180208 平安神宮おはようございます。
「まおまお」で~す。
いつもブログを見ていただきありがとうございます。

今回の書籍の紹介はコレです。

石川 拓治『京都・イケズの正体』(幻冬舎,2017)  820円(税別)



この書籍をサクッというと


京都で愛されている食や文化を1つずつ著者の体験も踏まえて丁寧に解説した1冊です。


目次


はじめに
第1章 「はんなり」だの「みやび」だのが京都ではない
第2章 なぜ京都の味は淡いのか?
第3章 老舗の力は生まれ変わる力
第4章 抹茶と番茶
第5章 そうだ「京都」を見倣おう!


京都に住むと「こんな感じ」が分かる1冊


今回紹介する書籍のテーマは「観光に役立つ京都の文化」についてです。

以前に矢野新一さんの『ありえへん京阪神―それでも愛される、京都・大阪・神戸の“けったい"な面々』でも京都について面白い例えが載っていました。
それは他県から来た人が、その土地の人間になりきるまでにかかる時間を表したものです。
それが「京都十代、東京三代、大阪一代」。

何となく納得してしまう言葉です。
京都に住むということは、予想以上にハードルが高いことが分かります。

大野裕之さんの『京都のおねだん』でも「地蔵盆」というお祭りについてのエピソードが載っています。
それによると京都のほとんどの地域で行われる「地蔵盆」ではお地蔵さんが必要。
ところが大型の新築マンションなどでは、お地蔵さんを町内会で持っていません。
そこで隣接する町内会に貸してもらおうとしたところ、「マンションのせいで衛星放送の映りが悪くなったので、お地蔵さんは貸さない」といわれてしまったそうです。
これだけでもすごい地域だなと思えます。

京都は観光するにはいい地域ですが、どちらかというと他地域からの移住者には排他的というか優しくないイメージが。
しかし、そんなイメージとは違ったものを紹介しているのが、今回紹介する書籍です。

まず京都のイメージが変わるエピソードを。
それは『K6』というバーについてのもので、西田さんという経営者が京都の先輩にいわれたものを西田さんが話している個所です。
「『西田、何があっても十年間は我慢しろ、十年頑張れば町が守ってくれるから。それまで何があってもやり続けろ』と言われたんです。京都という町には、そういうところがあるんです。簡単には受け入れないんだけれど、ちゃんとどこかから見てる。そして一生懸命にやっていれば、やがて応援してくれるようになる」(P.214~215)

「京都十代」というくらいですから、何代もその地で営業していかないと認められないのかと思っていましたが、そんなことはないことに意外さを感じました。

その一方で「おいでやすとおこしやす」という言葉づかいでお店の人の対応が分かるという説も。
それは以下のような箇所です。
京都では一見の客には「おいでやす」と声をかけ、馴染みの客や予約客には「おこしやす」と挨拶するものだ。だから出迎えの挨拶が「おこしやしす」なら客として大切にされているけど、「おいでやす」だったらその店からは早く出た方がいいとかなんとか。(P.4)

もちろんこれは都市伝説的な話らしいですが、そんなちょっとのニュアンスでも気になってしまうのが京都という街なのです。

そんな不思議な京都の魅力を著者は食を中心に1つ1つ丁寧に解説しています。
この解説を読んでいくと、自分の知らない京都がどんどん出てきます。

例えば一保堂の「京番茶」。
京都の人は京番茶を普段から飲んでいるとのことですが、その茶葉のにおいが強烈。
それが以下のような箇所です。
鼻腔が一瞬にして、強烈な煙草の匂いに包まれた。スモーキーとはいえばいえないことはないが、率直に言ってそんな小洒落たニュアンスとは程遠い。
茶筒に鼻を突っ込んだ私の脳裏に浮かんだのは、煙草の吸殻の映像だった。
それも一本や二本ではない。徹夜明けの仕事場の、乱雑な机の上に放置された灰皿の吸い殻の山だ。その山のてっぺんに鼻を突っ込み、思い切り息を吸い込んだら、きっとこんな匂いがするんじゃなかろうか。(P.21)

読んでいるだけで絶対に嗅ぎたくなくなります。
その匂いがする京番茶を京都の人はこよなく愛しているわけです。
カルチャーショックですね。
とはいいながらも、今度、京都に行ったときには怖いもの見たさで買って見ようかと思っています。

他にも5,400円もする「辻留弁当」の話や祇園にある原了郭の「黒七味」、祇園の中華料理店「盛京亭(せいきんてい)」、スティーブ・ジョブズさんが大量に買っていった木桶の「たる源」など、ちょっと行ってみたいところが多数紹介されており、京都の新しい魅力を知ることができます。


まとめ


当書籍から分かったことは以下のようなことです。
 1.京都はさまざまな要素が複雑に絡み合っており、一方的な見方だけでは
  そのすべてを語ることができません。
 2.著者の体験も踏まえた解説は各々が紹介されているお店や商品の
  ガイドブック的な役割を果たしています。
 3.紹介されているお店や商品から京都の人の気質が分かってきます。


一般的なガイドブックとは異なり、より深い京都観光をするときに役立つネタかもしれません。
京都はさまざまな人が、数多くの書籍で紹介をしていますが、それでも語りきれない魅力を持っています。
京都旅行を検討している人は、旅行のアクセントの参考になると思いますよ。


ランキング評価
読みやすさ  3
情報量    3
情報質    4
価格     3
と言うことで「★★★」です。


次回も見に来てくれると嬉しいです。


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