「瀬戸内国際芸術祭2019」が11月4日(月・祝)に閉幕。2013年に続き、今回も12島2港の会場を全て制覇しました。メディアツアー、瀬戸芸オフィシャルツアー、JR四国ツアー、そして自分で周ったりと、色々な形で鑑賞しました。主に新作を中心に周っていますが、私の目線で印象に残った作品を「私が選んだベスト作品」という形で、島の風景やお食事も交えながらご紹介します。

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紹介順:①直島 ⇒ ②豊島 ⇒ ③犬島 ⇒ ④沙弥島 ⇒ ⑤女木島 ⇒ ⑥男木島 ⇒ ⑦小豆島 ⇒ ⑧大島 ⇒ ⑨高松港 ⇒ ⑩宇野港 ⇒ ⑪本島 ⇒ ⑫伊吹島 ⇒ ⑬高見島 ⇒ ⑭粟島

★★★で囲っているのが瀬戸芸作品
☆☆☆で囲っているのが、島の様子や食事などのご紹介

約160枚の写真でご紹介します。

【①直島春・夏・秋》

まずは直島をご紹介します。直島は「瀬戸芸」の原点。1992年に福武總一郎氏が瀬戸内の離島の活性化を願い、安藤忠雄氏に設計を依頼して「ベネッセハウス・ミュージアム」を建築。その後直島アートがだんだんと知られ、2010年の第1回瀬戸芸開幕に結びつきました。

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直島の玄関口、宮浦港の象徴となっている、草間彌生さんの赤かぼちゃです。宮浦港は、「海の駅なおしま」にもなっています。

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★★★「The Naoshima Plan 2019『水』」(三分一博志)★★★

水と風という自然をテーマにした作品です。三分一氏は、この作品の近くにある「直島ホール」や、犬島の「犬島精錬所美術館」も手掛けていらっしゃいます。

直島の井戸水に注目。この作品のある本村地区は多くの井戸が設置され、また水が海に流れる水路も計画して作られていた事実を、三分一氏が数年かけて調査して発見。この作品の着想に生かしています。建物も南北に風が抜けるように建てられていて、とにかく気のよい空間でした。

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この作品を通して伝えたかった三分一氏のメッセージは「井戸の価値の再発見」。井戸端でのコミュニティーだけでなく、災害に備えるためにも活用してもらえればと、おっしゃっていました。

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三分一氏自ら説明してくださいました。ここにずっといたくなるような、水と風の心地よい空間でした。

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【②豊島(てしま)春・夏・秋》


★★★「ウミトタ」(皆川明/緒方慎一郎)★★★

海と田んぼに囲まれた一棟貸しの宿泊施設。ウミトタの語源は「海と田」。訪問した時には、ちょうど稲を干している時期で、海と田んぼの景色のバランスが素晴らしく印象的でした。

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隣接しているギフトショップの窓から見える海の景色も素敵です。

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海沿いの窓は、まるで額縁のようでした。

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残念ながら、室内は撮影禁止でしたが、海と田んぼを楽しめる景色は、香川出身の私にとってはどこか懐かしい光景でもあります。室内にエタノールの暖炉があり、暖炉を焚きながらゆっくりするのもいいかなと思いました。

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入口から少し中のイメージがわかるでしょうか?

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☆☆☆「海のレストラン」☆☆☆

「ウミトタ」のすぐ近くにある「海のレストラン」。2013年の瀬戸芸の際にオープン。ウミトタに宿泊したら、ディナーを食べるレストランです。朝食もここで作ってくださって、宿泊先まで届けてくださいます。

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私自身大好きな場所で、豊島に来る時には、可能な限りここでランチを食べています。この景色に癒されます。

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この日は瀬戸芸期間中の限定メニュー「海鮮ボウル」をいただきました。瀬戸内海を眺めながら、海風に吹かれながら最高の時間でした。

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★★★「豊島愛ランドスケープ」(垣内光司)★★★

こちらも、海風が心地よくて海の景色も眺められて、非日常を味わえる空間でした。ここに座ってお弁当を食べたり、好きなように思い思いに過ごせます。

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私もしばらくここに座っていました。足をブラブラさせて気持ち良いです。パイプなのでゆらゆら揺れますが、それも自然な感じでよいと思いました。

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遊びに行ったのが10月中旬ごろでしたが、豊島ではちょうどオリーブが生っていました。

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【③犬島(いぬじま)】春・夏・秋》

2013年以来、6年振りの犬島でした。写真は、犬島港から降りたところにある「犬島チケットセンター」。この茶色い建物を見ると犬島に来たと感じます。今回は、メディアツアーの一環で、犬島の家プロジェクトの新作「C邸」を訪問。「犬島・家プロジェクト」とは、「F邸・S邸・I邸・A邸・C邸」の5つのギャラリーと「石職人の家跡」から成り立っている、ベネッセアートサイト直島所有のアート作品です。

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★★★「無題(C邸の花)」(半田真規)★★★ 

今回の瀬戸芸の新作の中で、とても印象に残っている新作です。私の中のトップ5にはいります。

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アーティストの半田氏です。笑顔で対応してくださいました。

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楠の木で出来たお花の数々。近くによると木の癒される香りがしてびっくりしました。木が生きている感じです。

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半田氏が早くから犬島に通い、島民の方々との対話と通して感じたインスピレーションで制作。瀬戸芸の原点である島の人との対話、そこからのインスピレーション。そして島を元気にする、全ての要素を感じられる作品でした。

