2009年05月31日
女たちの反乱―堂本千葉県知事をつくった勝手連
女たちの反乱―堂本千葉県知事をつくった勝手連国栖 治雄 (著)
\1,500 生産性出版 (2001/07)
ISBN-10: 4820117181
ISBN-13: 978-4820117186
発売日: 2001/07
先日2期8年間の任期を終えて退任した堂本暁子千葉県知事が最初に県知事選に当選した8年前の選挙について、擁立した勝手連のメンバーたちを中心としてドキュメンタリーとしてまとめた記録。
8年たって改めて読んでみると、女性で市民派の知事をつくろうというメンバーたちの思いに始まって、環境派で自然体のこの候補者に焦点を当て、出馬を要請し、選挙戦を盛りたてて、どこの政党からも支援を受けずに当選するまでのドキドキするような、わくわくするような勝手連のメンバーたちの熱気が伝わってきます。
8年たって、千葉県がどう変わったのか、それを擁立したこの勝手連の人たちはどう考えているのか、いま、改めて尋ねてみたい気がします。
堂本前知事本人が執筆した下記の書籍と併せて読むと、同じ事象が違った視点から語られていたりして、それもまた面白いです。
無党派革命―千葉が変われば日本が変わる
堂本 暁子 (著) 築地書館 (2001/06)
ISBN-10: 4806712272
ISBN-13: 978-4806712275
発売日: 2001/06
2008年12月20日
シカゴの夜から六本木の朝まで ──対抗軸を打ち出せるのは知的障害──
シカゴの夜から六本木の朝まで──対抗軸を打ち出せるのは知的障害──
野沢和弘・大石剛一郎・堀江まゆみ著
\1,050(税込)Sプランニング (2006/6/20)
ISBN:9784903604046
タイトルだけだと、何が書かれている本なのかよくわからないのですが、要するに知的障害者の権利擁護や生活支援に関わってきた新聞記者・弁護士・大学教授の3人が、障害者や社会のことについて鼎談したものを記録した書籍です。
大学時代に心理学を学びながら知的障害児の世話をする団体でボランティア活動して、今は地方自治体で仕事していて、福祉部門にいたこともある私にとって、とても興味深い本でした。
特に印象に残った項目は3点。
ひとつは、本書で紹介される「警察プロジェクト」での取組みについて。知的障害者への犯罪や知的障害者による犯罪が興味本位に扱われがちであることに関して、障害者側の権利を保障した上で捜査・裁判を行うべきということ。アメリカのシカゴではそのための「システム」(制度)をきちんと整備していたり、警察官への啓発プログラムを行っていたりと、とても参考になる取組みが行われているのだそうです。
第4章では、日本でもこうした取り組みをしていこう、ということで実際に警察に働きかけた経緯なども描かれており、少しずつでもこういう取り組みが行われていて、それが効果を上げているということが嬉しいなあと思ったりしました。
それから第6章の研究者と現場とのコラボレーションの話。経済分野では研究者の研究が政策に活かされているのに、福祉分野では単なる制度の解説に終わってしまっている、と。もっと現場での実践に研究者の研究が応用されなくてはいけないし、現場の実践のデータが研究者の研究に活用されなければならないという指摘はもっともなものと思いました。要するに福祉分野の政策立案が政府側のみで行われているという指摘です。もっともこれは、福祉分野だけではないかもしれません。もっともっと、研究と政策立案とそして実践の場がコラボレーションできるところはあるのでしょう。
そして最後に、市場至上主義への批判。アメリカ型の市場主義はそれでもアメリカにおいては弱者の保護を制度によって担保しているのに対して、日本での中途半端な市場主義の導入はそうしたものが無いために、社会的弱者にとって生きにくい社会となってしまっているのではないか、という指摘です。経済格差の顕在化とともに小泉・安部改革路線が批判されてきている中で、こうした指摘は大変示唆に富んでいると思いました。
そこで、「対抗軸を打ち出せるのは知的障害」なんだそうです。奥深いです。
2008年08月16日
社内誌白書2007
社内誌白書 2007 ナナ総合コミュニケーション研究所 (編さん)
¥ 2,100 (税込)出版社: ナナ総合コミュニケーション研究所 (2007/5/1)
ISBN-10: 4901491652
ISBN-13: 978-4901491655
社内報に詳しいナナ総合コミュニケーション研究所が2年に1回発行している「社内報白書」の最新版です。
今回の社内誌白書では、(1)社内広報の重要性の向上、(2)企業ブランド構築のためのツールとして意義付ける動き、(3)「A4」化、ビジュアル重視、トップのインタビュー記事など読ませる仕掛けづくり、(4)WEB社内報の導入が加速、(5)グループ報創刊の方向性、の5点を指摘しています。
それほど厚い冊子ではありませんが、データ中心に、社内報のトレンドを理解するためには必携と思いました。
また、こうした社内報の流れを理解した上で、実際に社内報を担当される方にとっては、
