2007年06月07日

輝ける女たち 20点(100点満点中)

フランス美女は年をとるとブルドック化する法則
公式サイト

原題は『Le Heros de la Famille(家族のヒーロー)』、その名の通りに、一つの複雑な家族の中心である男、熟年マジシャンのニッキーをメインに、それぞれの悩みや葛藤、愛憎が入り乱れながらドラマを形成し最終的に収束する、という物語。

なのだが、どうにもヘンテコかつ恣意的な邦題のせいで誤った先入観を持たせ、相変わらずの配給会社のダメさ加減をまた表出させている。

この邦題、おそらくは本作と同じくカトリーヌ・ドヌーヴとエマニュエル・ベアールが共演しているフランス映画『8人の女たち』を意識してのものであろうが、サモハン・キン・ポーやスティーブン・セガールでもあるまいに、何でもかんでも同じ様な題を付ければいいというものではない。

しかもポスターやチラシに大きく映っている小林幸子ばりのキンキラ衣装で文字通り輝いている女性は、物語の舞台の説明として登場するいちダンサーにすぎず、本筋には全く関わらないどころ沢山出ていたダンサーの内の一体誰なのかすらわからない人である。そこまでして"女"を強調する意図がそもそも気持ち悪い

物語は家族一人一人を平行して描く群像劇なのだが、それぞれが背負っている背景設定の説明やキャラクター立ての描写、それによって進められる人間関係の進展、更に明らかになる本当の事、と、配置や構成のバランスがどうにも悪い上、各人物がさして魅力的ではなく、かといってイヤな奴でもなく、誰にも共感も感情移入も出来ないため、ストーリーにも興味を持ず退屈な時間となる、中途半端な出来に終わっている。

"家族"とそうでない者との差異を、それぞれの人間関係において強調し、ドラマの面白さとするなどの工夫があれば、それなりの面白さが生まれたかもしれないが、そうした点も曖昧で、何をどうさせたいのかがやはり中途半端に過ぎる。

前半は説明と描写のバランスが悪いせいで、そもそもの人間関係を把握する事すら大変な状態となるし、後半では結局、各人物の内的問題を収束させたいのか、劇場をどうするかを決着付けたいのか、どちらも踏み込みが浅いままに上滑りなドラマが進行し、そのまま終わってしまう。何がしたいのか。

ニースの景色を活かした風景映像は美しく、そこから醸し出されるゆったりした雰囲気は味わえるが、ストーリーまでゆったりしすぎては問題だ。雰囲気に誤摩化されてはいけない。

出演者のファンであっても、すっかり老け込んだ元美人女優たちを見るのは苦しいものがあるかもしれない。特段に鑑賞の必要もないだろう。


tsubuanco at 16:59│Comments(1)TrackBack(2)clip!映画 

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2. mini review 08282「輝ける女たち」★★★★★★★☆☆☆  [ サーカスな日々 ]   2008年12月19日 14:21
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1. Posted by kimion20002000   2008年12月24日 19:38
はは、ブルドッグ化か。

>雰囲気に誤摩化されてはいけない。

僕は、フランス映画コンプレックスがあるのかなあ、結構誤魔化されているんですよ。


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