ちょっと珍しいコンサートに行ってきました。ショパンが活躍していた1842年に製造された、フランスのプレイエル社のピアノと、今のスタインウェイの弾き比べコンサートです。つまり、170年前にショパンが弾いていたピアノの音色を聴くことができました。

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1年ほど前にピアノを再開してから、有名なピアノ曲の作曲家たちが実際に活躍していた時のピアノってどんな音だったんだろう?と思うことが何度かあったところにこのコンサートがあったので楽しみに行ってきました。

演奏は、ピアノストの仲道郁代さん。とてもよかったです。美しい音色でした。演奏だけでなく、ピアノや演奏する曲の背景などの説明もあったので、とても楽しいコンサートでした。プレイエルは写真の通り、今のピアノよりサイズも小さく、鍵盤の数も少ないです。仲道さんによると、鍵盤を叩いたときの深さも浅く、鍵盤の幅も狭く、そして弦の張力も弱いそうです。弾きこなすには相当技術が必要なようでした。

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音は、言葉では説明しにくいのですが、私がプレイエルの演奏を聴いて感じたことは、「ピアノは木でできている」でした。木の箱から伝わってくる音という感じです。今のピアノは音の広がりや表現も豊かですが、プレイエルは素朴な音で、同じ楽譜でも当時にタイムスリップするような感じでした。

今回の演奏曲です。すべてショパン。ショパンはプレイエル社のピアノを好んで弾いていたそうです。個人的には、私も中学高校時代弾いていた曲がほとんどだったので、感慨深かったです。私がプレイエルの演奏で気に入ったのは、革命のエチュードと、バラード1番でした。小犬のワルツもよかったです。

IMG_7769【スタインウェイでの演奏】
 幻想即興曲 op.66
 ワルツ第7番 op.64-2
 ワルツ第6番op.64-1「小犬」
 ワルツ第2番 op.34-1「華麗なる円舞曲」
 エチュードop.10-5「黒鍵」
 エチュード op.10-12「革命」
 エチュード op.10-3「別れの曲」
 ポロネーズ第6番op.53「英雄」
【プレイエルでの演奏】
 ワルツ第6番op.64-1「小犬」
 エチュード op.25-1「エオリアンハープ」
 エチュード op.10-12「革命」
 エチュード op.10-3「別れの曲」
                          バラード第1番op.53

演奏後、写真撮影ができたので、iPhoneで撮影しました。こちらが前から見た写真です。ペタルのところのデザインが素敵です。

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横から見た写真。

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後ろから見た写真。

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下から見た写真。

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足の金の部分も細かい彫刻がほどこされていました。

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このピアノはある貴族のおうちにあったものを、フランスで修復したそうです。装飾にその名残がありますね。このようなコンサートが、これからもあるといいなと思いました。調べたら、私の大好きなショパンの「英雄ポロネーズ」は、1842年に作曲されていました。このピアノの製造年と同じです。今度は聴くだけでなく、弾いてみたいですね。