても群を抜いており、ただそこにいて台詞を話しているだけで、形容し難い魅力を発揮している存在だ。

そんな二人が『純情きらり』以来のカップル役として共演している本作、邦画好きならそれだけで観る事を決めてしまうだろうが、いかんせん、それ以外に見どころが全くないのは困りものだ。

やたらと長い台詞を全く動きのない長回しで延々と見せる映像、演出ばかりで構成される本作、効果的な意図を狙っての長回しと言うより、単なる手抜きと言っても過言ではないこの画面作りは、面白くないストーリーと相まって、正直なところかなり退屈なものなのだが、それが逆に、主演二人の存在感を増してしまっているのは皮肉か。

と言っても、二人の魅力だけで約70分程度の映像を見続けるのも無理がある。劇場公開を意図せず作られただけあって、画質も悪く鑑賞には堪え難いものがある。出演者のファンでも、また無料でネット配信されるまで待つか、レンタルで充分。



tsubuanco at 17:39│Comments(0)TrackBack(1)clip!映画 

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1. 【2007-1】海でのはなし。  [ ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!! ]   2007年01月08日 21:53
3 スピッツの音楽から、やさしい物語が生まれました 誰かを大事に思うこと。 ちっぽけだけど、いちばん大切なこと。 ちいさなちいさなラブストーリー

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