2007年02月02日

百万長者の初恋 30点(100点満点中)

ボクの心臓、まだ動いてる
公式サイト

火山高』の監督として、いわゆる韓流映画ファン以外の日本人にも知られる、キム・テギュン監督作品。

財閥の跡取りである主人公(ヒョンビン)は、その立場をいい事にワガママ意のままな人生を送ってきたが、祖父の遺産相続に際して、指定された高校を卒業しないと相続させないという条件を突きつけられる。仕方なく転入した田舎の高校で、美少女ウナン(イ・ヨニ)と同じクラスとなるが…というお話。

島本和彦あたりの熱血コメディ漫画を実写に置き換えた様な『火山高』とはうって変わって、本作はベッタベタのラブストーリーである。しかも不治の病に交通事故に出生の秘密と、どこかで見たお約束が目白押しで、これが『火山高』の様に確信的な狙いとしてやっているのなら面白くなるのだが、どうもそうではなく、普通にマジメに感動させようとしているのに驚かされる。

ストレートに感動させるには、あまりに引っかかる部分が多く、物語の完成度はかなり低い

まず、作中にて提示される様々な材料が、ほとんど絡み合わずに並行したまま進み、あるいは単発的に見せられ、物語にまとまりが感じられないのだ。

そして、メインストーリーの一つとなる、ウナンの病気にしても、「動悸が昂ると死ぬ、だから感情を刺激してはならない=恋心を抱かせてはいけない」と説明している割には、普通に肉体労働していたり、ダンスを踊ったりして、時々倒れては周りを心配させ、でも周りは止めようともしない。何がしたいのか全然わからない。

恋をさせても悲しませても怒らせてもダメなのに、主人公の家に来たウナンを厳しい言葉で追い返してしまう。これは、"恋をさせないために、涙を飲んで追い返した"表現なのだが、追い返して悲しませてもダメだろう。どっちにしても死んでしまうではないか。(何故か死なないが)

そのくせ終盤になると、いつの間にか二人でラブラブな同棲生活を送っていたり、クラスで卒業記念写真を撮る時に、コッソリ手を握っていたり、バイクで二人乗りではしゃいだりと、もうドキドキどころではない状態にありながら一向に死なないため、観客は呆然とするばかりだ。

設定の説明と実際に見せられている状態が全くちぐはぐなため、感動どころかツッコミまくりである。

遺産相続の問題にしても、途中で意図的に主人公と観客を騙してショックを与え、最後に「実は全部が計画通りでした」と、"いい話"っぽいオチに着陸させているが、その"計画"がかなりアバウトな偶然頼みの賭けでしかなく、ウナンがいなければ、ウナンが病気でなければ成立し得なかったもので、これまたツッコミどころにしかならない。

全体的に登場する人物や、それぞれのエピソードも散漫なまま。背の高い同級生を殴るエピソードは、その後の展開になんの因縁も与えないし、序盤で伏線として見せる"出会い"を後半で収束させるタイミングもヘンテコに感じる。脚本構成が全く整理されていない

と、物語だけを挙げれば、とても感動どころか見られたものではない作品なのだが、それでも、主人公とヒロインを演じる二人の、ビジュアル面でのレベルの高さだけは、他の類似韓国映画と比べても群を抜いており、そこだけは楽しみどころとして何とか見られるのが救いだ。

ヒロイン・ウナンを演じるイ・ヨニは、韓国女優らしからぬ"可愛い"タイプで、若い頃の深津絵里を更に脳内美化しまくった様な、ほぼ完璧な美少女ぶりが素晴らしく、彼女が様々な状況に応じて見せる様々な表情を、存分に鑑賞し楽しめる。

主人公のヒョンビンも同様に、韓国男優らしからぬ、濃さのないサワヤカな顔に嫌らしさはなく、韓流オバサンでなくとも、カッコいいと感じられるタイプだ。

主演どちらかのファンなら、そのビジュアルを堪能する目的限定で必見だが、それ以外には全くオススメしない。



tsubuanco at 16:01│Comments(0)TrackBack(0)clip!映画 

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