2010年10月15日

七瀬ふたたび ★★★★★

公式サイト プラデラレビュー

最終決戦への導入から物語を開始、その後に各人物との出会いを回想として随所に挿入する、という構成によって、短編連作形式である原作のストーリーを一通り扱いながらも、一本のストーリーとして、および二時間程度の映画作品として、見事にまとめあげた構成手法が秀逸。

この、各人物の能力や背景が「後から」わかってくる事になる帰納的な手法が、作品構築の基本となっている事は、たとえば、コンビニ(?)場面における地域住民の反応の原因が、その後に用意されている、駅舎(?)での聞き込み場面、更に後の刑事到着場面にて完全な意味を成している。など、あらゆる場面に同手法が用いられている事からも歴然。これに気づいてもいない人間による「説明不足」という批判ほど的外れな戯言もない。

その上で、原作とは異なるオチにもまた、同様の手法を用いて、作品全体を包括して畳み込んでしまうカタルシスを与えるだけでなく、何故かいつも二作目である本原作ばかりが映像化され、「いったい何が『ふたたび』なんだよ」と突っ込まれるテンプレートに対して、真っ向から作品内の意味としての回答を提示し、堂々たるタイトルとして画面に映し出すに至っては、もはや感服する他ない。

こうした、原作を充分に理解した上での、主として脚本面における再構築の見事さの前には、低予算ゆえの特撮のチープさも、子役の気持ち悪さも、相変わらずなサトエリの顔と演技の残念さ加減も、大したマイナスとは思えない。今までの『七瀬ふたたび』映像化の中では、最も意欲的な作品と評して何ら問題ないだろう。よく頑張った。

tsubuanco at 17:22│Comments(0)TrackBack(0)clip!映画 

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