2007年09月28日

2007年7-9月期ドラマ その2

その1はこちら。引き続き100点満点で。

女帝 120点

いきなり初回から二度もレイプされそうになったり、その回のうちに母親が死んでしまったりと、総集編並に速すぎるストーリー展開と、さっきまで本気で極悪だった奴がいきなり改心して芯からいい奴になるなど、猫の目の様に変わりまくって何が何やらな人間模様は、まるで昼ドラの一週間分を一話で行っているかの様な感覚を与えられ、いったいどうなるものかと目が離せなくなるのは、狙いかどうかは知らないが大成功。

ツッコミどころ満点のストーリーに、過剰な演技、演出、それとは逆に加藤ローサによる棒読みにも程があるナレーションおよび、決め台詞どころか一発ギャグとしか思えない「のし上がっちゃるけん」と「ふざくんな!」は使われる度に別の意味で「待ってました!」と大喜びとなる。

昼ドラのパロディの様な、逆の意味で面白すぎる方向性を極めて最後までブレなかった姿勢が素晴らしい。中途半端にマジメな作品などより、もっとこんなのを作るべきだ。
山田太郎ものがたり 84点

『花より男子』の後にこれを嵐主演でドラマ化するというのが、何だか台湾ドラマの後追いの様で安易に感じもするが、漫画的な演出を強調し、貧乏のドン底を可哀相にならない様に笑いに転化して描写する、現実離れしたコメディとしてバランスよく作られており楽しめる。

櫻井翔の演技が相変わらず向上していないが、台詞の少ない役どころに当てはめる事でその問題を解消しようとする狙いは、ある程度成功しているか。それでも彼自身の容姿の劣化は誤摩化せていないが。

二ノ宮和也と多部未華子、共に泥臭いタイプの演技派であり、自身のキャラクターが役にハマっている。特に、オーバーアクションなマンガ演技を、寒くならない様に演じられる、多部のセンスは秀逸。これで顔がもっと可愛ければ完璧なんだが。

太郎の弟妹を演じる子役達が、どれも驚愕するほどに可愛く、このキャスティングは完璧。よく揃えられたもんだ。
ライフ 85点

少女達が抱える歪んだ"仲間意識"という、普遍的な題材をまず最初に徹底してディフォルメ気味に描き、共感と嫌悪を生んで作品世界に導入し、どんどんエスカレートしていくドラマに引き込んでしまう仕掛けが上手い。

それによって、どんどん都合悪く進んでいく有り得なさを楽しむ事が出来、やられるままで終わるわけが無いと思っているから、どんな悲惨な出来事も安心して観られむしろエスカレートを楽しめる様になる。

親友の自殺を最初に見せる事で、劇的なインパクトと同時に逃げない理由付けとする構成も良くしたもの。

キャラクターをディフォルメしまくった描写は楽しく、前作『ライアーゲーム』のキノコに続いて今回の佐古のキチガイ演技、演出は、狙いすぎだが敢えて乗って面白がれる。それにしても、演出まで『ライアー〜』と同じ手法なのはどうかと思うが。

ラスボス愛美を神出鬼没のモンスターの様にまで描写して散々煽っておきながら、ラストの逆転と収束は少し物足りないか。排除でも和解でもない方向に持ち込むのはいいが、もう一押し欲しかった。何ならジャンプ漫画の様に、何喰わぬ顔で仲間になっているなどすれば爆笑で終われたのだが。

それにしても福田沙紀は演じる役によってイメージが変わりすぎて面白い。今回でかなり好感度を下げただろうが、頑張ってください。
ファースト・キス 16点

井上由美子のオリジナル脚本という時点で全く期待はしていなかったが、予想通りにキャラの定まらない登場人物ばかりが自己正当化と逆ギレに終始するドラマが面白いわけが無い。