社内報革命
産業編集センター (2006/08)
¥ 2,100 (税込)
ISBN-10: 4916199782
ISBN-13: 978-4916199782
などもお勧めです。社内報の考え方から、制作のための企画、作成術、「戦略社内報」という考え方まで、丁寧に紹介されています。
2008年08月02日
地域SNS最前線〜Web2.0時代のまちおこし実践ガイド〜
地域SNS--ソーシャル・ネットワーキング・サービス--最前線 Web2.0時代のまちおこし実践ガイド庄司 昌彦 (著), 三浦 伸也 (著), 須子 善彦 (著), 和崎 宏 (著)
¥ 1,995 (税込) アスキー (2007/3/19)
ISBN-10: 4756148735
著者からいただいたこの本、約1年ぶりに改めて読んでみました。
発行されてから約1年のこの本ですが、この間に、あっという間に地域SNSが当たり前のものになってきただけに、今読んでみると、改めてこうしたSNSの設立当初の勢いみたいなものを感じることができます。
内容的にはAmazonに書かれているとおり、「地域SNSの現状を整理するとともに、地域社会とSNSの関係、オフライン活動との結びつき、他の地域情報化事例との比較、運営者の(ノウハウだけではなく)「考え方」の説明など、実際の運営や利用のポイントを実際に携わっている専門家が解説しています」ということで、地域SNSの現況に関して理解するための好著と言うことができると思います。
特に、熊本県八千代市が運営している「ごろっとやっちろ」について、運営者の小林隆生さんへのインタビューを交えて、非常に丁寧に解説されています。ごろっとやっちろが世間に知られていく過程として、私が参加している「地域メディア研究会」の功績にも触れられており、この研究会を企画した一人として、非常に感慨深いものがありました。
最終章では地域SNSに関連する各種理論にも簡単に触れられていて、これからさらに地域SNSを理解していくための示唆に富んでいます。
4人の共著ということで、各章立てのどの部分を誰が書いているのか、いまいち分からなかった(見つけられなかった!)のが(まあ内容から実際にはなんとなく分かりますが)、本文や注釈の中に「著者は○○」とかいう記述が散見されるだけに、少し残念でした。
⇒8/10追記:著者の庄司昌彦さんからご連絡いただきまして、
1章 須子さん
2章 庄司さん
3章 庄司さん
4章 和崎さん・三浦さん
5章 三浦さん、庄司さん、須子さん、和崎さん
とのことです。どうもありがとうございました!
2006年09月11日
ウェブ進化論−本当の大変化はこれから始まる
ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる梅田 望夫
¥ 777 (税込)
筑摩書房(ちくま新書) (2006/2/7)
4月頃から大変話題になっていたこの本、6月には購入していたのですが、大変遅ればせながら、やっと読破しました。
で、感想。一言で言うと、「私が考えてたのと同じことが書いてある」。
「web2.0」と呼ばれる最近のインターネット業界で起こっている現象は、数年前に私たちが情報化のセクションの同僚たちや、大学院の同級生たち、そして全国から集まった研究会の仲間たちと議論していた、そして、目指していた方向性に非常に近いように思います。
この本は、そうした現象について、大変わかりやすく説明を試みています。
googleが考えるようにすべてがテクノロジー中心で進んでいくのかどうか、というところについては、個人的にはややクエスチョンがないわけではないですが、少なくともgoogleとヤフーや楽天の考え方の違いについての説明は、説得力があるように思いました(どちらが良いということではなく。)
ウェブ進化の方向性を「ネットのあちら側とこちら側」という軸と、「不特定多数無限大への信頼」という軸の2つの軸から理解していこうという考え方についても、なるほど、と思わせるものがありました。
そういった意味で、本書は、インターネットの世界で起こっているこのイノベーションが、今どういう状況で、どういった意味があるのかということについて理解するために大変有意義でした。
それと、もう一点。
かつて、情報化関係のセクションにいたときに一緒に仕事した上司がさかんに、「インターネット上に情報が膨大に集まるようになったら、それをどう選別するかが難しい。普通の人にはそれができない可能性が高いから、情報を選別してあげるための仕組みが必要」と言っていたことを思い出しました。
この主張に対して私たちは、「むしろそういう情報を選別する能力をつけていくことの方が必要なわけで、誰かにそれを代理でやってもらう必要はないんじゃないか」って言って反論していたのですが、だんだん、上司が主張していたようなことも必要な時代になってきたのかなーと思ったりもします。
本書でも、「自分にとって意味のあるものだけを自動抽出することの重要性は高まるばかりだが、その実現は難しい」として、こうした技術の革新が進められていることが指摘がなされています。
