2007年12月26日

インドの世界最古の子供の寓話集「パンチャタントラ」ぜよ!

 今回は、インドに伝わる世界最古の子供の寓話集「パンチャタントラ」を再話としてまとめた、「声にだして読む インドにつたわる パンチャタントラ物語」(マノラマ・ジャファ/再話 鈴木千歳/日本語訳 小笠原まき/作画 出帆新社 2200円+税 2007年11月17日初版第1刷)っちゅう絵本をご紹介するぜよ。パンチャタントラ物語

 実は今月の3日に、この絵本の作画を担当されちゅう小笠原まきさんに、高知市内でバッタリ会うたがやき。まきさんとは、もうかれこれ10数年ばあ前になるろうか。ご自分の個展でイラストを飾るがに、酒造りの麹造りに使う麹蓋(こうじぶた:木製のフタ)を使いたいっちゅうて、司牡丹に来られ、ワシが応対さいてもうて、古い麹蓋をさしあげたがが最初ながよ。それからまきさんは、様々な絵本の挿し絵を担当されたり、「国際交流・新善切手」切手デザインコンクール特賞を受賞されるなど、今や高知どころか全国区の、押しも押されもせんプロのイラストレーターになられちゅうがぜよ。小笠原まきさんサインまきさんイラストまきさんイラスト2











 久々にお会いしたまきさんは、ちっとも変わらん童顔の笑顔のまんまで、ワシを個展に誘うてくれたがよ。あんまり時間がなかったけんど、帯屋町の「habitacion」で開催されよった個展にチクと寄らいてもうて、久しぶりにまきさんの清々しいイラストにご対面。15分ばあ展示作品を堪能さいてもうて、心を洗われたような気分に浸り、そこで最新作品の「パンチャタントラ物語」を購入さいてもうて、サインもいただいたっちゅう訳ながよ。

 世界で最古の子供の寓話集といわれる「パンチャタントラ」は、5千年の昔から語り継がれてきたといわれる寓話をまとめたもんながやき。インドにゃあ古うから数多くの話が語り伝えられてきちょって、まさに伝承文学の宝庫で、「パンチャタントラ」もインドの古代説話集の一つながよ。パンチャたぁ数字の5のことで、「パンチャタントラ」たぁ「五巻の書物」っちゅう意味ながやと。

 もともとは、三人の王子に国を治めるがに役立つ教育をするために語られた話で、道徳的規範だけやのうて、世の中を賢う生き抜くためにゃあどうすりゃあえいかっちゅう知恵を教えてくれるがよ。擬人化された動物らあはそのまんま人間社会をあらわしちゅうがやき。バカ息子やった三人の王子らあが、賢者のもとに預けられ、この「パンチャタントラ」の話を語って聞かされて、たった半年で思慮深い聡明な王子に生まれ変わったっちゅうがやき、子供の寓話集っちゅうたちバカにされんがぜよ。

 さらに興味深いがは、日本の民話の「サルの生き胆」や「ネズミの嫁入り」、「りょうしとうずら」らあとそっくりな話もあって、ビックリするがやき。本来は八十いくつばあある話から、再話者が三十話を選んでまとめたがが、今回の絵本やっちゅう訳ながぜよ。

 また、中心になっちゅうがは、まきさんのカラーイラストと日本語の文章やけんど、後半にゃあヒンディー語と英語の文章も加えられちょって、世界初の三ヶ国版になっちゅうくもなかなかスゴイがやき。

 寓話としても、大人にとったち考えさせられるような深い話もあって、なかなか面白いがやけんど、何ちゅうたち、まきさんの可愛らしゅうて素直で爽やかで、鮮やかなイラストが、心の中に清々しい風をおくりこんでくれて、えい感じながよ。動物の可愛らしいイラストが好きな方にゃあ、特にオススメしちょくぜよ。






声にだして読むインドにつたわる「パンチャタントラ」物語








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