180710 オックスフォード大学おはようございます。
「まおまお」で~す。
いつもブログを見ていただきありがとうございます。

今回の書籍の紹介はコレです。

苅谷 剛彦『オックスフォードからの警鐘―グローバル化時代の大学論』(中央公論新社,2017)  800円(税別)



この書籍をサクッというと


グローバル時代の英米の大学と日本の大学を比較し、戦略で後れを取っている日本の大学に警鐘を鳴らしている1冊。


目次


「グローバル時代の大学論」シリーズ巻頭言
序 章 日本の大学が世界の「落ちこぼれ」になる
第一部 「スーパーグローバル大学」の正体
第二部 文系学部廃止論争を超えて
第三部 海外大学・最新レポート
第四部 ガラパゴスからの脱出
終 章 「グローバル大学」への警鐘―日本の大学は何をめざすべきなのか?


グローバル時代には戦略が必要


今回紹介する書籍のテーマは「グローバル時代の大学」についてです。

今回紹介する書籍の著者は日本人でイギリスのオックスフォード大学教授を務めており、海外の大学と日本の大学の比較をするなど、多数の著作があります。

当書籍では、グローバル時代に英米の有名校がさらに優秀な人材と研究費を集めるためにどのような戦略を持って、それを行っているのかを解説。
一方、グローバル戦略がない日本の大学の凋落に警鐘を鳴らしています。

グローバル人材と大学


1990年代以降のグローバル時代の大学はそれ以前とは異なります。
グローバル時代の英米の大学は、人(学生や教員)、資本などの面で、国境を超えた移動が、より大規模に、かつ激しく行われていると言います。

それは国境を越えてより良い高等教育を受け、学位を取得した人々が、出身国にかかわらず、質の高い人材として労働市場から歓迎されるようになったのです。
著者はこれらの人を「グローバル人材」と定義しています。

グローバル人材は、英語を使えることは前提条件の1つ。
あくまでも高度な教育を受け、最新の専門性を持った人材であることが求められます。
その人材育成を担当するのが、大学・大学院なのです。
つまり人材のグローバル化は大学間のグローバル競争の激化ももたらしました。

英米の大学と日本の大学の差


そもそも大学とは「社会が直面しているさまざまな課題を研究し、その解決策を見いだし、広く世に伝えるところ」と著者は述べています。
言い換えると「将来を支える人材を育成する」専門機関が大学ということです。

オックスフォード大学やハーバード大学などの英米のトップクラスの大学では、このような理念が強く生きていると言います。
また企業も、学生の大学での専攻や、そこでの成績を重視し、「新しい知を学んだ、質の高い人材」を採用しようと努めているのです。

一方、日本の大学では、4年生は就職活動に明け暮れ、学ぶ機会は失われています。
また企業も大学での知識を問わず、会社に「染まる」人材を求めています。
今まではこのようなことでも対応ができましたが、先が見えない現代においては、大学、企業ともに力を衰えさせる要因になってきています。

大学ランキングに一喜一憂する英米の大学


英米の代表的な大学は、日々、世界中から集まってくる優秀や研究者や資金の争奪戦を行っています。

国際的優秀な学生が大学を選ぶ基準の1つが、「THE世界大学ランキング」に代表される大学ランキング。

著者によると、オックスフォード大学のシステムが世界の潮流から取り残され、どのランキングでもトップ10から抜け落ちるようなことがあったら、経営陣は責任を取らされ入れ替えが起きるとのこと。

万が一、そのような状態を放置すれば、学生も教員も外部資金も他の大学に流出し、存在意義さえ疑われてしまうためです。

ちなみにオックスフォード大学では学部生の15%、大学院生の60%が外国人とのこと。
ちなみに東大の外国人学生の割合は学部生で2%、大学院生で18%。

この差がTHE世界大学ランキング(2013/2014年版)でオックスフォード大学が2位、東大が23位という順位にも表れています。


この他にも今までさまざまな場所に寄稿してきた論説が、多数掲載されており、日本の大学、ひいては日本という国の力が失われている現状に危機感を覚えます。


まとめ


当書籍から分かったことは以下のようなことです。
 1.英米の大学はグローバル時代の生き残りをかけて、大学全体でランキング
  上位に入るための戦略を大学全体で行っています。
 2.日本の大学はその戦略が明確でないため、ランキングを下げています。
 3.今後、日本の大学はしっかりとした戦略を立てないとグローバル人材は
  英米の大学に集中し、日本はガラパゴス化していきます。


最近、補助金目的のために文部科学省の子息を合格させるのと見返りに補助金を得た日本医科大学のように、国以外では資金を集めることが難しいのが現状。
限られた国の予算の中の補助金を取り合うのではなく、海外の有力大学のように他から資金を集める仕組みを作ることが大切です。

著者はその件に関して3つの提言をしています。
この部分を一読すると、日本の置かれた現状がよく分かり、このままでは日本の国力がドンドンと落ちていく危機感しかありません。

教育は国力の基本。
当書籍を読むことで将来の教育について考える契機になる1冊です。


ランキング評価
読みやすさ  4
情報量    3
情報質    4
価格     4
と言うことで「★★★★」です。


次回も見に来てくれると嬉しいです。


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