2007年01月01日

こま撮りえいが こまねこ 70点(100点満点中) 07-001

公式サイト

NHKのキャラクター、『どーもくん』のスタッフが製作した映画。主人公・"こまねこ"とその周囲のキャラクター達の日常を、ぬいぐるみ状の人形を動かしてコマ撮りした3Dモデルアニメーションと、ガラス板上でキャラクターを平面的にコマ撮りする半立体アニメーション、それぞれの手法で作られたエピソードが交互に展開され、それらを繋ぐインターミッション映像に、線画をコマ撮りで動かす通常の2Dアニメーションが用いられている。

コマ撮りで動いているキャラクターが、劇中でコマ撮り映画を撮影する最初のエピソード、『はじめのいっぽ』は、"コマ撮り"の現場の大変さや完成した時の喜びなどを、造形、動き、声など全ての構成要素が、"可愛い"という形容で表するだけでは足らない程に可愛い"こまねこ"によって見せられる事で、その実情をディフォルメしつつもストレートに観客に伝えながら、物語世界やキャラクターをわかりやすく受容出来る、良く出来た導入部となっている。

この『はじめのいっぽ』に、『こまねこ』の魅力の全てが内包されていると言っても過言ではなく、そのキャラクターや世界観に魅了されるには充分な完成度で、今後の展開に期待させられる事なる。

続くエピソード群において、こまねこ以外にも家族や友人などのキャラクターが次々登場して、それぞれが魅力的な"演技"を見せ、舞台も部屋の中だけでなくどんどん広がって行くのだが、あくまでも描いているのは"こまねこ"そのものの魅力が中心であり、オムニバスでありながら筋の通った作品に仕上がっている。

『はじめのいっぽ』『こまとラジボー』では、人によっては大人になってもなお夢中になっている、"ものづくり"の楽しさを見せて共感を生み、同じく『こまとラジボー』と最終エピソード『ほんとうのともだち』では子供の頃に誰もが経験した、リアルな"友達作り"の思い出が蘇る、一見子供向け映画を装いながら、実際には大人の方がより深く楽しむ事が出来るのではないかとも思われる、あらゆる世代がそれぞれの視点で楽しむ事が出来る、良質のファミリー映画となっている。

各エピソード間に挿入される暗転の間が悪いのが気に障り、これが大きなマイナス点となってしまっているのだが、それ以外の映像部では、造形や動きはおろか、照明や音楽、言葉としての台詞がなく、全てが"鳴き声"で表現される声の演技など、あらゆる面で製作者のセンスの良さにいちいち唸らされる。

映像好き、可愛いもの好きなら必見。機会があれば是非。




tsubuanco at 17:22│Comments(0)TrackBack(1)clip!映画 

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1. こま撮り映画「こまねこ」  [ ペパーミントの魔術師 ]   2007年03月09日 09:31
こちらもまずは公式サイトへ。 http://www.komaneko.com/index.shtml クレイアニメのピングーも大概大変な撮影だろうけど、 人形をひとコマづつ動かし 照明・セット・カメラポジションを変えながら、 1日わずか数秒分の映像しか作れないことを考えると この映画も、ホント....

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