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朝顔もガーベラも素敵です。瀬戸芸が終わった後もベネッセの作品として残ることを願います。

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犬島の島の風景です。

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既存の「犬島の家プロジェクト」も2作品、追加でご紹介いただいたので参考にご紹介します。両方とも私は好きな作品です。


★★★「邸/イエローフラワードリーム」★★★

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★★★「C邸/コンタクトレンズ」★★★

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【④沙弥島(しゃみじま)】《春会期のみ》

続いて、春会期のみ開催の沙弥島です。


★★★「階層・地層・層」(ターニャ・プレミンガー)★★★

2013年、2016年と続くこの作品は、この芝生の緑を見ると、ああ瀬戸芸だなと思う作品です。高さ6mの小高い丘は芝生で覆われています。ブルーの瀬戸芸の旗と緑の芝生がマッチしています。

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★★★「そらあみ(島巡り)」(五十嵐靖晃)★★★

沙弥島ではコンセプトも含めて一番好きな作品です。瀬戸大橋が繋がっている5つの島、沙弥島、瀬居島、与島、岩黒島、櫃石島の地元の漁師さんや島民の方々が、定置網の漁網を編む方法で各島で編み、最後その5枚を縫い合わせて繋いで、この西ノ浜の波打ち際でたなびかせています。

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アーティストの五十嵐さんによると、漁師さんたちの漁網を編むその手さばきが素晴らしかったそうです。そのような地元民の熟練した高い技術力を、作品に生かして表現する機会を作った、五十嵐さんのアイディアも素晴らしいと思いました。5つの島の住民が集まる機会にもなりますね。

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アップでみると、島の方々の思いが、結び目から伝わってきます。

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天気により、見る方向により、そして朝と夕方の時間の太陽の位置により、潮の満ち引きにより、いろいろな見え方ができるのも、この作品の特長です。

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五十嵐さんです。しっかりとした想いとコンセプトが伝わってくるので、お話も心に響きます。そして今回は初の試みで、秋会期に西側の島(本島、高見島、粟島など)でもワークショップを行い同じ長さを制作。それをこの60mの網につなげて合計120mにして、本島の泊(とまり)港の海岸に秋会期に設置しました。本島のところでご紹介します。

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【⑤女木島(めぎじま)】《春・夏・秋》

今年は新作も増えて特に賑わっていた女木島と、おなじフェリーめおん号で行ける男木島をご紹介します。高松から近いこともあり、多くの方が訪れました。


★★★「カモメの駐車場」(木村崇人)★★★

2010年の第1回瀬戸芸からずっと残っている作品で、瀬戸芸期間以外でも今は女木島港のシンボルとなっている作品です。港の防波堤に約300羽並び、風が吹くと同じ方向に向くという、風の方向を視覚化している作品。奥には高松と女木島を往復している「めおん号」が見えます。

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★★★「ピンポン・シー」(原林太郎)★★★

今回の瀬戸芸の新作の中でも、特に私の大好きな作品です。プレーしている青い服の男性が、こちらの作品のアーティスト、原林太郎氏です。かつて民宿だったスペースにみんなが楽しめるいろいろな卓球台を設置。これは女木島を元気づける、とっても楽しくて素晴らしい作品でした。

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木琴やマリンバの原理を応用している卓球台で、卓球をしていると木の音がなるのですが、その音の波長がとても心地よく、また木の長さよって音も違うので、楽しいです。色使いも配色も、そして音色もこだわられたのがうかがえました。作品に音を取り入れているのがいいですね。

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7人でプレーできる卓球台。これも発想が大好きです。

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原氏です。床も周りもいろいろな絵が描かれています。島を元気にしてくれる素晴らしい作品でした。

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☆☆☆女木島のおばあちゃんの日常☆☆☆

素敵な風景だったので撮影。瀬戸芸で賑わう一方で、このような島の日常を垣間見られるのも、瀬戸芸のよいところです。

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☆☆☆「鬼旬(きしゅん)のランチ はも丼セット」☆☆☆

女木島の海岸沿いにある海の家「鬼旬」。ここで瀬戸芸限定のランチを秋会期に頂きました。

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このような素晴らしい海の景色を眺めながらのランチは、離島ならではですね。

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「ハモ丼セット」(1,000円)です。これにオリーブハマチのお刺身(500円)をつけていただきました。瀬戸芸期間以外は、おススメランチ(1,500円)や、BBQランチ(3.500円)がおススメのようです。

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妹が別日に行ったときに撮影した「はも丼セット」(1,000円)の写真です。奥には高松市にある屋島が見えています。

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景色もアートです。

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来島者は、思い思いに女木島散策を楽しんでいます。

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★★★「BONSAI deepening roots」(平尾成志×瀬ト内工芸ズ)★★★

前回の2016年に初出店。今回も出展してくださって嬉しかった大好きな作品です。写真左側の男性が作家の平尾氏。徳島県出身で現在埼玉県で「成勝園」を経営されています。盆栽の良さを新しい形で世界に伝えようと、頑張っていらっしゃいます。

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2016年に平尾さんとお会いしてから、東京で行われた平井さんの盆栽パフォーマンスを何度か観に行っています。でもやっぱり、この女木島で平尾さんの作品を見たかったので、瀬戸芸でこの場所で見ることができて、とても嬉しかったです。春のメディアツアーでお会いしました。

