180404 雪山おはようございます。
「まおまお」で~す。
いつもブログを見ていただきありがとうございます。

今回の書籍の紹介はコレです。

辰野 勇『モンベル 7つの決断―アウトドアビジネスの舞台裏』(山と渓谷社,2014) 760円(税別)



この書籍をサクッというと


日本のアウトドアブランド「モンベル」の創業者が語るモンベルの企業史。


目次


はじめに―集中力・持続力・判断力、そして「決断力」―
第1章 28歳、資金ゼロからの起業―第1の決断
第2章 小さな世界戦略―第2の決断
第3章 パタゴニアとの決別―第3の決断
第4章 直営店出店と価格リストラ―第4・第5の決断
第5章 モンベルクラブ会員制度の発足―第6の決断
第6章 アウトドア義援隊―第7の決断
第7章 山岳雑誌「岳人」発刊―第8の決断
第8章 モンベルの経営流儀―決断を支える哲学
おわりに―人はなぜ冒険をするのだろう―


モンベルの歴史が分かる1冊


今回紹介する書籍のテーマは「アウトドアブランドモンベルの歴史」についてです。

最近はタウンユースウエアとしてアウトドアブランドの服も着られるようになってきました。
その理由としてファッション性はもとより、機能性に優れているからでしょう。

そんなアウトドアブランドの1つで有名なのが「モンベル」です。
海外のアウトドアブランドが多い中、日本のブランドとして確固たるマーケットポジションを作っています。

「まおまお」が釣りで着るレインウエアや防寒着もモンベルのもの。
機能性に優れているため満足しています。

そんなモンベルの歴史を創業者が書いたのが当書籍。
モンベルという企業が成長していく中で、転機となったことが7つ挙げられています。

モンベルは創業当時からいろいろな壁に当たりましたが、その都度、大きな決断をしてそれを乗り越えてきました。

創業者が挙げる7つの決断とは以下のことです。

1.28歳に資金ゼロの状態でモンベルを起業したこと


もともと創業者は28歳で起業をすることを考えていました。
そのため、それまでの時期はアウトドアの販売店でロッククライミングスクールの講師をしたり、商社でデュポンを担当したりと後の企業に役立つ仕事に就いていたのです。

創業後、小さな会社が世界企業であるデュポンの最先端の繊維を扱うことができたのは、前職の人脈が生きたからです。
通常では考えられないこの取引で、モンベルはデュポンの新素材で寝袋を作り、アウトドアブランドの足掛かりとします。

もっともメインの仕事はショッピングバッグの製造など。
決してオリジナルではなく、価格で簡単に取引先から切られてしまう下請け企業だったのです。

2海外進出


モンベルがアウトドアブランドとしての認知がなかったとき、創業者は国内市場だけでなく海外市場に出ていく決断をします。

といっても華々しいものではなく、ヨーロッパやオーストラリアなどで単身、見本市やアウトドアショップに飛び込み営業を掛けるなど、海外進出というには無謀な面も。
もちろん市場調査なしでの体当たりでしたので、現地の飛び込みでその国の商習慣が分かったとのこと。
しかし創業者はそれをポジティブに捉えて、次の手に生かしていることが象徴的です。

そんな中、アメリカにも進出。
しかし、その道は平たんではなく、最終的には特許侵害裁判をアメリカで起こします。
この裁判費用は決して安いものではありませんでしたが、モンベルは本気だということをアメリカ市場に印象づける結果を生み、それ以降の足掛かりを作る結果となりました。

3.パタゴニアの代理店、そして決別


モンベルの品質の良さが認められるようになり、世界的なアウトドアブランドである「パタゴニア」の日本代理店になります。

パタゴニアは日本でも支持され、モンベルの売上の1/4を占めるまでに。
企業としては大きな収益源でした。

ところが特許侵害裁判などで学習し、素材メーカーの素材をそのままではなくオリジナルの素材を開発することを考えるようになります。
また、同様にモンベルではない、パタゴニアの商品を扱うことにも創業者は疑問を持つこともにも。

