2009年01月27日

The ショートフィルムズ みんな、はじめはコドモだった

公式サイト プラデラレビュー

・展望台(阪本順治監督)★★★
ワンシチュエーションのリアルタイム会話劇にて、登場人物の過去の背景を匂わせて広がりを感じさせる、との定番手法を手堅く踏襲。大人と子供の意識認識のギャップがどんどん混淆していく作劇はペーソスフルで面白い。

・TO THE FUTURE(井筒和幸監督)★★★★
久々の「良い井筒」。総連のプロパガンダから切り離された井筒が、ノビノビとやりたい事をやっているのが痛い程に伝わってきて楽しすぎる。光石研の弾けっぷりは「自由な井筒」が乗り移ったかの様。子供パートにおける無邪気と諦観のバランスもいい。思い出したかの様に「海藻せんべい」を復活させるタイミングなど、ネタの練り方が秀逸。オチが投げやりなのは漫才的構成を意図したのか? 面白い。

・イエスタデイワンスモア(大森一樹監督)★★★
ありがちなストーリーだが手堅く作られているため引っかからず楽しめる。時代劇にしたのはギミックのあり得なさによる違和感を軽減させるためか、それとも単に高岡早紀に和装させたかっただけか。だが高岡早紀なんだから、もっとエロい方向に話が進んでもよかったかも。惜しい。

・タガタメ(李相日監督)★★★★★
末期ガンを告知された老人が、既に中年となった知的障害の息子と心中を図る。との重すぎる設定と導入を嘲笑うかの様な、宮藤官九郎演じる死神による、確信的に「薄っぺら」な演技と演出とのギャップにより、笑わせられながらも救いの無さが一層に引き立つ。とことんドン底に追い込んでおきながら、最後の最後で「魂の救済」を見せて感動へと持ち込む展開も見事。安易に乱発され気味な「死神もの」としては確実に秀作。面白い。

・ダイコン 〜ダイニングテーブルのコンテンポラリー(崔洋一監督)★★
樹木希林、小泉今日子、細野晴臣ら出演者のキャラや演技力(良くも悪くも)だけに依存した会話劇。樹木希林が主導権を握っているシーンは辛うじて場が持っているが、それ以外は退屈。残念。

tsubuanco at 11:09│Comments(0)TrackBack(0)clip!映画 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
Comments