2007年11月18日

ボビーZ 43点(100点満点中)

志村けんと沢田研二の鏡合わせコント
公式サイト

日本では『ストリート・キッズ』で知られるミステリー作家、ドン・ウィンズロウの小説『ボビーZの気怠く優雅な人生』を映画化。

原作と大筋は変えられてはいないが、本国アメリカでは出来のあまりのチープさに、劇場公開がオミットされビデオスルーとあいなっただけの事はある、安くて軽い娯楽アクション映画に終わっている。

ポール・ウォーカー主演の最新作でありながら、テレ東で昼間に放送されている70年代のマイナー洋画と言われても全く違和感のない作りは、もはや一周してそのテイストを楽しむべく観ない事にはダメなのだろうか。

荒野での乗馬アクションやバイクスタントにて、CGや合成をほとんど使わずに実際に人が演じているあたりからも、そうした昭和のアクション映画の空気はありありと感じられ、砂漠でヘリに追われる場面での爆破などに至っては特撮ヒーローがいつ登場してもおかしくない雰囲気まで生まれ、こんな映画が今現在公開されて本当にいいのか、と頭がクラクラしてくる程だ。

偽物になりすました男が抗争に巻き込まれるうちに本物と入れ替わってしまうストーリーも、古今東西のクライムストーリーに頻出のものであり、子供を連れての逃避行、というスタイルもまた、『グロリア』などもはや定番中の定番だ。

本作では、偽物である主人公と"本物の息子"との道行き、という人物構図が特徴的なものとなってはいるが、登場人物の全員が記号、類型的なテンプレートに当てはめられて全く逸脱しないため、何ら特別なドラマが生まれる事なく終わってしまうのはどうか。

この子供の父親が誰かは最初から判明しているが、本当の母親が誰なのかという要素が、主人公と子供との関係性に活かされずに唐突に台詞で説明するだけなのでは、別に無くても良かった程度でしか無く、また、子供自身が主人公を本当の父親と思い込んでいるのか、あるいは途中で別人と気づいたのか、といった心情描写も全くなく、設定の特殊性を少しも使えないままなのは底が浅すぎる。

何らかのきっかけで主人公が本物でないと気づくが、本当の父との間にいい思い出が特に無いなどから、今現在自分を守ってくれる頼もしいこの男を父と思いたい、などの内的葛藤描写が少しでもあれば、ラストの大岡裁き的なオチが、単なる笑いだけではなく、感動方面でも盛り上がったのではないだろうか。

中盤で見せる爆破映像は実物なだけにそれなりに迫力がありながら、最後の決め所であるダイブシーンが、これも本当に飛び込んではるが大して高くないのであまり凄く見えず、アクションの締めとしてはショボすぎるだろう。このあたりもビデオスルーの大きな要因となっている気もする。

イケメンの主人公、車、銃、爆破、格闘アクションが散りばめられ、エロっぽいヒロインとのロマンスあり、子供あり、と、いちいち二線級ではあるがお約束の娯楽要素が満遍なく披露され、少なくとも観ている間はツッコミも含めて退屈する事は無いだろうが、コレを観なかったからといって何一つ困らない、まさにテレ東洋画の形容がピッタリ当てはまる一品である。

ゆえに出演者のファンでもなければ、敢えて観る必要性は皆無とも言える。自己責任で。



tsubuanco at 14:00│Comments(0)TrackBack(0)clip!映画 

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