180718 福島原発おはようございます。
「まおまお」で~す。
いつもブログを見ていただきありがとうございます。

今回の書籍の紹介はコレです。

NHKスペシャル『メルトダウン』取材班『福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」』(講談社,2017) 840円(税別)

福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」 (講談社現代新書)
NHKスペシャル『メルトダウン』取材班
講談社
2017-09-20


この書籍をサクッというと


福島第一原発の冷却のために海水注水を行ったにもかかわらず、海水はほとんど原発に届いておらず、爆発する結果となりました。
その原因はどこにあったのかを、1つ1つ検証した1冊。


目次


はじめに
プロローグ 廃炉作業に立ちはだかる巨大デブリ
第1章 正常に起動した1号機の冷却装置はなぜ停止してしまったのか?
第2章 東京電力は、冷却装置イソコンをなぜ40年間動かさなかったのか?
第3章 日本の原子力行政はなぜ事故を防げなかったのか?
第4章 届かなかった海水注水
第5章 1号機の消防注水の漏洩はなぜ見過ごされたのか?
第6章 1号機冷却の「失敗の本質」
エピローグ


事故から5年半たっての真実


今回紹介する書籍のテーマは「福島第一原発1号機冷却の失敗」についてです。

東日本大震災で福島第一原発は大きな被害を受け、水素爆発が発生。
この水素爆発は防げたかもしれないものだったことが、さまざまな取材で分かってきました。

なぜ爆発を防げなかったのか、その原因を明らかにしたのが今回紹介する書籍です。

爆発を防げなった直接の原因は、原子炉の冷却失敗でした。
当時、首相官邸や東京電力本店の要請に従わず、海水注水を強行したのは吉田昌郎福島第一原発所長。

しかし事故から5年半を経て、吉田所長の英断で実行された海水注水は、ほとんど原子炉に届いていなかったという事実が判明。
福島原発には注水を阻むさまざまな「抜け道」があり、それを通じて、ほとんどの海水は原子炉内部に届くことがなかったのです。

しかし、これは表面上の原因。
実は根本的な原因が福島原発にはあったことが、取材で明らかになったのです。


根本的な原因は「イソコン」


根本的な原因は「イソコン」と呼ばれる非常用復水器が止まってしまったことでした。
本来、イソコンは電源がなくても原子炉を冷却できる仕組みです。
ところがこのイソコンが津波に襲われ、電源が失われた段階で止まる仕組みになっていたことが、のちに判明。

またイソコンを約40年間、稼働させておらず、その操作や知識に習熟している人が当時は現場に存在しなかったことも致命傷でした。
そのため、イソコンが稼働しているかを正確に判断できなかったのです。

また、このイソコンの設定があるときを境に変更されます。
しかし、この変更の理由が明確に記録されておらず、誰が、どのような意図で設定を変更したのかは今もって不明のまま。

もしもイソコンの定期的なテスト運転を実施し、それを多くの人が情報共有をしていたなら、爆発は防げたかもしれないというのです。


今回の事例から何を学ぶか?


当書籍では、海水注水失敗や、イソコンによる原子炉冷却の失敗の原因を丹念に検証し、その根底にはどのような問題があったのかを検証しています。

そこから導き出されたのは、情報共有の大切さでした。
当時の福島第一原発現地での情報共有はもちろんのこと、イソコンに関わる時間を経ての情報共有もそうです。

これは他人ごとではなく、さまざまな組織でも言えること。
「なぜそのような判断になったのか?」を記憶ではなく、記録に取っておくことが現在だけでなく、将来においてもとても大事であることを痛感しました。

記憶ではなく記録。
これによりPDCAが回る仕組みができますので、どの組織でも必要となります。
そのようなことを学べる1冊です。


まとめ


当書籍から分かったことは以下のようなことです。
 1.福島第一原発1号機冷却の失敗の直接的原因は原子炉の海水注水が
  できていなかったことです。
 2.本来、冷却装置である「イソコン」の稼働により、原子炉は冷却できる
  はずでしたが、その操作、知識に習熟している人がおらず、失敗しました。
 3.情報共有がおろそかになると、目的を達成することが格段に難しくなることを
  今回の事例は詳らかにしています。


当書籍はドキュメンタリーとしても読みごたえがあります。
読み進めるたびに、自分の組織と置き換えていくと、いろいろなことが学べる1冊です。


ランキング評価
読みやすさ  4
情報量    4
情報質    5
価格     5
と言うことで「★★★★★」です。


次回も見に来てくれると嬉しいです。


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