もう7〜8年も前になるわけですが、そんな議論をしながら「情報化構想」を作ったことも懐かしく思い出したりしました。
2006年04月16日
リスクとつきあう−危険な時代のコミュニケーション
リスクとつきあう−危険な時代のコミュニケーション−有斐閣選書 吉川 肇子 (著)
価格 ¥1,680(税込)
ISBN: 4641280304 ; (2000/03)
「リスク・コミュニケーション」という分野がありますが、この本はそのリスク・コミュニケーションに関する社会心理学からのアプローチを行うための入門書としては大変適切な本です。
「リスク・コミュニケーション」って何?という人も多いと思いますが、東京都環境局のホームページによれば、「リスクコミュニケーションとは、地域コミュニティを構成する関係者(市民・行政・企業など)がコミュニケーション(対話)を通じて、リスクに関する情報を信頼関係の中で共有し、リスクを低減していく試みのことです」とのこと。
で、この本を読んでみると、たしかに、企業や行政機関が消費者や住民に対して何らかのマイナスとなる事象を抱えているときに、それを隠すのではなく、その情報を消費者や住民と共有して、議論し、信頼関係を構築した上で、どうしていくべきなのかを一緒に考えていく必要がある、という至極当然な、しかし、なかなかできないことが書かれています。
これって、行政広報における基本的スタンスだよなあ、と思うわけです。得てして、住民に対して不利になる情報は、なるべく公開しないようにして、なんとなく、うまくやってしまいたい、という誘惑に駆られがちなわけですが、そういうことではなくて、対話を積み重ねて信頼関係を構築していく必要がある、と。これは、まさに私が修士課程の頃に修士論文で書いてきたことそのものだなあ、と思いました。要するに私が研究してきたのって、リスク・コミュニケーションだったのか、と新しい発見。
でもって、実は私、今年度から後期博士課程に在籍することにしたのですが、その入学試験のときに、面接官の方から「学部時代に心理学をやったのだったら、その経験も元にして研究を進めると良い」とアドバイスいただきまして、それってこういうことかーと納得。もう少し、社会心理学的アプローチの方から、リスク・コミュニケーションを勉強してみようと思います。
2005年09月13日
広報力が地域を変える!

地域経営時代のソーシャル・コミュニケーション コミュニティ・ブックス
電通プロジェクト・プロデュース局ソーシャルプロジェクト室
¥2,310 (税込)
日本地域社会研究所 ; ISBN: 4890228381 ; (2005/05)
この本は、電通のソーシャルプロジェクト室と名古屋市東京事務所が共同で「名古屋市広報ワークショップ」を実施した際のさまざまな議論や事例紹介を改めてとりまとめ、出版したものだとのことです。
もともとは「土木行政のアカウンタビリティー向上に向けての検討業務」という事業の中での検討だったそうですが、内容はそれにとどまらず、行政広報一般や協働・参画型市民社会における行政広報のあり方、地域ブランド戦略、ソーシャル・キャピタルの強化・充実まで、広く示唆に富む内容となっています。
やっぱり、行政広報を行政の職員だけで考えているのには限界があって、一流の広告代理店や民間企業を含めた全国の広報マン・広報ウーマンたちと議論しながら考えていかなければいけないよなーと実感させる内容でした。
なにせ、当方、まさにこの本に書かれているようなことを広報課時代に課内で議論しようとして、上司に理解してもらえず(^^; 玉砕した経験を持っているもので。。
いやはや、ぜひご一読ください。
2005年07月23日
自治体モバイル戦略

自治体モバイル戦略―ケータイがつなぐ人と地域 ユビキタス社会へ向けて シリーズ《動き出す地域 ユビキタス社会へ》
河井 孝仁 (著), 細田 大造 (著)
価格: ¥1,260 (税込)
信山社 ; ISBN: 4797254408 ; (2005/01)
友人の河井さんの著作です。
ご本人からの推薦の辞。
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「日経コンピュータ」、「月刊ガバナンス」(ぎょうせい)、「電子自治体情報誌 eGOV」各書評でも推奨。
進化しつづける情報通信端末“ケータイ”を活用し、「住民満足度の向上」「地域との協働」「身近な行政」などを実現した、豊富な自治体事例とそれを支える思考に注目。
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ということですが、実際、読んでみると、本当に河井さんが静岡県で取り組んできた事例が丁寧に描かれていて、とても参考になります。
やっぱり、こういう現場の事例をひとつづつ、書籍なり論文なりで紹介していくことの重要性を改めて感じることができました。なにぶん、自治体の現場では、日々、こういう取り組みが行われているのに、そのノウハウや職員の思いが世の中に伝わっていないよなあ、と思っていたので。
で、ぜひみなさん、図書館で注文してでも手にしてみてください!