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こちらは、樹齢約50年の「サワラ」という木の盆栽。2016年にもこの盆栽があったのを覚えています。前回との繋がりを感じる作品です。

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このようなモダンな盆栽もあります。香川県は、全国シェアが8割を超える、松の盆栽生産量が日本一の県。しかしそれをうまく世界に伝えきれていないと私はずっと思っているのですが、平尾氏が盆栽の伝統を大切に守りながら、このように新しい形で盆栽を良さを伝えて下さっています。

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こちらも2013年から繋がっている作品「島盆栽」です。3年前の瀬戸芸初参加の時に島民とのコミュニケーションにもなればと、島民の家にあったお茶碗などで盆栽を制作。それが今回も継承されていました。瀬戸芸の神髄を感じる作品です。

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平尾さんによると。3年前には平尾さんに対して厳しかった島民の方も、今回はとっても親しくしてくださっているそうです。地道に島民とのコミュニケーションを培ってきた、平尾さんの努力が実ったと思って、お話をお伺いした時に私も嬉しくなりました。

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この古民家は、高松にある栗林公園から移築したもので、しばらくある方の別荘として使われていたのですが、その後廃墟となりました。3年前は、まずこの家を掃除してリノベーションするのがとても大変だったという話を覚えていますが、今は家もお庭もこんなに美しくなっています。

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★★★「MEGI HOUSE」(愛知県立芸術大学瀬戸内アートプロジェクトチーム)★★★

こちらは私の思い出によるのセレクションです。メディアツアーで、こちらのピアノを弾いたので、私の思い出にご紹介します。

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NHKの夕方のニュースで紹介された映像です。やはり置いてあるだけよりは、ピアノが奏でられた方がいいなと思ったので、即興でメディア向けに弾きました。その様子がNHKニュースで流れたところです。今となっては懐かしい思い出です。




【⑥男木島(おぎじま)】春・夏・秋》

男木島は、期間中何度か行きましたが、こちらはクルーザーをチャーターして行ったときの写真です。「ユアクルーズ」にお世話になりました。瀬戸芸期間中はフェリーが混むので、海上タクシーに送迎をお願いしたり、1日貸切チャーターして島をホッピングして楽しむのも、瀬戸内らしくておすすめです。自由に旅できて、フェリー待ちの長蛇の列もスキップ、VIP気分が味わえます。

☆☆☆「ユアクルーズ」☆☆☆

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こうやって島を渡り歩くのも、瀬戸内の醍醐味です。

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★★★「男木島の魂」(ジャウメ・プレンサ)★★★

2010年の第1回の瀬戸芸からある作品で、現在も「男木島港フェリーターミナル」として愛されている作品です。この日はお天気にも恵まれ、美しい写真が撮影できました。屋根には日本語やアラビア語、ヘブライ語、中国語などの8か国の文字が組み合わされ、それにより世界の多様性を表現しているスペインのアーティストの作品です。同じコンセプトの彼の作品「ルーツ」が、虎の門ヒルズに現在あります。

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★★★「タコツボル」(TEAM男気)★★★

男木島の伝統であるタコ漁に使うタコ壺をモチーフとしたオブジェです。男木島らしい、ちょっと楽しい作品です。この作品は、嵐にしやがれで大野くんが男木島に来た時に(2019年11月2日放映)、紹介されていた作品です。

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男木島をはじめ、瀬戸内の島はタコ漁が盛んで、島で食べるタコはプリプリして美味しいです。

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☆☆☆「男木島の島民とオンバ」☆☆☆

オンバを引きながら道を歩いている島民の方です。オンバとは坂の多い男木島では、運搬手段として歩きながら押している乳母車のこと。男木島らしい光景です。

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★★★「うちの海 うちの見」(サラ・ヴェストファル)★★★

古民家の中を暗くして、このように灯りとのコラボでインスタレーションでタコの映像を流している作品。タコ漁が盛んな、男木島らしい作品だと思います。最初はあれ?と思いながら見ていたのですが、だんだんと楽しく見ていました。


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船の船体に、赤い鯛の絵が描かれています。島民によるアートです。

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☆☆☆「海征(かいせい)食堂」☆☆☆

オーナーは浜口さん。サザエのお料理や、タコの天ぷらなどを屋台風に食べられる食堂です。瀬戸芸期間外でも営業されていますので、私も時間があるときは、ふらっとお伺いしています。

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さざえ飯、さざえのつぼ焼き、さざえの天ぷら、タコの天ぷらなど、全て1人前500円。

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さざえのお刺身2人前。

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さざえのつぼ焼き2人前と、さざえの天ぷら3人前。つぼ焼きのたれは自家製の甘めのたれで美味しいです。

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浜口さんです。タコの天ぷらを揚げているところです。昨年一緒にお店を切り盛りしていた奥さんが病気で亡くなられたのですが、その悲しさにめげずにこちらで1人で頑張っています。これからもずっと続けて欲しいなと思う、素敵なお店です。

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【⑦小豆島(しょうどしま)】春・夏・秋》


★★★「瀬戸芸オフィシャルツアー」(コトバス)★★★

小豆島は、今回の瀬戸芸で初の試みであった「瀬戸芸オフィシャルツアー」(コトバス)で行きました。オフィシャルツアーはとてもよく出来ていて、効率よく、またわかりやすく周れました。小豆島は、このオフィシャルツアーの様子も兼ねて、私の選んだベスト作品をご紹介します。

