2007年05月28日

GOAL! 2 43点(100点満点中)

レアルが付くのはマドリードだけではありません
公式サイト

2006年FIFAワールドカップ開催直前に公開されたサッカー映画『GOAL!』から引き続き、実在チーム、実在選手が登場する現実のサッカー界を舞台に、創作の人物である主人公のサクセスストーリーが描かれる。

前作では、貧しい不法移民だった主人公が、プロサッカー選手としてイングランド・プレミアリーグのニューカッスルで活躍するまでが描かれていたが、今回は更に、スペインのレアル・マドリードへと移籍し、チャンピオンズリーグに出場する展開となっている。

レアル・マドリードにチームが移った事で、前回では一瞬の出番だったベッカムやジダンなど、クラブ所属のスター選手達がストーリーの必然として普通に画面上に存在し続け、主人公と絡んで物語や試合を展開する事が、前回よりグレードアップしたわかりやすい見どころの一つだろう。

対戦相手にも、ロナウジーニョやアンリなど、あまりサッカーに詳しくない日本人でも知っているレベルの名選手達が登場し、ちょっとした驚きや喜びは味わえるのだが、映画として肝心な筈の、ピッチ外での主人公の人生物語が前回より増して面白くないのは致命的だ。

前回で幸せに結ばれたと思われたヒロインにまつわる問題、幼い頃にいなくなった母親にまつわる問題、の二つが物語のメインとなるが、まず一方の、ヒロイン関連のストーリーは、どうにも低レベルな痴話ゲンカに終始して単に鬱陶しいだけに終わっている。

いきなりスター軍団入りしてちやほやされて、つい調子に乗ってしまう主人公にも問題はあるにせよ、主人公の夢を追う姿に惹かれて一緒になった筈のヒロインが、自分の都合、自分の感情ばかりを主張して主人公の言い分を全く聞かず気持ちも理解しようとせず、そのせいで意地になって主人公と離れておきながら、主人公の職務上の都合で会いたい時に会えないと相手のせいにして逆ギレし、主人公が窮地に陥って参っている時に、その事ではなくメディアの無責任な報道を鵜呑みにして浮気疑惑をぶつけて余計に主人公を参らせる。

と、本当に浮気されても全てヒロインの自業自得どころか、さっさと捨てて若い美人を取っ替え引っ替えして遊ぶ方が正解、としか思えない程の自己中ぶりには全く共感も同情も出来るわけがない。ただでさえ美人ではなく(控えめな表現)主人公の周囲にすり寄ってくる女達には外見では全く適わないのだから、せめて精神的に主人公を支えでもしないと、単なる人生のお荷物でしかないではないか。何だこの女。

そんなわけで、主人公と電話で話すラストシーンも、薄暗く逆光気味の照明の中で、まず階段に腰掛けている状態でずっと会話をさせて体型を隠しておき、電話を終えて立ち上がり後ろを向く動作において、横向きの体勢になった瞬間のシルエットで現状の意味を表現する、それなりに凝った映像で構成されている事自体はいいとは思うが、内容的には「だから何だよ」としか思えずに今後どうなるかなどちっとも気にならないのだ。むしろいなくなった方がスッキリする。

母親とのドラマも、母親本人との再会に関連する流れはそれなりにジンワリくる事は確かだが、父親違いの弟の言動は単にウザいだけでこれまた共感も同情も出来ず、むしろ事故を起こした時に死ねばよかったのに、と思ってしまう程に、観ていて少しも楽しくない。

母親が述べる説明が、全て唐突な台詞のみだったり、自分で「お前のお兄さんだよ」と教えておきながら「あの人の事は忘れなさい」と言ったりと、何をどうしたいのかわからないし納得も出来ない顛末はお粗末に過ぎる。主人公も、弟とサッカーをする場面の前に、とりあえず一度くらいは殴って性根を叩き直してから受け入れろよ、と誰もが得心し難い思いを抱く筈だ。

結局、私生活で主人公の足を引っ張る出来事が本当にジャマなものとしか思えず、ストーリーの面白さになり得ていないのだ。

試合のシーンも前回同様、最後の試合以外は時間が短いせいもあって特に盛り上がらず、大きな楽しみは得られるものではない。

最後の試合だけは、前回同様に圧され気味から逆転へと繋がるハラハラドキドキをそれなりに感じる事が出来、現実の試合映像では意図的に撮る事が不可能な、画面に向かってボールが飛んでくる様なショットを決め所に使って迫力とインパクトを与え、それを実在選手がプレイする映像と交える事でリアリティを無くさずに見させるなど、展開の推移と視覚的な娯楽性とが融合したものとなっており、スポーツ映画のクライマックスとしては問題なく楽しめるだろう。

だがそこでも、主人公の最後のシュート映像が、何故かこれに限ってCG合成丸出しのチープさが目立っていたり、最後に勝負を決める選手がいきなり美味しいとこを持っていきすぎで唖然とさせられてしまい、そのまま終わってしまうなど、首を捻らざるを得ない部分が存在してしまうのが残念だ。せめて最後くらいはスッキリさせて欲しかったのだが。

サッカー関連は前作より良くなってはいるが、ドラマ部は前作以下。前作を観てそれなりに楽しめた人なら、一応は要チェックだろうが、あまり期待しない方がいいだろう。自己責任で。


tsubuanco at 16:38│Comments(0)TrackBack(2)clip!映画 

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