160405 兄弟おはようございます。
「まおまお」で~す。
いつもブログを見ていただきありがとうございます。

今回の書籍の紹介はコレです。

平山 亮(著)、古川 雅子(著)『きょうだいリスク―無職の弟、非婚の姉の将来は誰がみる?』(朝日新聞出版,2016)  780円(税別)



この書籍をサクッというと


親の介護とは別にもう1つ将来、発生する可能性が高いリスクがあることを知っているだろうか?
それが「兄弟」の老後の面倒をみること。
そのような兄弟リスクとは具体的にどのようなものなのかを解説した1冊。


目次


はじめに
第一章  「きょうだいリスク」のリアル
第二章  リスクの背景にある「きょうだい格差」
第三章  「きょうだいリスク」で壊れゆく家族
第四章  家族という檻に閉じ込められる問題
第五章  不安を解消するためにいまできること
第六章  「きょうだいリスク」を引き起こす社会構造
おわりに


顕在化していない老後リスク


将来、親の介護をすることは誰もがなんとなく予想している。
実は老後に向けて親の介護以外にもう1つのリスクがあることを認識しているだろうか?

それが「きょうだい」(兄弟、姉妹を一括して以後、「兄弟」)の生活をみること。
自分の兄弟に以下のような人はいないだろうか?
●親元から離れない兄弟がいる
●独身の兄弟がいる
●非正規雇用の兄弟がいる
●長男、長女である
●子供の頃に親密でも、成人期に疎遠になった

このような兄弟がいると、将来、その兄弟の面倒をみることとなる。
それも親の介護が終わった後に。
今回、紹介する書籍は将来における「兄弟」という存在のリスクについて書かれたものだ。

兄弟リスクが発生するケース


親が亡くなった後に、兄弟リスクが発生するのは以下の4つのケース。
1.自身も余裕のない兄弟が、別の兄弟の困窮を丸抱えして「共倒れ」するリスク。

2.自身も余裕のない兄弟が、やむを得ず困窮する兄弟の生活保護を
 申請(扶養を拒否)して後ろめたい気持ちを抱えたり、兄弟間に距離が
 できたりするリスク。

3.単身かつ資産のない兄弟に介護や入院の必要性が発生したときに、自身が既に別の
 家族の介護に当たっていたり、経済的に余裕がなかったり、遠方で暮らしていたり
 して担いきれないリスク。あるいは担って潰れるリスク。

4.親の介護や相続の問題で兄弟同士が揉めた結果、関係性がこじれたり、
 途絶えたりするリスク。

兄弟リスクが発生する原因


兄弟リスクが発生する原因としては大きく4つの原因が考えられる。

兄弟間での格差


兄弟が全員、同じような生活水準であったり、社会的地位を得ていたりする訳ではない。
現実は学歴、職歴、収入などの格差により、経済格差が生まれる。

そのため、兄弟間で「持てる者」と「持たざる者」が発生し、持たざる者が持てる者に依存しようとしてしまう構図ができあがる。

兄弟だからという枠組み


現在の兄弟は数多くない。
親の介護でも兄弟1人がすべてをみることも少なくない。
親が亡くなった後に兄弟を支える余力は残っていないことも。

しかし、社会の枠組みの中では「肉親」である兄弟は、兄弟で面倒をみるのが当たり前と捉えられている。
この枠組みに囚われて、経済的に困窮しているにも関わらず、兄弟の生活を背負い込んでしまうのだ。

SNEPという存在


「SNEP」とは「孤立した(Solitary)」、「無業の(Non-Employed)」、「人々(Person)」の頭文字をとったもの。

SNEPの定義は、20~59歳の結婚したことがなく、学生でもなく、家族以外との人づきあいがない、孤立状態にある無業者。
推定ではなんと160万人以上いるとのこと。
SNEPの兄弟がいることは直に兄弟リスクとなる。

親との関係性


親が兄弟平等に育て、その後の関係性も維持することは難しい。
子供のときから親は特定の子供に関心を持つことで、他の兄弟がないがしろになることもある。
この親の接し方が、将来の兄弟間の溝となってしまうのだ。

兄弟リスクが発生したときの対応


親が亡くなった後、兄弟リスクが発生し、衣食住の負担が降りかかったとき、兄弟は主に以下の3つの行動を採るという。
1.面倒をみない(みたくない)
2.面倒をみる(お金も気持ちもある)
3.面倒をみられない(気持ちとしてはみてあげたいけど、お金もみられる環境も
 ない)

この中で多くの人が3を選択するであろうとのこと。
その理由は老後の年金だ。
兄弟リスクを抱える世代は、既に老後は年金だけでは暮らしていけない世代でもあるのだ。

兄弟リスクを取り除くために


当書籍では兄弟リスクを取り除き、兄弟を「資産」にする方法として以下の4つのステップを踏むことであると提唱している。
第1段階 何がリスクかを認識し、正しく恐れること
第2段階 親が生きているうちに兄弟関係を結び直すこと
第3段階 つなぎ役として最適な「第三者」を見つけ出すこと
第4段階 長期的な視野を持って兄弟関係を育てること

ただこれを実行するのはかなりハードルが高いと読んで思った。


当書籍では具体的な事例が豊富に掲載されているため、自分事として読むことができるのではないだろうか。


まとめ


当書籍から分かったことは以下のようなこと。
 1.親の介護以外にも老後、兄弟の面倒をみる「兄弟リスク」があることを
  忘れてはならない。
 2.兄弟リスクは経済状態の格差などが反映されるため、面倒をみたくても
  みられないケースが発生する。
 3.兄弟リスクを回避するには、親が生きているうちに兄弟関係を再構築することが
  必要。


自分の周囲でもSNEPな兄弟を持っている人もいる。
それらの人にとっては、他人ごとではない深刻な問題だ。

将来の親の介護だけに目がいってしまうが、兄弟リスクも避けては通れないもの。
今のうちから少しずつでも対策を打っておくことが、リスク回避のために必要であることを認識した1冊。


ランキング評価
読みやすさ  3
情報量    4
情報質    4
価格     3
と言うことで「★★★」です。


次回も見に来てくれると嬉しいです。


励みになるのでポチッと押していただけませんでしょうか?


人気ブログランキング
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