2009年03月
2009年03月31日
【025】2009年新譜 1月編 (White Lies)
「To Lose My Life」(2009)
White Lies
今年初の新人バンドです。彼らは昨年から英国の各メディアからニューカマーとして期待されていた背景もあってかこのデビュー作は1位を獲得しました。
彼らの音楽性はどことなくU2やOasisを想起させる正統派なロックバンドだと思う。正統派という概念は曖昧なのだけど、ニューレイブやニューエキセントリック勢が大量に出てきた昨年に比べればある程度彼らが真っ当なロックバンドだと言うことが分かるはず。
しかしそれ以上に印象的なのはGLASVEGASのようなポップセンス、しかしどちらかと言えば彼らのような合唱できるアンセムよりは音のスケールで圧倒する曲を書いていると思う。どちらかと言えばU2寄りだろうか。
既に名曲を予感させているM1のDeathを代表したキラーチューンと言える楽曲は聴きやすくどことなく真っ白な情景を想起させるサウンドといい今年の新人1発目としては申し分ない出来だと思う。
White Lies
今年初の新人バンドです。彼らは昨年から英国の各メディアからニューカマーとして期待されていた背景もあってかこのデビュー作は1位を獲得しました。
彼らの音楽性はどことなくU2やOasisを想起させる正統派なロックバンドだと思う。正統派という概念は曖昧なのだけど、ニューレイブやニューエキセントリック勢が大量に出てきた昨年に比べればある程度彼らが真っ当なロックバンドだと言うことが分かるはず。
しかしそれ以上に印象的なのはGLASVEGASのようなポップセンス、しかしどちらかと言えば彼らのような合唱できるアンセムよりは音のスケールで圧倒する曲を書いていると思う。どちらかと言えばU2寄りだろうか。
既に名曲を予感させているM1のDeathを代表したキラーチューンと言える楽曲は聴きやすくどことなく真っ白な情景を想起させるサウンドといい今年の新人1発目としては申し分ない出来だと思う。
2009年03月23日
【024】2009年新譜 1月編 (サカナクション)
「シンシロ」(2009)
サカナクション
昨年の年間ベストにも入ったサカナクションの新作。最近ではテレビ出演も増えてきて一般的な人気が高まっていただけに逆に一般受けし過ぎな物になるんじゃないかと思っていたのだけど、個人的には少しはそっちに傾いたものの個性を損なってない作品を作ってきたと思う。
実験的な曲はないがその分よりポップにまとめてきたのでM3のシングル「セントレイ」をきっかけにサカナクション触れた人には十分刺激的な内容だろう。元々サウンドやボーカルにくるり的なイメージがあったが今作は彼らにとってのTEAM ROCK的な作品になったのかもしれない。
しかしTEAM ROCKと同等の傑作かと言われるとやや疑問が残るところで、チャットモンチーがシャングリラのブレイク後ポップスに逸れてやや魅力を落としたのと同じ様にセントレイにも近い手応えを感じた。キラーチューンなのは認めるが是非ともライブでは毎回これを演奏するようなバンドにはなって欲しくはないと思った。
しかしながら傑作の1つに間違いはなく分かりやすいのでサカナクションの入り口としては申し分ないだろう。個人的にはやはり初期から追って行ってもらいたいのだけれど。点数にして8.5って感じです。
サカナクション
昨年の年間ベストにも入ったサカナクションの新作。最近ではテレビ出演も増えてきて一般的な人気が高まっていただけに逆に一般受けし過ぎな物になるんじゃないかと思っていたのだけど、個人的には少しはそっちに傾いたものの個性を損なってない作品を作ってきたと思う。
実験的な曲はないがその分よりポップにまとめてきたのでM3のシングル「セントレイ」をきっかけにサカナクション触れた人には十分刺激的な内容だろう。元々サウンドやボーカルにくるり的なイメージがあったが今作は彼らにとってのTEAM ROCK的な作品になったのかもしれない。
