2008年03月30日

アクエリアンエイジ 劇場版 2点(100点満点中)

燃心! 合体! ゴー!
公式サイト

『デ・ジ・キャラット』でオタク市場を席巻し、その後『ギャラクシーエンジェル』など、萌え美少女路線をメインとしているオタクビジネス企業ブロッコリーのカードゲーム、『アクエリアンエイジ』を実写映画化。

なる触れ込みだが、カードゲーム『アクエリ〜』は本来、マジック・ザ・ギャザリングのスタイルに萌え美少女キャラ育成をプラスしたものである。だが今回の映画版はなぜか、若手イケメン俳優達が主人公として登場する、BL系腐女子向けとしか思えない特撮オカルト映画なのだ。

これはアニメイトとの業務提携の影響下による、新規顧客層取り込みの手始めなのだろうか。ともかく、原作とは主要キャラクターからして全く変えられている映画版、世界や種族の設定などに原作のテイストやキーワードを残してはいるものの、全くの別物と考えた方がいいだろう。

しかし、原作ものにせよ別物にせよ、本作を一本の劇場映画として評価する事は非常に困難だ。これはどう観ても、連続テレビシリーズの初回2時間スペシャルでしかないのだから。

バラバラに生活していた主人公達が、受け継がれる宿命に導かれていく様を、各々で平行し、時に接触しすれ違いながら描かれていき、同じく敵となる存在も徐々に正体を現していき、敵が遂に牙をむき出したのと時を同じくして、導かれた主人公達がその前に集結する、という流れは、戦隊に代表される集団ヒーローものにおける序盤展開のテンプレートそのままである。

もちろんテンプレートとは、各作品ごとの特徴やキャラクターを当てはめて独自色を出すための基本素材であり、それに沿う事は間違いではない。だが本作は、TVシリーズの第一話でも、その序章となる劇場版でも無く、あくまでも単独の作品の筈だ。事実、現状知る限りでは、今回の続きが何らかのかたちで発表されるという情報は無い。

にも拘らず、先述のテンプレートに沿って話が進み、遂に主人公達と敵が対峙し、今からクライマックスのバトルが始まるのかと思った瞬間にエンドロールが流れ始めるのだから驚きだ。これが「次回に続く」ならば引きとして最適だが、「おわり」なのだから、納得出来よう筈もない。せめてエンドロール後に何かあるのかと我慢して待っていたら何もなく、そのまま場内が明るくなってしまっては、呆れ返るどころの話ではない。

ストーリーやキャラクター描写にしても、何故こいつらが急に下の名前で呼び合っているのか、何故そんなに急に馴れ馴れしく関係が変化しているのか、など、宿命や運命、あるいはお決まりのパターンだからとの共通認識にオンブしているだけの、何の考えもないものに終始。途中で見るからに怪しい奴が出てきたら、そいつがそのまんま怪しい奴だった、との展開に至っては、それでも尚、そいつが怪しかった事を衝撃の事実の様にフラッシュバックさせて演出しているのだから失笑する他ない。

世界設定や人間関係は全て台詞で説明し、ではお姉ちゃん(長澤奈央)は結局死んだのかどうかなどは適当にスルーし(というか何故あんなところに置く)、黒フードの三人組の、一人が離脱した後の二人は一体どこへ何をしにいったのかも不明なまま、など、それっぽいシチュエーションを適当に並べただけの、ひたすらに表層的、底の浅い描写、展開ばかり。

そんなありきたりで退屈なドラマが延々続いた挙句に、ラストは「ばかやろう、まだ始まってもいねえよ」ときては、これで金を取って構わないと考えている事こそが考えられない。

腐女子なんて適当にイケメンを出してBLっぽく絡ませておけば泣いて喜ぶだろう、などと客を舐めくさって金ヅルとしか見ていない事が瞭然の、オタク騙しビジネスによって生み出されたゴミの山の一つにすぎない。出演者のファンでもレンタルチェックで充分だ。

続きが作られるのなら、また話は別だが。



tsubuanco at 17:49│Comments(1)TrackBack(0)clip!映画 

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この記事へのコメント

1. Posted by 神威   2011年07月30日 04:26
5 見ました…何か戦いのシーンにいくと思ったら.目が光っていきなり終わりって(^^;)最初は分かるけど…良いところできれて…つまんなかったですね正直言うと…最初は楽しいかったけど最後意味が分かりませんでした

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