こちらは、瀬戸芸オフィシャルツアーに参加した人だけプレゼントされる、BEAMとコラボの「デニム生地のトートバッグ」。岡山県倉敷市で生産されるデニムを使用。使い勝手のよい大きさでした。人気が高かったようです。

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オフィシャルツアーは、離島を巡る交通手段が確保されて、ガイドさんによる作品の説明とランチがついていたのが魅力。小豆島ではマイクロバス2台に分かれて各バスにガイド(作品紹介)1名と、旅程管理を行う添乗員1名の合計2名がついてサポートしてくださいました。

高松港からまずはフェリーに乗ります。この日は39名の参加で、9作品+ランチを巡りました。

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バスの中の様子です。小豆島は広いので、オフィシャルツアーや、各旅行会社が出しているツアーでの作品鑑賞がおススメ。ガイドの方は小豆島の方でとても勉強されていて、また地元愛をとても感じたので楽しかったです。ガイドはこの日が初めてとおっしゃっていましたが、堂々とした安心感。地元の方がガイドという形で瀬戸芸に携われる機会があったのも、よかったと思います。

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☆☆☆「創作郷土料理 暦 こよみ」☆☆☆

今回のランチ会場です。二十四の瞳の著者で有名な壺井栄氏の著書から、食材やお料理のヒントを得てメニューを考案しているレストラン。コンセプトがしっかりしていて、心がこもっているお料理だったので心地よくいただきました。海沿いに建っているので景色も楽しめます。

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テラスから海も見えます。内装も落ち着きがあり、清潔感もありました。

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お刺身は瀬戸内らしく、ハマチと鰆(さわら)でした。「かきまぜ」という混ぜご飯は、小豆島の郷土料理。鯛の照り焼き。暖かい素麺(にゅうめん)もありました。

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近くには、「二十四の瞳映画村」に行ける渡し舟の乗り場がありました。詳細はこちら

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★★★「小豆島の恋」(ワン・ウェンチー(王文志))★★★

今回小豆島を周った中で一番好きな作品です。棚田で有名な「中山千枚田」の一角にあり、夏には美しい緑の棚田が一面に広がる場所です。映画「八日目の蝉」のロケ地でもあります。真ん中に見えているのが作品です。

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アップで撮影。ここに来ることを、今回のオフィシャルツアーで一番楽しみにしていました。

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中に入ると、こんな感じです。竹のお部屋。癒されます。2010年の第1回瀬戸芸から続いているこの作品は、毎回瀬戸芸のために制作し、終わったら取り壊して(竹が痛むので)、また3年後に新しいテーマで新しい作品を島民の方と一緒に作ります。島民の方も、「ワンさんが来た!」と、ワンさんとの制作を楽しみにしているそうです。竹も小豆島のものを使っています。

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皆さん、思い思いに過ごしています。私もしばらく寝て過ごしました。この上を歩くと、青竹踏みになり気持ち良いです。

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小豆島の島民の方々と一緒に作り、小豆島の竹を使っているこの作品は、瀬戸芸のコンセプトにピッタリですね。だからこそ4回も続いているのだと思います。

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いくらでも時間が過ごせます。

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今回で4回目ですが、作品の形もテーマも毎回違います。テーマは、2010「小豆島の家」、2013「小豆島の光」、2016「オリーブの夢」、2019「小豆島の恋」です。

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周りの景色も、季節によって変わります。

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★★★「国境を越えて・波」(リン・シュンロン[林舜龍](台湾))★★★

こちらも竹を使った作品です。リン氏によると、丸くてふわふわとした海洋生物を表現しているそうで、ウニにもイソギンチャクにも見えるような形と表現しています。

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横からみた風景です。海の近くにある作品です。

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内側です。涼しい海風が吹き抜けていました。内側をしばらく楽しみ、その後海側にある展望台に出て景色を楽しみます。

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海側に出ると、このように一体の子供の銅像が見えます。リン氏は前回の瀬戸芸で、土で作った196体の子供の像をこの海岸一帯にアート作品として展示していたのですが、土が溶けて像がなくなり、3年後に一体だけ帰ってきたという設定になっていました。今回は銅像なので溶けません。

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アップで撮影。

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★★「太陽の贈り物」(チェ・ジョンファ(崔正化))★★★

存在意義の深い作品という位置づけでご紹介します。2013年の瀬戸芸で制作された、オリーブの王冠をイメージしたアート作品。今では土庄港の象徴的なアート作品になっています。小豆島はオリーブの収穫量が全国一(H28で全国シェア95.6%)、そして日本で初めてオリーブの栽培に成功した場所ですので、それを伝えることのできる大切な作品だと思います。

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ちょうど太陽の光とのコラボが美しかったので撮影。フェリーも背景に写り、お気に入りの写真です。

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続いて同じ小豆島エリアですが、小豆島から渡し舟で渡る「沖ノ島」をご紹介します。


★★★「OKINOSANG/元気・覇気・卦気」(クー・ジュンガ)@沖ノ島★★★

私はこの作品を見た時に、久しぶりに瀬戸芸の原点を感じる作品に出会えた感じがしました。沖ノ島は、小豆島から約170m離れた対岸にある、離島の離島。「瀬戸の花嫁」(小柳ルミ子さんの歌)モデルになったと言われている島です。こちらが、対岸の小豆島とを結ぶ、渡し舟。人が来たら動かしてくれるそうです。

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人を運んでいる様子です。離島の離島に向かう交通手段です。