しかしTEAM ROCKと同等の傑作かと言われるとやや疑問が残るところで、チャットモンチーがシャングリラのブレイク後ポップスに逸れてやや魅力を落としたのと同じ様にセントレイにも近い手応えを感じた。キラーチューンなのは認めるが是非ともライブでは毎回これを演奏するようなバンドにはなって欲しくはないと思った。
しかしながら傑作の1つに間違いはなく分かりやすいのでサカナクションの入り口としては申し分ないだろう。個人的にはやはり初期から追って行ってもらいたいのだけれど。点数にして8.5って感じです。
2009年03月17日
【023】2009年新譜 1月編 (Franz Ferdinand)
「Tonight」(2009)
Franz Ferdinand
前作との違いを分かりやすく説明すれば、それはプロデューサーにキースの2枚目を手掛けたダン・ケアリーを迎えたことと意図的に曲のBPMを落としてダンスフロア向けな速さにしたことだろう。
確かに以前のギターロックな面は薄れているので変化しているのだけれど結局彼らの踊れるロックというそれまでのイメージをさほど崩してはいないので特に違和感はなかった。今回はよりフロアという場所に寄り添った内容だったので前作に比べてやや大人向けの作品と言えるかもしれない。
しかしM3のNo You Girlsなど変化に関係なく盛り上がれるキラーチューンも入っているので聴いてみて損はない、個人的には前作よりもこっちの方が好き。ある意味近年のニューレイブに刺激された作品とも言えるがただの真似事になっていない、より大人に、より深みを増した作品。
Franz Ferdinand
前作との違いを分かりやすく説明すれば、それはプロデューサーにキースの2枚目を手掛けたダン・ケアリーを迎えたことと意図的に曲のBPMを落としてダンスフロア向けな速さにしたことだろう。
確かに以前のギターロックな面は薄れているので変化しているのだけれど結局彼らの踊れるロックというそれまでのイメージをさほど崩してはいないので特に違和感はなかった。今回はよりフロアという場所に寄り添った内容だったので前作に比べてやや大人向けの作品と言えるかもしれない。
しかしM3のNo You Girlsなど変化に関係なく盛り上がれるキラーチューンも入っているので聴いてみて損はない、個人的には前作よりもこっちの方が好き。ある意味近年のニューレイブに刺激された作品とも言えるがただの真似事になっていない、より大人に、より深みを増した作品。
2009年03月10日
【022】2009年新譜 1月編 (Animal Collective)
「Merriweather Post Pavillon」(2009)
Animal Collective
記事に起こした訳じゃないが、MGMTを聴いた時にも感じたのは「こういうどこか南国的な情緒を感じる楽曲は決して嫌いじゃないけどイマイチ弾けきれてないんだよな」ということだった。
もちろん彼らが昨年の新人の中でも高い評価を受けた事は承知しているが、ドリーミーな楽曲の割にややポップスとしての甘味が薄かった事やそういう「日常とは離れた雰囲気」を出しているのに同時に暗を醸し出しているような様子を個人的に感じたのがあまり好みじゃなかった。もちろん現実はそんな世界だけではなくあったとしても現実の暗い陰から目を逸らせない事も分かっているのだけど、せっかくムードが出来上がっているのだからなるべくそのムードに浸りたいというのが僕の気持ちだったりする。
そういう意味でこのアニマル・コレクティブの新作はそんな僕の好みに近いドリーミーさを詰め込んだポピュラーな作品だと思う。
これまでよりはずっとメロディに趣を置いた内容になっているが決してセルアウトと呼べるような内容ではなく、やはりサウンドの構造は複雑。ある意味ビーチボーイズに近い雰囲気を感じたのだけど明らかに別物のバンドの個性を持っている、素晴らしい。