井上真央は可愛くてツンデレ役にハマっているが、陳腐な設定も手伝ってあまりに類型的で、そのわりに病気がドラマ展開に大して活きてこないと、残念なお仕事で同情する。

伊藤英明はどんな作品でどんな役柄を演じようが、全てキャラも影も薄く、とてもメインとは思えないのは本人の資質なのだろうか。

ラブストーリーにしても、観る前からわかるカップリングに意外性も何も無く、それ以外のキャラクターは何のために出ているのかすらわからない状態で、笑い担当キャラが本当にその場限りの寒い笑いしかさせてもらえず可哀相になる。

辛うじて酒井若菜によるアドリブ的な変人演技は面白かったが、結局いなくても問題ない扱いだったので、作品を面白くするには至れていない。

いい加減、井上由美子に仕事を回すのをやめてほしい。弱みでも握られてるのか?
花ざかりの君たちへ イケメン♂パラダイス 58点

長い原作を無理に1クールにまとめたせいか、佐野の高飛びの話、中津の片思いの話、生徒達のドタバタ対決、の3つのストーリーがそれぞれほとんど絡まず、バラバラな印象を受ける状態が最後まで変わらなかったのが残念。

何より、一番重要な筈の佐野のエピソードが、暗い性格付けのせいもあって一番ダラダラしてつまらないのは問題だろう。一方で中津の一人相撲的な展開は、特殊な設定を上手く活かして面白いものに。

本来は背景としての賑やかしで終わるべきだった他の生徒達によるドタバタが、まるでこっちがメインかの様にウエイトが大きかった事が、内容を散漫にしてしまった最大の要因だが、そこだけを見ればこれはこれで面白く、水嶋ヒロ、高橋光臣、五十嵐隼士の去年の特撮主人公を始めとする、まるで『特捜最前線』の再来の様な、特撮俳優勢揃い的なキャスティングも楽しい。何気に宇梶剛士も特撮枠だ。

最終回、「お前らそんなに親しくなかっただろ」と突っ込んでしまう程に、主人公と大して絡んでいなかった生徒達が、いきなり一人一人別れを惜しむのは不自然すぎ、あからさまに感動させようという狙いが見えて逆に醒めてしまい困った。二時間スペシャルと銘打った総集編にならなかったのは良かったが。
『肩ごしの恋人』『牛に願いを』『探偵学園Q』『ホタルノヒカリ』『地獄の沙汰もヨメ次第』『菊次郎とさき』はその1

『山おんな壁おんな』『スシ王子!』『受験の神様』『女子アナ一直線!』『BOYSエステ』は後日。



tsubuanco at 17:36│Comments(7)TrackBack(0)clip!テレビ・ラジオ 

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この記事へのコメント

1. Posted by 力薬   2007年09月19日 23:04
「ライフ」は最後の「お前の席ねえから」直後のCMで『終わった』と思った人はどれくらいいるんでしょうかね…

「女帝」はチェックをおろそかにしてしまいここまで化けてたとは知りませんでした。機会があればレンタルしてみます。

「花ざかりの君たちへ」は原作を知らずに見、それなりに楽しめましたが、「イケメン〜」なるタイトルやら普通なら即バレの男装やらなどのコンセプトにツッコミを入れたら負けなんでしょうね…
2. Posted by 爽泉   2007年09月20日 14:11
福田沙紀はウルトラマン好きらしいですね。
3. Posted by つぶあんこ   2007年09月20日 17:51
『ライフ』は、福田沙紀のギャップもですが、さくら姉さんからガラリと変わった末永遙のギャップも楽しかったです。
4. Posted by RAS   2007年09月21日 18:08
何故か妻が「女帝」にはまってしまい、一緒に見ていましたが、棒読み熊本弁の場面では毎回爆笑させていただきました。語尾に「タイ」を付けたら長崎弁になるキャプテン翼を超えたと思います。
5. Posted by つぶあんこ   2007年09月24日 23:21
次藤だけ訛ってて佐野が標準語なのも謎ですよね。
6. Posted by 結   2007年11月07日 19:48
女帝の評価が120点になっています。
100なのか20なのか教えてほしいです。
7. Posted by つぶあんこ   2007年11月08日 18:57
120点です。

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