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こちらの作品は、沖ノ島のいろいろな場所に、ダイヤモンドの形をしたガラスビーズを島の方と一緒に設置して、このキラキラを見ながら来島者に島歩きをしてもらえたらという気持ちを込めて作った作品。太陽が当たるとキラキラとして島に輝きが増します。

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島全体で5千個を超える数を置いたそうです。島民の方々は、この瀬戸芸を機会に多くの方に訪れてもらって、島のことを知ってもらえたら嬉しいなと思いながら、一つずつ置いて固定していったそうです。

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シンプルな作品ですが、とても優しい心が伝わる、ちょっとウルウルくる作品でした。太陽の向きのために朝が鑑賞のおススメタイムでしたが、ガラスビーズがキラキラするときは、私も嬉しくなりました。

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動画です。


こちらの場所は、アーティストさんがこの海の景色が素晴らしいので、この景色を絵のように鑑賞してほしいなという想いで、テトラポットのところにガラスビーズを埋めたそうです。写真では小さすぎて見えませんが、肉眼で見るとキラキラしていました。

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島民の方お会いしたので、お話をお伺いしました。「僕もつけるの手伝ったよ。瀬戸芸の機会にこの作品を通して、多くの方に来てもらえたらいいなって思いながら作りました」というお話でした。瀬戸芸を心から喜んでいる、そして瀬戸芸を通して島の活性化を期待している島民の想いがとても伝わってきました。

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今回の瀬戸芸では正直なところ、本来の瀬戸芸のコンセプトからずれていると感じたり、質の低さが疑問視される作品が多くなったと感じましたが、そんな中でも瀬戸芸の原点を感じられた作品で「ああちゃんと残っていた」と嬉しくなりました。

島歩きもとても楽しい、沖ノ島でした。島の風情がとてもある島でした。

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最後に手描きの地図です。これは私の知り合いが沖ノ島に行ったときに撮影した写真。手描きのマップは、真っ直ぐな優しい島民の心と、それを支える皆さんの温かい気持ちが伝わるものでした。

沖ノ島地図


【⑧大島(おおしま)】春・夏・秋》

大島は、ハンセン病国立療養所「大島青松園」の施設がある、他の離島とは大きく違う背景を持つ島です。2010年から瀬戸芸に参加している島ですが、今回の瀬戸芸初日を節目に、1つ大きな変化がありました。高松と大島を結ぶ官有船が、今までは職員など関係者しか乗れなかったのですが、この日を境に一般客も乗れるようになりました。つまり事前申請が必要なく、島を自由に行き来できるようになったのです。大きな第一歩です。

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地元の香川県民でさえも、正直まだまだ遠い存在の離島ですが、訪ねてみると美しい松やお花、透明な海など瀬戸内海の離島らしい風景に出会えます。今回は、瀬戸芸期間以外でも楽しめる、このような大島の美しい自然の景色を、最初にご紹介します。

船を降りると、このようなダイナミックな松が迎えてくれます。

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5月にはツツジも美しく咲いていました。

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藤の花も美しく咲いていました。ハンセン病に尽力された貞明皇后(大正天皇の皇后)のお印(しるし)が藤だそうです。何か関係があるのかもしれません。

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大島は、瀬戸内海の多島美が周りに見える位置にあるので、海岸沿いに美しい景色が見られます。

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青松も多いです。雲もアートですね。

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ダイナミックな木の向こうに、瀬戸内海の多島美が見えます。

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大島では、目が見えにくい方のために道路には白線が引かれています。その様子と瀬戸内海を風景を併せて撮影してみました。

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海の色もとてもキレイです。手つかずの素朴な美しい自然が残っている感じでした。

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目の前には、女木島が見えています。大島は子供を作ることが許されなかった島ですが、そこで元気よく楽しんでいる子供たちを見ると、これからの新しい大島を少し感じることができました。このような若い子供たちに、これからの大島の未来を託せたらと思いながら見ていました。

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瀬戸内海の重なり合う多島美が見えます。

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★★★「物語るテーブルランナー in 大島青松園」(鴻池朋子氏)★★★

大島の作品の中で、私が一番心を打たれた作品をご紹介します。島民の話を聞きとり、全国各地の刺繍家が刺繍で表現したテーブルランナー。この中の作品で、親に手を引かれた子供の姿の作品が、何とも切なくその当時を彷彿させる表情で心に響きました。

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「昭和18年 小学校2年生のときにおじさんに連れてこられました。その時は症状はなかったけど言われるまま連れて来られました」と、書かれてありました。

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アップで撮影。この子供の後姿を思わずずっと見てしまいました。作家は石川県の板垣政子さん、物語を語った方は大島栖松園の村越喜代香さんです。

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こちらは、大島にある「相愛の道」という、入所者のみなさんで作られた美しい景色が見られる道。その道を目の見えない方が、元気に歩かれていてびっくりされたという、島の方のお話を表現した作品です。お花の色も明るくて、生きる力を感じる作品でした。

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【⑨高松港】春・夏・秋》

★★★「北浜の小さな香川ギャラリー」讃岐伝統工芸★★★

私が高松港で一番印象的だったのは、「北浜の小さな香川ギャラリー」の中にある、讃岐伝統工芸が紹介されていたエリアです。香川出身の私でさえ、地元の伝統工芸を一度に見る機会は今までもあまりなかったので、地元の伝統工芸を改めて知る良い機会になりました。

