2009年03月23日

映画プリキュアオールスターズDX みんなともだちっ☆奇跡の全員大集合! ★★

公式サイト プラデラレビュー

結論から言うと出来はあまり良くない。ただし普段のTVシリーズのプリキュアが持っている良い点と悪い点は、ほぼそのまま投影されているのだから、プリキュアの映画としてはこれで充分なのかもしれない。その上で、スペシャルな競演によるお祭り感がプラスされているが、この追加の仕様にもまた、いかにもプリキュアらしい長所短所がそのまま見てとれるのだから、ファンイベントと割り切るにしても辛い。

良かった点を挙げれば、6番組4組の各ユニットの、それぞれ特徴的な戦闘スタイルを描き分けられている事か。これにより色味が似ている初代と SSも、アクションを見れば違いがすぐわかるので、最近のシリーズから見始めた子も安心だ。初代の肉弾格闘の描き方は特に、大画面をダイナミックに活かした映像演出が気持ちよすぎる。各ユニットの戦闘パート毎に各シリーズの主題歌が流れて、テンションを高揚させてくれるのも基本に忠実。

だが、全体の構成に特に顕著だが、そうした長所を活かすどころかむしろスポイルしてしまう様な、お粗末な仕事が目立ったのが大いに残念。

時間が短い上に人数が多いのだから、特段のストーリーなど無くともアクションの連続で見せきろうとした方向性自体は正しい。先日公開された『ゴウオンジャー VS ゲキレンジャー』も、同じ方向性で大成功している。ちなみに主人公側の人数が14人という点も偶然だが同じだ。

まず前半の構成。各ユニットに均等な見せ場を与え、過去シリーズを知らない子供にも認知させる、との狙いおよび、各作品世界を一つに融合させた今回の世界観を的確に伝えつつ、ファンサービス的に「競演」を明確に打ち出す狙いが見てとれる。のだが、別シリーズのたまり場をたずねる → 別シリーズの妖精が降ってくる → 敵が出現し戦う → エネルギー吸収される の流れを、何の工夫もヒネリもなく流れ作業の様に4回も律儀に繰り返されては、流石にワンパターンすぎて「ハイハイまた同じ流れね」と飽きてしまい、せっかくのテンションも下降する。ダレが頂点に達する最後にSSが回されたのは、最も不人気だったシリーズに対する罰ゲームか(笑)。

また、この前半で変身シーンはともかく名乗りまで時間をかけて見せてしまっている事が、これはキャラ紹介の意味もあるので一概には否定出来ないが、やはり冗長とワンパターンを印象づけてしまう要因であり、後の展開の脚を引っ張る事にもつながっている。

そうして序盤で名乗りを丁寧に見せてしまった結果として、ラストバトルで初めて全員が一同に会した名乗りシーンが、別作画ならともかく同じバンクを使っているため、同じ事の繰り返し感が強くなり、最大の盛り上がりとはいかなくなる。前半でのバンクは変身シーンのみにとどめて名乗りは簡易化し、クライマックスにやっとフルバンク名乗り、となった方が、右肩上がりに盛り上がった筈。

しかも律儀に一人ずつ名乗りを繰り返すのかと思いきや、5だけはまとめた名乗りに省略しているのもズッコケさせられる。逆に単独名乗りが強調されるルミナスやローズとのバランスも悪くなる。このあたりで、観客の呼吸やテンションの操作には完全に失敗し、同じ事の繰り返しがダラダラと続いている印象をより強めてしまっている。前出の『ゴウオンVSゲキ』と比べて尺が20分近く長いにも拘らず、その分を盛り上がらせる仕事が見られないため、ストーリーが無い事の弊害が目立ってしまっているのだ。

興行的には動員目当てのやっつけ仕事かもしれないが、脚本構成までもがやっつけでは、報われないものが多すぎる。子供騙しの一過性で構わないとは、現場の作り手は思っていないと思いたいのだが。残念。


tsubuanco at 15:12│Comments(1)TrackBack(0)clip!映画 

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この記事へのコメント

1. Posted by やの   2009年03月26日 19:52
ぷりきゅあは見ないっていったのに

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