Animal Collective
記事に起こした訳じゃないが、MGMTを聴いた時にも感じたのは「こういうどこか南国的な情緒を感じる楽曲は決して嫌いじゃないけどイマイチ弾けきれてないんだよな」ということだった。
もちろん彼らが昨年の新人の中でも高い評価を受けた事は承知しているが、ドリーミーな楽曲の割にややポップスとしての甘味が薄かった事やそういう「日常とは離れた雰囲気」を出しているのに同時に暗を醸し出しているような様子を個人的に感じたのがあまり好みじゃなかった。もちろん現実はそんな世界だけではなくあったとしても現実の暗い陰から目を逸らせない事も分かっているのだけど、せっかくムードが出来上がっているのだからなるべくそのムードに浸りたいというのが僕の気持ちだったりする。
そういう意味でこのアニマル・コレクティブの新作はそんな僕の好みに近いドリーミーさを詰め込んだポピュラーな作品だと思う。
これまでよりはずっとメロディに趣を置いた内容になっているが決してセルアウトと呼べるような内容ではなく、やはりサウンドの構造は複雑。ある意味ビーチボーイズに近い雰囲気を感じたのだけど明らかに別物のバンドの個性を持っている、素晴らしい。
2009年03月09日
【021】2009年新譜 1月編 (John Frusciante)
「The Empyrean」(2009)
John Frusciante
ジョン・フルシアンテと言えばまず最初に頭に浮かぶのがレッドホットチリペッパーズのメンバーであるという事だが、それ以上にローリングストーン誌があのジャックホワイトに並ぶ若手ギタリストと認めているという事実を忘れてはいけない。
彼のレッチリ参加後の作品には彼らの最高傑作・あるいは最高売上の物が含まれていることからやはりレッチリのソングライティングの核は彼なのだろう。
もちろん彼自身のソロでもその手腕は発揮されている。彼のソロ作品を聴くのは今回が初めてだったのだけど、決してレッチリのような肉体的な音ではなく、ジミヘンを想起させるサイケデリックなギターもあればレッチリの作品でのコーラスワークとはまるで別人な骨太なボーカルを聴かせてくれる。レッチリという枠から抜け出した事から出来る幅を最大限に生かした感じだ。
正直言ってレッチリよりもこちらの方がいいと思ってしまった。レッチリの前作の2枚組作品を1枚にまとめてもそれさえ越える楽曲のクオリティ、昨年ジャックホワイトのサブプロジェクトのラカンターズを年間ベストに挙げたが今作も紛れもなくその筆頭になりそうだ。
聴きどころはインストの大作でありながら十分な感動、彼の才能を感じれるM1、名曲でしょう。
John Frusciante
ジョン・フルシアンテと言えばまず最初に頭に浮かぶのがレッドホットチリペッパーズのメンバーであるという事だが、それ以上にローリングストーン誌があのジャックホワイトに並ぶ若手ギタリストと認めているという事実を忘れてはいけない。
彼のレッチリ参加後の作品には彼らの最高傑作・あるいは最高売上の物が含まれていることからやはりレッチリのソングライティングの核は彼なのだろう。
もちろん彼自身のソロでもその手腕は発揮されている。彼のソロ作品を聴くのは今回が初めてだったのだけど、決してレッチリのような肉体的な音ではなく、ジミヘンを想起させるサイケデリックなギターもあればレッチリの作品でのコーラスワークとはまるで別人な骨太なボーカルを聴かせてくれる。レッチリという枠から抜け出した事から出来る幅を最大限に生かした感じだ。
正直言ってレッチリよりもこちらの方がいいと思ってしまった。レッチリの前作の2枚組作品を1枚にまとめてもそれさえ越える楽曲のクオリティ、昨年ジャックホワイトのサブプロジェクトのラカンターズを年間ベストに挙げたが今作も紛れもなくその筆頭になりそうだ。
聴きどころはインストの大作でありながら十分な感動、彼の才能を感じれるM1、名曲でしょう。