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「張り子虎」。香川県の西讃、三豊市が有名です。子供が乗れるほどの大きさです。

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讃岐かがり手毬」と、「高松張子の鯛持ちえびす」などです。

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「鬼瓦」です。

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「組手(くで)障子」です。釘などを一切使わない伝統工芸です。実は訪問の少し前に香川の伝統工芸を調べていたので私はそれなりにわかり価値も感じましたが、展示物の説明がなかったので、他の方はわりとスルーされていました。とてももったいないと思いました。

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☆☆☆「瀬戸芸オフィシャルショップ」☆☆☆

高松港にあった瀬戸芸オフィシャルショップも楽しかったです。そこで販売していた瀬戸刺繍の名刺入れ。瀬戸内らしい美しいデザインだったので購入しました。詳細はこちら。名刺入れもいくつか持っていて、訪問先や気分によって使い分けるのがいいなと思っています。

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【⑩宇野港】
春・夏・秋》

★★★「たまべん」のレモンスカッシュ★★★

人気のお弁当を販売していた「たまべん」のお店で、サイドメニューで作られていた「レモンスカッシュ」。小豆島産のレモンで作った自家製シロップを使用。メディアツアーの際に差し入れしてくださり、とても美味しくて感動。手を抜かずにこだわっている自然なお味が印象的で、美味しくて一気に飲んで写真撮影を忘れたので、写真はオーナーからお借りしてのご紹介です。

宇野港 レモンスカッシュ


秋会期》

最後に、秋会期に開催された西讃地区の4島(伊吹島・本島・高見島・粟島)のご紹介です。この4島は、瀬戸内海の離島の素朴さが残っている島で、瀬戸芸の中でも秋会期に是非訪れて欲しいおすすめの島々です。


☆☆☆JR四国ツアー「 粟島・高見島・本島 塩飽島めぐりの旅」☆☆☆

秋開催の島は離れていて、自分で計画していくのは結構大変ですし、時間もかかります。オフィシャルツアーだけでなく、JR四国もチャーター船を利用した瀬戸芸のツアーを企画していたので参加してみたところ、とてもいい旅程で3島を周ることができました。

西浦さんという添乗員兼ツアー企画者が素晴らしかった。プロですね。そしてさすがJRの企画。集合場所の多度津駅までのJRの切符が「特急自由席」でアレンジされていたので、プチ贅沢な気分を味わいながら、朝の貴重な時間がゆったりできました。多度津港に8時55分に集合、坂出駅で17時55分に解散。粟島⇒高見島⇒本島と巡り、ランチは粟島でした。

添乗員の西浦さんがガイドをしているところです。島の瀬戸芸以外の知識も豊富で、こちらも粟島で、ニカラグアから元船員の島民が連れて帰ってきた46歳のオウムを紹介しているところです。

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【⑪本島】秋会期のみ》

★★★「そらあみ」島めぐり(五十嵐靖晃)★★★

春会期の沙弥島で展示されていた60mの「そらあみ」が、西側の島(塩飽諸島)で編み上げられた漁網が繋がり、倍の長さの120mとなって本島の泊港に展示されました。こちらがその様子です。

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《春会期》沙弥島・瀬居島・与島・岩黒島・櫃石島、そして《秋会期》本島・牛島・広島・手島・小手島・高見島・佐名木島・志々島・粟島の、合計14島の人々がつながり、海がつながった作品です。さすがに120mは長いと感じました。人の大きさと比較すると、よくわかると思います。

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【⑫伊吹島】
秋会期のみ》

2013年の瀬戸芸以来、6年振りの訪問でした。最初に訪れてからまた再訪してみたいと思っていたのですが、結局瀬戸芸のタイミングとなりました。伊吹島は、観音寺港から出発です。

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伊吹島港を降りると、急な坂がありそれを上っていきます。この坂が、伊吹島の名物。写真ではなかなか伝わらないのですが、しばらく急な坂が続きます。原付スクーターもこの島の名物。急な坂を、島民の方は慣れた運転で上っていきます。

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☆☆☆「伊吹商店」☆☆☆

伊吹島のお土産にピッタリのお店です。こちらの「伊吹ふりかけ」(220円)が名物。まとめ買いをされる方も多いです。

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こちらです。私たちもまとめ買いをしました。お弁当にもピッタリです。伊吹島に行かれるときは是非!伊吹商店:観音寺市伊吹町264 ☎ 0875-29-2727

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島の雰囲気も、東の島とはまた違って素朴さが残っています。

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★★★「伊吹の樹」(栗林隆)★★★

今回の瀬戸芸12島2港の中でも、私の一押しの作品です。「伊吹産院」という出部屋(でべや)があったところに作られた作品。出部屋とは、出産を終えた女性が、赤ちゃんと一緒に1か月間過ごした場所。その1か月は母親は労働から解放され、同じ出産後の女性たちと一緒に共同生活を送りながら赤ちゃんを大切に育てていた場所です。伊吹島の文化や歴史を感じられる場所です。

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「伊吹の樹」(栗林隆)です。パッと見た時に、この手の込みようにびっくりしました、産院跡地ということもあり、産道をイメージして制作した作品。何故ここまでの作品を伊吹島に作り上げたのか興味が沸いて調べたら、作家の栗林隆氏のお母さまやおばあさまの故郷が観音寺市とのこと。お母さまは観音寺市に住んでいたころに伊吹島にも行かれていたそうで、そんなご縁に1年ほど前の瀬戸芸の下見の際に気づかれたそうです。