ということなんですが、実は、この本、「動き出す地域 ユビキタス社会へ」というシリーズの1冊目だったりします。
そして、実はそのシリーズの3冊目、共著者のうちの1人が私になる予定。。まあまだ発売はだいぶ先のようですが。(一応、もう原稿は書きました!)
ご期待ください(笑)
2005年07月03日
Web Designing(ウェブデザイニング)
Web Designing(ウェブデザイニング)一冊定価:1280円
サイズ:A4変型判
出版社: 毎日コミュニケーションズ
発行間隔:月刊
発売日:毎月18日
雑誌コード:01879
「Webサイト構築のためのトータルデザイン誌」ということで、プロからアマまでありとあらゆるウェブ制作者を対象としたウェブ作成のための情報誌です。
で、これがなかなか良い!
ウェブ制作業界の最新動向のほか、大手企業のウェブ担当者へのインタビュー記事があったり、そうかと思うとアクセシビリティについての連載あり、FlashやPhotoshopの効果的な使い方といった企画もあったりします。
さらに何号かごとに、フリーで使える画像などが入ったCDがついてきたりもします。
もちろん、初めてホームページを作ります!という、本当に個人の、ホームページ作成ソフトなどでプライベートなウェブを作っている方には少し難しいかもしれませんが、会社などで自社のウェブを担当している人や、ウェブ制作を仕事にしているウェブディレクターやウェブデザイナーの方々はもちろん、ウェブ制作を発注している発注元の担当者や上司の方、個人のホームページを持っている方で「もっとウェブのことを知りたい!」と思っている方々などにはぜひお勧めします。
毎月、確実にウェブ業界の最新情報がやってくるので、私はこの雑誌を定期購読しています!
とりあえず、近隣のパソコンショップの書籍コーナーなどにも置いてあると思うので、ぜひ一度、手にとってみてください。
ちなみに同様のものには他に、インプレスコミュニケーション社より「Web Creators(ウェブクリエイター)」という雑誌もあります。
2005年05月29日
100億稼ぐ仕事術

100億稼ぐ仕事術
堀江 貴文 (著)
価格: ¥1,575 (税込)
ソフトバンクパブリッシング ; ISBN: 4797325402 ; (2003/11/15)
あのライブドアの堀江社長の著書です。「100億稼ぐ仕事術」というタイトルからは、大変刺激的な内容を想像しますが、実際に読んでみると、きわめて地道な会社経営に関する指南書であることがわかります。
ただ、それだけだったら、ここで紹介しないのですが、読むに値すると思えるのは、インターネットの活用方法について、堀江社長が実践している(場合によっては、実際に活用しているサイトやサービスも含めて)方法が、具体的かつわかりやすく書かれているところです。
もちろん、2年前に書かれた本なので、今ではもっと新しいインターネット技術が出てきていたりすることもありますが(たとえばニュースクリッピングのメルマガが紹介されていますが、これなどは今ではRSSを活用する方が一般的かと。)、今まであまりインターネットやPCを活用していなかった管理職や経営者にとっては、目からうろこな部分も数多くあるのではないかと思います。
もちろん私も、何か所か、参考になりました。
とりあえず、きっと誰もが、我が社の社長に読ませたい一冊、ですね。
ちなみに、文庫本もあるようです。
100億稼ぐ仕事術 SB文庫
ソフトバンクパブリッシング ; ISBN: 4797330848 ; (2005/02/19)
価格: ¥690 (税込)