tt222のブログ

脳内出血発症からの23年にわたる闘病記録

2010年08月

脳内出血からの23年  (65)

涙    ここで話を戻すが、私がC社に勤務するようになって1年ほどが過ぎた平成2年4月のことである。
 ある日私は同社の専務から今月の出向契約更新はなく、契約打ち切りになると通知された。
 これは私も覚悟していたことだが、研究業務から離れることになるのはとても残念だった。
 やはり前年8月に引き起こした発作が影響してるのは間違いないようだ。
 そして明日は私がC社を去るというとき、一人の従業員が私に会いに来た。
 彼は仲間たちから集めた私への餞別を届けに来たのである。
 彼らとは毎日のように昼休みのコーヒーを飲みながらバカ話を楽しんだ仲であり、私も別れがつらかった。
 
 ところが彼の手から餞別を受け取った瞬間、私は胸にグッと感じるものがあり、目から涙が流れ出した。
 それもちょっと滲む程度の生易しいものではない、両眼から大粒の涙がポロポロと派手に落ちたのである。
 これには彼も大層驚いたようで、黙って下を向いてしまった。
 昔は私も人前では絶対に涙を見せなかったのだが、どうも脳内出血の発症によって泣き虫人間に変わってしまったようだ。
 これはきっと発症によってダメージを受けた脳が感情をコントロール出来なくなったせいだろう。
 そういえば退院した頃にも笑いだしたら笑い声を停めることが出来なくなって困ったことが何度かあったが、これも似たような現象ではないだろうか。
 なお現在の私は長年の訓練の成果が現れたようで、昔の泣かない男に戻っている。


 
 





脳内出血からの23年  (64)

発作を防ぐ   この23年間に私が発作を起こしたのは、平成1・2・3年に各1回の計3回である。
 しかし私はこの3回の発作に共通してるものを発見した。
 一つはどの発作も幻覚が伴っていることだが、もう一つは3回の発作すべてが睡眠不足のときに起きていることである。
 ということは発作が起きるための必須条件が睡眠不足であると考えていいのではないだろうか。
 つまり十分な休養が得られない脳が、ちょっとした刺激に反応してケイレンを起こすと考えられる。
 このことに気づいた私は、自分の場合5時間以上の熟睡が確保出来れば発作の恐れがないことも確認した。
 始めのうち私は寝る前に薄めのウィスキー水割りを1杯飲むことにより安眠を得ていたが、これには次第にウィスキー濃度が大きくなるという欠点がある。
 そこで現在では、寝つきが悪くてちょっとアブナイかなと思うときは迷わず「睡眠導入剤」を使うことにしている。
 私の感想だが、この薬には習慣性がないから必要なときは積極的に使うべきだと思っている。
 なお3回の発作から分かるように、深い思索や過度の飲酒・入浴は発作の引き金になるから注意すべきだろう。
 

脳内出血からの23年  (63)

抗ケイレン剤「H」   私が最初の発作を起こしたとき、主治医は薬剤「H」を朝夕に各6錠服用するよう指示した。
 最近ネット検索で「H」について調べてみたら、これはテンカンの治療薬で、脳の中枢に作用してケイレンやテンカンを抑制するとあった。
 しかし多くの薬剤と同様に、「H」にも肝臓に悪影響を与えるという副作用がある。
 事実、私は健康診断を受けるたびに「肝機能障害あり」と通知されていた。
 こうして毎日12錠の「H」を服んでた私だったが、やがて脳の状態も安定してきたというので、服用量を朝夕各5錠に減らした。
 すると半年後に二回目の発作が起きた。
 そこでやむなく元の朝夕各6錠に戻したが、それから長い間脳の安定状態が続いた。
 そこでもう一度服用量を朝夕各5錠に減らした。
 間もなく三回目の発作が起きた。
 このときの主治医の指示はこれまでと違う、以後は朝5錠夕6錠である。
 主治医の苦心の跡が読み取れる処方だが、お陰で私は完全に発作と縁が切れたようだった。
 しかし私は、薬の効能とはこうもデリケートなものかと正直驚いた。
 特に脳に作用する薬剤は「取り扱い注意」だなと意識した私である。
 なお私は今でも「H」を朝夕各4錠服用している。
 発症から24年近くになるというのに、まだ薬から解放されないとはなんと因果な病気だろうか、脳内出血というのは。
 

脳内出血からの23年  (62)

3回目の発作  平成3年2月24日のことである。
 夕方6時に仕事から戻った私は、いつものようにすぐ風呂に入った。
 私は熱い風呂が苦手なので、この日もぬるめの湯だったはずだ。
 しかし入浴時間が長すぎたせいか、顔から汗が激しく噴き出してきた。
 そこで風呂を飛び出した私は脱衣場に入って、ゆっくりバスタオルで体を拭き始めた。
 ところがそのとき私は自分の横に立ってる妻の姿をはっきり見たのである。
 思わず私は「なんだお前はこんなとこにいて! 、はしたないぞ」と妻を怒鳴りつけた。
 すると向こうの台所の方から「何か言いましたか? 」と妻の声がした。
 その瞬間私は、これは間違いなく幻覚であり、また発作が起きたのだと直感した。
 そこで私たちはタクシーを呼んで、またまた市民病院へと向かったが、今回の症状は入院中に二度ほど嘔吐しただけで、他に異常は現れなかった。
 だから今回の発作は比較的軽かったようにも思えるが、はじめに鮮明な幻覚があったからそうとも言えないのではないだろうか。
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