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中が鏡張りで、まるで万華鏡のようです。いろいろな角度で、色々な風景が見られるので、時間があったらいくらでも過ごしたい場所です。外はヒノキです。

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どうやって撮影したらいい写真がとれるかな?などと考えながら撮影できる体験型のアートだったので、より楽しく感じたのだと思います。

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みなさん、思い思いに撮影されていました。

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縦位置で撮影。人の顔にも見えますね。

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スタッフの方がお掃除されていたところです。「お掃除をしたら輝きが増すので、まめにお掃除をしています」とおっしゃっていた笑顔が素敵でした。

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この作品は是非このまま伊吹島に残り続けて、伊吹島の観光名所になってほしいなと思っています。この作品が、より多くの方々が伊吹島に訪れるきっかけになったらいいなと思いました。

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☆☆☆「伊吹バーガー」☆☆☆

島の伊吹網元「平水水産」の方が、瀬戸芸の期間中のみ経営されていたお店です。地元の方も自分たちでできる形で瀬戸芸に参加されていたのが印象的でした。

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「伊吹バーガー」です。バンズにイリコの粉を混ぜて作っています。付け合わせのイリコが美味しかったです。

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「いりこの天ぷら」です。ネギと大根おろしがのっていました。

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このような素敵な場所で、お食事できました。

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伊吹島は坂が急できついですが、そのおかげで瀬戸内海の景色が美しく見える絶景ポイントがあるので、島歩きも楽しいです。

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最後に島の方のアートです。ピアノの椅子。こういう感性、大好きです。

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夕方頃に港に戻りました。この港近くのバイクがずらっと置かれている光景は、伊吹島らしい光景です。バイクでないとあの坂道を毎日通うのは大変そうです。バイクの運転自体もテクニックが必要そうです。

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帰りにフェリーから眺めた夕日です。撮影できなかったのですが、伊吹島の方々が出航の際に大漁旗を振って見送ってくださいました。島らしい見送りは、とても嬉しかったです。

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【⑬高見島】秋会期のみ》

高見島も急な坂が多く、作品を見るのには体力が必要な島です。急な階段も多くあるのが高見島の特長です。そんな中、両手で杖を突きながら歩いて作品を鑑賞されているご年配の方も多くいらっしゃったのが印象的でした。


★★★「時のふる家」(中島伽耶子)★★★

アクリル板が光を通しやすいという性質を生かした作品。外からの光をアクリル板を通して室内に入れる事により、光のアートができてました。

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★★★「除虫菊の家/静かに過ぎてゆく 除虫菊の家/はなのこえ・こころのいろ」(内田晴之・小枝繁昭)★★★

高見島は、蚊取り線香の原料である除虫菊の栽培で大きく栄えた島。化学薬品が出てからは需要も減り、島民も減って来ていますが、その除虫菊をテーマにしたアート作品です。こちらは家の1階部分です。作家の方が島で出会ったお花をモチーフにした作品です。

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そして2階が除虫菊をテーマにした、蚊取り線香のアートでした。2013年がとてもよかったので今回も楽しみにしていたのですが、今回は2階が暗くて作品が見えにくかったのが残念でした。しかし、蚊取り線香の作品のコンセプトは好きです。

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【⑭粟島】秋会期のみ》

最後に粟島です。粟島を最後にご紹介するのは、私自身が2012年から通い続けている私にとっては特別な場所であり、島民の方とも仲良くさせて頂いている島だからです。2014年は仕事関係で、2016年にはボランティアで、それぞれテーマは違いますが、島民の方と一緒に写真展も行いました。そのような関わりのある、私にとっては特別な島です。

「粟島」と言えば、大正9年に建てられたミント色の木造校舎「旧粟島海員学校」(現粟島海洋記念館)が島の象徴です。この学校の卒業生の多くが、昭和の成長期に貨物船で世界の港町に海運業で訪れています。粟島のじいちゃんたちは、実はとてもインターナショナルな方々なのです。

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★★★「種は船プロジェクト」(TANeFUNe)★★★

旧粟島海員学校の前の海側で開催されていた、「海の環境問題」を考える体験型の作品。写真をよく見ると、写真右に日比野克彦さんがいらっしゃいました。粟島のアートディレクターをされています。この右側にあるカラフルなものが見える小屋が、この作品の拠点「船長小屋」です。

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まず最初に、船長の喜多さんの面接を10分ほど受けます。こちらがその面接シーン。面接というのは実はこの作品のコンセプトを船長が説明する時間のことで、ここで趣旨に賛同し、船長が熱い思いを受け取った希望者だけが、TANeFUNeに乗って海上調査クルーを体験できるという作品です。

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判断基準が「熱量」という喜多さん。私たちも面接を無事クリアし乗船して体験してきました。私がこの作品がよかったと思った一番の理由は、アーティストの喜多さんが自ら現場で作品の説明をして、作品を観に来られた方々と自ら対話して体験も一緒にされていたことです。

今回の瀬戸芸では、制作してあとはスタッフにお任せという作品や、コンセプトの説明がなかった作品が多かった中で、面接という表現を使いながら、既に何百回と言い続けているであろうコンセプトを毎回自分の言葉で一生懸命語られていたこと、そして船上での体験も一生懸命向き合ってくださったことが、後で瀬戸芸を振り返った時に、とても印象に残っていました。

