151119 ゴミおはようございます。
まおまお」で~す。

今回の書籍の紹介はコレです。

岸 恵美子ルポ ゴミ屋敷に棲む人々』(幻冬舎,2012)  780円(税別)

ルポ ゴミ屋敷に棲む人々 (幻冬舎新書)ルポ ゴミ屋敷に棲む人々 (幻冬舎新書)
著者:岸 恵美子
販売元:幻冬舎
(2012-05-30)
販売元:Amazon.co.jp
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■セルフ・ネグレクトとは?
当該書籍のメインタイトルは「ゴミ屋敷に棲む人々」。
そのため、タイトル買いをした「まおまお」は読み進めていくうちに戸惑いを隠せなかった。

「まおまお」のイメージはTVでよく見るゴミ屋敷の人に対してのインタビューなどをした内容と思っていたのだ。
しかし、ゴミ屋敷はゴミ屋敷でもTVでやっているような敷地の庭からもあふれ出たゴミで近隣住民とのトラブルになっているというレベルよりは家の中がゴミだらけになってしまう事象を中心に書かれたものだったのだ。

その原因が「セルフ・ネグレクト自己放任)」と呼ばれるものだった。
これは様々な原因により生きる気力を失い、他人の介入を拒否し、結果、普通の生活が送れなくなり、ゴミなどが室内に溜まっていく不衛生な状況で生活をし、結果、死に至るような場合もある事象なのだ。

そんなセルフ・ネグレクトの特徴は以下のようなことが挙げられます。
 (1)身体が極端に不衛生
 (2)失禁や排泄物の放置
 (3)住環境が極端に不衛生
 (4)通常と異なって見える生活状況
 (5)生命を脅かす自身による治療やケアの放置
 (6)必要な医療・サービスの拒否
 (7)不適当な金銭・財産管理
 (8)地域の中での孤立
上記のような事柄が1つでも当てはまる場合はセルフ・ネグレクトの疑いがあるとのこと。

では何故このようなことが起こるのであろうか?
著者は以下のようなことを挙げています。
 (1)家族・親族・地域・近隣等からの孤立
 (2)ライフイベントによる生きる意欲の喪失
 (3)認知症、精神疾患、アルコール問題などによる認知・判断力の低下
 (4)世間体、遠慮、気兼ねによる支援の拒否
 (5)サービスの多様化・複雑化による手続きの難しさ
 (6)家族からの虐待による生きる意欲の喪失
 (7)家族を介護した後の喪失感や経済的困窮
 (8)介護者が高齢あるいは何らかの障害を持っている場合
 (9)経済的困窮
 (10)引きこもりからの移行
 (11)東日本大震災の影響

考えてみればこのようなことは今後、誰にでも当てはまることがある可能性があり、そして誰でもがセルフ・ネグレクトになる可能性を秘めていることが分かってくる。


■章立てはこうなっている
この書籍では以下のような章立てでセルフ・ネグレクトについて解説しています。
 (1)セルフ・ネグレクトとは何か?
 (2)事例でみるセルフ・ネグレクト
 (3)セルフ・ネグレクトと孤独死
 (4)セルフ・ネグレクトの課題


■セルフ・ネグレクトになった場合の解決期間は?
もし家族などがセルフ・ネグレクトになってしまった場合、著者は解決までには最低1年かかると書いています。

その理由としてセルフ・ネグレクトは一時的に改善しても、いつも間にか元に戻ってしまい、同じことを繰り返してしまう傾向にあるからだと書いています。
つまり簡単には変えられないのです。

このように深刻な問題ではあるが、まだまだ周知されているとは言えず、周囲の理解や働きかけもこれからというのが現実でしょう。

しかし、こういうことがあるということを何となくでも知っているのと知らないとでは問題解決をする際に違ってきます。
当該書籍も深い内容という訳ではなく、その現象の紹介と言ったところでしょう。
それでもセルフ・ネグレクトが何かが分かるので読んでみる価値はあるのではないでしょうか。

ランキング評価
読みやすさ  3
情報量    3
情報質    3
価格     3
と言うことで「★★★」です。

以前にレビューした精神疾患関連書籍はこの後にリンクさせてあります。
もしよかったら見て下さいね。
精神疾患関係の書籍は以下の通りになります。

池上 正樹(2010)『ドキュメントひきこもり 「長期化」と「高年齢化」の実態宝島社
 通勤時間の本は何にする?:他人ごとではない深刻な問題

ドキュメントひきこもり 「長期化」と「高年齢化」の実態 (宝島社新書316)ドキュメントひきこもり 「長期化」と「高年齢化」の実態 (宝島社新書316)
著者:池上 正樹
宝島社(2010-07-09)
おすすめ度:4.0
販売元:Amazon.co.jp
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岡田 尊司(2009)『アスペルガー症候群幻冬舎
 通勤時間の本は何にする?:どこまで本当なのか?

アスペルガー症候群 (幻冬舎新書 お 6-2)アスペルガー症候群 (幻冬舎新書 お 6-2)
著者:岡田 尊司
幻冬舎(2009-09-30)
おすすめ度:3.5
販売元:Amazon.co.jp
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楠木 新(2009)『会社が嫌いになったら読む本日本経済新聞出版社
 通勤時間の本は何にする?:転身するということ

会社が嫌いになったら読む本(日経プレミアシリーズ)会社が嫌いになったら読む本(日経プレミアシリーズ)
著者:楠木 新
日本経済新聞出版社(2009-08-11)
おすすめ度:4.5
販売元:Amazon.co.jp
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