結局、1/4の売上が消えたとしてもモンベルらしさを考えて日本の代理店の契約を解除することに。
しかし、経営的は予想していたよりもダメージが少なかったのが不幸中の幸いでした。

4.直営店の出店と価格変更


卸の場合、どうしてもモンベルだけの商品を扱っているわけではないので、すべての商品を消費者に届けることができません。
そこでモンベルの直営店を作る決断をします。

ところがここで大きな問題が。
最初に出店した場所はショッピングモールでした。
そのショッピングモールでは、直営店の隣にモンベル最大の取引先のショップもオープンしたのです。

直営店を出店したことでさらなる問題が発生します。
取引先のアウトドア店では価格が定価の20~30%引きが常識でした。
しかし直営店では不正競争防止法で、定価販売を強いられることに。
これでは消費者にとっても公平な価格で購入できません。

そこでアウトドアショップへの卸価格はそのままに、メーカー希望小売価格を20~30%引き下げることで、値引価格がほぼ全国統一の定価となり、直営店と他店との価格差もなくすというものでした。

5.モンベルクラブ会員制度


モンベルはさらなる手を打っていきます。
それは通販事業です。

ここで大きな決断をします。
それはモンベルクラブ会員制度という有料会員制度の発足です。

年会費無料ではなく、あえて年会費1,500円を支払ってもらっての会員制度には理由がありました。
それは会報誌の制作費や配送料の問題です。

無料で高品質の会報誌を作ったり、送ったりしていては、会員数の増加とともに破たんすることが予想されます。
そこで有料会員制度を当初から導入したのです。

当書籍の発行時期の会員総数は50万人に達し、年会費の総額は7億円以上と莫大(ばくだい)なものに。
これが無料だったら、おそらく早々に会員制度は破たんしていたことでしょう。

6.アウトドア義援隊


モンベルでは阪神・淡路大震災以降、大きな自然災害が起こるたびにさまざまなボランティア活動を行っています。
それも一過性ではなく、継続したサポートをしているのが特徴です。

また、東日本大震災での大津波の教訓から、万が一津波に巻き込まれたときでも生存率を高めるための商品「浮くっっしょん」を開発するなど社会活動へも力を入れるようになってきました。

それはアウトドアブランドとして野外や仮設住宅で暮らさざるを得ない人たちにもできる限りのサポートをということです。

7.山岳雑誌「岳人」の事業継承


山岳雑誌に「岳人」があります。
以前は中日新聞社が発刊してきましたが、発行部数の減少などで休刊することに。
その事業をモンベルが引き継ぐことになりました。

大きく異なるのが広告収入に頼れないということ。
中日新聞社時代はモンベルも広告主の1社でしたが、モンベル自体が「岳人」となると他社は広告出稿を控えることになります。
そんな逆境でも、定期購読で楽しんでもらえる雑誌にしたいと事業を引き継いだのです。


まとめ


当書籍から分かったことは以下のようなこと。
 1.モンベルが成長するときには節目ごとに大きな経営判断をしていることが
  分かります。
 2.世界的なパタゴニアにも認められるほど、モンベルの商品品質は
  評価されています。
 3.結果として創業者の経営判断は間違っていなかったということです。


自社の歴史をたどっていき、その節目は何だったのかを記憶していることは、やはり経営者ならではのことなのでしょう。

モンベルの歴史は商品の品質向上から始まり、商流の改革、お客様のファン化、そして社会貢献とステージを変化させているのがよく分かります。

当書籍の位置づけはパタゴニアのファンがイヴォン・シュイナードさんの『社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論』を読むようなものかもしれません。
モンベルを使っている人にとっては、よりモンベルを理解できる1冊です。


ランキング評価
読みやすさ  3
情報量    3
情報質    4
価格     3
と言うことで「★★★」です。


次回も見に来てくれると嬉しいです。


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