彼の話で一番私が心に響いたのは宮城県のお話でした。東北大震災の時に海から流れてくるがれきを見て、ある方が「がれき」と呼んだら、ある方が「がれきじゃない。僕の家」と答えたそうです。そこから価値感が変わったそうです。この経験がきっと、大きく喜多さんの方向性や価値感を変えたのでしょう。

私たちもTANeFUNeに乗り、いざ調査スタートです。

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海上で漂流物を発見。網で収集して、日付などを見てみます。

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近くの砂浜に到着。そこでプラスチックの漂流物を収集しました。拾ったものはゴミではなく、誰かが使っていた大切なものかもしれない。そんなことを考えながら収集しました。

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港へ帰る途中に、日比野克彦さんの作品で、TANeBUNeの姉妹船でもある「一昨日丸(おとといまる)」と遭遇。写真中央に見える船がそうです。これも偶然です。

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一昨日丸のガイドを担当している小学生の皆さんと、引率していた田尾さんの生き生きした姿がとても印象的だったので撮影。2014年に粟島で写真展を行った時に手伝ってくださったご縁から仲よくさせて頂いている田尾さんと、久しぶりに会えたのが海の上というのも不思議なご縁です。

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そして、手を振っている一昨日丸の船長の板倉さん。実はこのシーンが私にとっては感動物語でした。元船員の板倉さんは数年前まで海上タクシーをされていました。安全運転で乗り心地よく粟島に行くときはよく利用させて頂いていましたが、ある日を境に板倉さんは船から遠ざかりました。いつかまた船を操船されている板倉さんを見たい、板倉さんの操船する船に乗りたいと思っていたですが、その現実が目の前にあって、思わずうるうるしてしまいました。やっぱり海が似合う元船員さんです。今度は、板倉さんの操船している船にまた乗りたい!そう思った瞬間でした。

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調査から戻り、こちらの「船長小屋」で色や用途別に収集物を分けてキレイに並べていきます。一旦人の手を離れた漂着物にも歴史がある、そんなことを意識する良い機会でした。そしてキレイに並べ直すことによって、一定のルールが見つかったり、それらの漂流物に価値が見いだされたりなど、海を考える機会にもなります。最後に記念撮影をして終了しました。

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★★★「言葉としての洞窟壁画と、クジラが酸素に生まれ変わる物語」
大小島真木(おおこじままき)さん、マユール・ワイェダ)★★★

中学校の校庭の片隅にあるお部屋を洞窟にした粟島。そこに鯨のアートを洞窟真ん中に飾り、インドのワルリー族の絵を洞窟の壁画として描いた、アーティスト2名と島民が一緒に作った作品。中心の鯨は、骨と心臓で表現されていました。骨は布で作られ中に綿が詰められ、心臓には島民の方々が作った刺繍がたくさん使われていました。

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鯨の骨のアートを制作した大小島真木氏は、船上で多くの鳥や魚についばまれる白くなった鯨の残骸を目にしたそうで、その経験から、海での生命の循環を考えるようになったそうです。

洞窟に描かれているワルリー族の壁画は、彼らの書き言葉。入口から出口まで、壁画が順序良く物語になっています。それを手伝った島民の方々が来場者に説明をしていました。私は、アーティストと島民が一緒になって作品を作り上げていることに、瀬戸芸の意義を感じています。

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島民が手描きで描いた「洞窟画の説明絵」が、入口にありました。この絵の意味を理解して洞窟に入ると、壁画がよりわかりやすかったですし、最強の神トラや、神様など探しながら見られるのも楽しかったです。島民の方が自ら洞窟に入って説明もされていました。

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左側の渦巻きが蟻、右側には最強の神トラが描かれています。是非探してみてくださいね。

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神様の部分はアーティストが描き、木やお花の部分を島民が手伝ったそうです。

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奥側には、島のアーティスト、島民のえっちゃんが作った刺繍が飾られていました。

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アップで撮影。島民のえっちゃんが8カ月かけて仕上げたそうです。えっちゃんは「こんなに大変だと最初にわかっていたらやらんかったわぁ」と話していました。以前粟島に遊びに行ったときに、ハズキルーペをかけて頑張っていた姿を思い出します。

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アップで撮影。ハズキルーペが必要な理由がわかります。今回の粟島は、メディアの取材も多かったようですが、島民と一緒に完成させた作品であること、そしてストーリー性があり作品そのものも大作なので、メディアが取材したくなる気持ちはわかります。

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私にとって、この粟島訪問が「瀬戸内国際芸術祭2019」(12島2港)の旅の最終日でした。最終日に、記念に粟島で撮影した写真です。瀬戸内海は美しいです。

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こちらは高松⇒羽田の飛行機から撮影した、香川岡山間の瀬戸内海国立公園です。瀬戸芸が開催されていた、女木島、男木島、大島、豊島、直島などが見えます。このような瀬戸内海の離島で、「瀬戸内国際芸術祭2019」が107日間行われていました。

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瀬戸芸期間中は、私がアップしていた瀬戸芸に関するブログに、多くの方にアクセス頂いて本当に嬉しかったです。大島の自然の写真を紹介したブログや、女木島などが、春・夏・秋を通して特にアクセス数が多かったです。

今回瀬戸芸で行く度に書いた各島の詳細なブログと、過去の瀬戸芸に関するブログはこちらのリンクからアクセスできます。ご参考になれば幸いです。


以上が「私が選んだベスト作品集」でした。