171003 マグロおはようございます。
「まおまお」で~す。
いつもブログを見ていただきありがとうございます。

今回の書籍の紹介はコレです。

塩﨑 均『教えて! 学長先生―近大学長「常識破りの大学解体新書」』(中央公論新社,2017)  780円(税別)



この書籍をサクッというと


近畿大学の学長が近大の魅力について解説した1冊です。


目次


「教えて! 学長先生」発刊にあたって
序 章
第1章 「偏差値以外の物差し」って何だろう?
第2章 大学は社会とつながっている
第3章 「稼ぐ大学」の秘訣を明かします
第4章 「偏差値以外の物差し」を取り戻そう
あとがき
巻末資料


受験者数No.1の近大


有力大学を表す言葉で早慶上智やMARCHなどがあります。
最近ではそこに東京理科大学と学習院も加わって、早慶上理GMARCHと呼ぶそうです。

これらの大学を見ていくとすべて東京の大学。
関西にも関関同立という言葉がありますが、近畿大学はそこには入っていません。

しかし、今や近畿大学(以下、近大)は受験者数No.1の大学としてだけでなく、近大マグロなどの研究成果で有名です。
大学も経営が厳しくなっている中で、なぜ近大が受験生に支持されるのかを近代学長が解説したのが今回紹介する書籍です。

社会から隔絶したような「象牙の塔」と化している大学が多い中、産学連携などでもさまざまな成果を上げており、近大がいかにそれらをブランディングし、収益にもつなげているかが分かります。
今までの大学のイメージが変わるような運営を行っている近大の魅力をいくつかピックアップしていきます。

近大のマグロ養殖


近大の代名詞ともなっているマグロですが、実はかなり長い歴史があります。
近畿大学が設立されたのは1943年。
ちょうど太平洋戦争の真っ最中。

創設者であり、初代総長でもある世耕弘一さんは「国民を飢えさせてはいけない」という思いから海を活用した魚の養殖研究に着手しました。
それが大学創設の前年の1942年。
つまり近大マグロは近大のともに歩んできたといっていいものだったのです。

当然のことながらすべてが順調だったわけではありません。
マグロの完全養殖に費やした月日はなんと32年間。
その間、研究の存続が難しく、研究者が研究をあきらめてしまいそうになるほど。
それを当時の総長だった世耕政隆さんが研究者に「生き物というものは長い目で見なければいけないですよ」と声を掛けたそうです。

国からの研究予算の少ない私学の近大は、先に研究した養殖魚を市場に出すことで研究費をまかなってマグロの完全養殖プロジェクトを続けてきたのです。

今ではサントリーグループと和歌山県と連携して、大阪と東京に「近畿大学水産研究所」レストランを開業するまでに。
今では他の地域でもサクラマスやヒラメ、アナゴなどの養殖も行っています。

バイオコークス


バイオコークスとは植物由来の次世代バイオ・リサイクル燃料のこと。
例えばお茶やコーヒー飲料を作るときに出る茶殻やコーヒーかすなどは産業廃棄物となっていますが、これらを独自の技術で固形燃料化しています。

ここでもイオンの子会社で農場を営んでいるイオンアグリ創造株式会社と産学連携でプロジェクトを行っています。

食品流通業の問題点の1つが処分しなければならない食品が発生します。
これらを集めてバイオコークスとして冬場のハウスの燃料にできないかなどの研究も行っているとのこと。

自力で稼ぐ近大


近大の特徴の1つは研究資金を自前で調達すること。
そのためには先に触れたようにマグロの完全養殖研究を続けるために、先に養殖できた魚を市場に出して研究費を稼ぐなど徹底しています。

それだけではありません。
多くの私立大学が受験料や入学金が運営資金の中心となりますが、近大ではこれらの占める割合は38.7%と他の大学よりかなり低いのです。

では、近大の収益はどのようなものなのでしょうか。
当書籍によると大きいのは医学部の存在。
附属大学病院が医療によって収入を生んでいるそうです。

他にも寄付金や補助金、収益事業などがあります。
産学連携では民間企業の受託研究費受入額は3億4665万2千円で、慶應義塾大学、早稲田大学に次いで全国3位の実績。
やはり産学連携では近大は強いということですね。


まとめ


当書籍から分かったことは以下のようなことです。
 1.近大は受験者数No.1の大学。
 2.マグロ養殖だけでなく、産学連携でさまざまな研究を行い、その成果を市場に
  出して収益化しています。
 3.大学の運営費でも毎年のように黒字化しており、非常に健全な経営を
  しています。


当書籍では他にも近大では慶應義塾大学の卒業生による「三田会」のような存在が紹介されています。
それが「校友会」。
現在、197もの支部があり、国内だけでなく、台湾やアメリカ・ロサンゼルス、マレーシアなどにも支部があるそうです。
卒業してからもネットワークが強い大学というのは、大きなメリットになります。

近大のブランディングの一端を垣間見ることができる1冊です。


ランキング評価
読みやすさ  3
情報量    3
情報質    4
価格     3
と言うことで「★★★」です。


次回も見に来てくれると嬉しいです。


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