190402 医師おはようございます。
「まおまお」で~す。
いつもブログを見ていただきありがとうございます。

今回の書籍の紹介はコレです。

岡田 直美(著)、善本 考香(著)『このまま死んでる場合じゃない! がん生存率0%から「治ったわけ」「治せるわけ」』(講談社,2016) 1,300円(税別)



この書籍をサクッというと


当書籍は余命3カ月と診断されながらも生還した善本さんと、がんを治した岡田医師の対談集です。三大療法を中心にしながら、がんが治ったのは従来とは異なった学説を採った治療でした。その学説を基にした治療はどのようなものだったのかを分かりやすく解説している1冊です。


目次


第一章 ブラックジャックはどこにいるのか?
第二章 再発がん患者に立ちふさがる高い壁
第三章 闘うがん治療


全身転移説とオリゴメタ説


今回紹介する書籍のテーマは「オリゴメタ説に基づくがん治療」についてです。

がんを発症し、他の部位に転移した場合、ほとんどの病院・医師は「全身転移説」を採ってがん治療を行います。
全身転移説とは「転移が1カ所でもあったら全身に無数に転移している」というもの。

そのため、転移が発見されると「完治は難しい」という考えになり、抗がん剤治療もがんが小さいときに行わず、大きくなってから行います。
抗がん剤は、投与し続けるとがん細胞に耐性ができるため、大きくなるまで何も手を打たないのです。
そのためその後の治療法が限られてきます。

一方、当書籍の著者である岡田医師が採っているのが「オリゴメタ説」と呼ばれる「少数転移説」。
すべてのがん細胞が転移した先でも活発に活動するとは限らないという観点から、転移した部位の治療を早期発見・早期治療、局所療法をしていきます。
その治療法は厚生労働省が認めている先進医療や保険診療のみです。

実は全身転移説もオリゴメタ説の両方とも仮説。
多くの病院・医師が採っている全身転移説は絶対的なものではないということです。


全国の医師のネットワークを活用する


転移があり、余命3カ月と診断された善本さんが、生還できた理由は1つの病院での治療を行わなかったこと。
全身転移説を採る病院では、早期発見・早期治療、局所療法の治療は難しいのが現状です。

岡田医師の治療法は、全国の技術を持った外科医、放射線医とのネットワークによって行われます。
このネットワークを活用し、患者さんごとに治すための最適解を導き出し、いろいろな治療を組み合わせて実施するのです。

そのため、先進医療や保険診療のみですが、一般の病院で行われているマニュアル通りの標準治療とは異なります。

その具体例が「動注塞栓療法」です。
動注塞栓療法とは、2つの治療法からなっています。
まず動脈からがんがある場所までカテーテルを入れて、濃度の高い抗がん剤を注入する動脈化学療法です。
次にがん細胞が栄養と酸素を取り込むために作った血管をふさぎます。
血管をふさいだことで抗がん剤はがんがある場所に長時間滞留し、十分な効果を上げることができるのです。

この治療法は多くの医師が、全身への抗がん剤投与と効果は大差がないと思っています。
しかし岡田医師によると、動注塞栓療法は大きな治療効果を上げているとのことです。


患者さんが持つべき3つの力


当書籍ではがんと闘うために患者さんが持つべき3つの力を挙げています。
それは知識力、判断力、コミュニケーション能力です。

1.知識力


患者さんにとって、がんがどのようなもので、どのような治療をしているのか自分自身で納得できることで随分と「不安」が解消されます。
医学用語が多くて理解できない情報などは、主治医に確認してみることが大切です。

岡田医師は「自分でしっかりとした知識を身につけようとする『意識の高い』患者さんの方が、完治する可能性も高くなる傾向にある」と言っています。

2.判断力


再発や転移が見つかると、全身転移説を採っている主治医から「完治は難しい」と言われることがあります。
このようなとき患者さんは冷静な判断力が失われます。

このようなときに患者さんはネット情報だけでなく、自分の足で情報を手に入れるようにすることが大事です。
入院中は、主治医だけでなく、自分の治療に関わった医師や看護師、放射線技師、薬剤師などに聞いてみます。

そこで自分の治療に活かせそうな情報を得たら、実際に足を運んで自分の目と耳で確かめていろいろと質問してみる。
これにより判断力が磨かれていきます。

3.コミュニケーション能力


再発・転移した患者さんにとって、コミュニケーション能力はとても大事になってきます。

主治医が「どうしても助けてあげたい」と思えるような関係を築くことです。
そのために、患者さんの善本さんが行ったことはとにかく笑顔でいることや、楽しそうに笑うこと。そしてつらいときこそ笑うこと。

これにより主治医との関係性が好意的になり、信頼関係を構築できます。
そうすることで、主治医は患者さんを救うために、標準治療を超えた治療を模索し始めます。

たとえ話として、主治医の子供さんや奥さん、親友などかけがえのない人が、がんを再発したときに「完治は難しい」と言わずに、必死で助かる道を模索します。
そのような関係になることが、コミュニケーション能力なのです。


他にも現在のがん治療の問題点なども解説されています。


まとめ


当書籍から分かったことは以下のようなことです。
 1.再発や転移したがん治療では「オリゴメタ説」に基づき治療をすることで助かる
  可能性が高まります。
 2.1つ病院で標準治療を行うよりも全国の医師のネットワークを活用し、治療を
  行う方がより柔軟な治療を行えます。 
 3.患者さんは、がん闘病のために知識力、判断力、コミュニケーション能力の
  3つを持つことが大切です。


学説1つでがん治療の治療方針が大きく異なることを知り、とても驚きました。再発や転移が見つかった場合、より生還率を高めるための1つとして知っておいた方がいい内容でしたので、がん闘病中の人にはおススメの1冊です。


ランキング評価
読みやすさ  4
情報量    4
情報質    4
価格     4
と言うことで「★★★★」です。


次回も見に来てくれると嬉しいです。


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