競争の戦略


連休から読み始め、ノロノロ読んでいましたが、昨夜読み終えました。

15年ぶりぐらいに読みましたがやはり名著ですな。

タイヘン勉強になります。

有名な「five forces」はもちろんですが、私は中盤以降の、成熟産業や衰退産業の戦略に関する部分が非常に参考になりました。

この本は、「five forces」のことが書いてある最初の方だけ読めばいいという人もいますが、私はゼンゼンそうは思いません。

実は15年前に読んだときは、私はタイヤの商品開発をやっておりました。

タイヤ業界は当時から、私の見方は「成熟産業」でしたな。

で、今最も関心があるのは当然に税理士業界のことです。

これも成熟産業(または衰退産業)ですな。

税理士業界などはポーター先生の言う「多数乱立の業界」でもありますな。

で、これらの業界でどのような戦略をとるべきか?また、どんな落とし穴(陥りやすい失敗)があるかということが書かれています。

この辺の記述がすごいと思うのです。

学者の立場でどうしてこんなことがわかるのかと思います。

私は、昔勤務していたタイヤ会社が今でも大好きですが、その会社の戦略(方針)はいろいろ問題があったと思っています。

実はその会社は、トップメーカーではなかったのです。

たしかタイヤ業界は半分以上、F1で有名なブリジストンタイヤだったと思います。

で、そういう状況の会社が「取るべき戦略」があると思うのですが、実際にはポーター先生が言うところの「落とし穴」みたいなことをやっていることが多かったと思いますな。

読みながら、「あーそうそう。やってたやってた。」

と思いました。


で、ポーター先生は、

「業界を変えられるほどの力がないなら無理にシェア獲得に走らないこと。」

などと言われています。

戦略の基本(コスト優位、集中、差別化)で自社のポジショニングを考えろというわけですな。

そもそも基本的にポーター先生は、一番楽なところ(すなわち自社にとって比較優位性があるところ)で戦うべきで、むやみやたらにケンカをしてはいけないと言われていますな。

ここが私は一番好きなところです。

タイヤ会社在職中は、こういうことで差別化商品や、スキマ商品を作ったりしていたのですが、今思うとゼンゼン甘かった。

商品ではなく会社としてのポジショニングをもっと考えるべきだったかもしれません。

平社員の私が考えることでもなかったですが。

(今はその会社は若い人ががんばって、風通しのよい、良い会社になっているようです。)



で、私は今、一応個人事業主で、代表ですから自分の事務所の方針については自分の好きなように出来ます。

この本を参考にして自分の事務所のポジショニングをよーく考えたいですな。

なんせ私はこの業界でまだまだこの先20年、30年と生きていかなければなりませんから。

もう一回読んで勉強しよう!

分厚い本で値段も高いですが、やっぱり時代を超えて役に立つ名著ですな。

再び「読んでみよう」と思わせるきっかけになった有名税理士・岡本吏郎先生の月例情報誌「スモールビジネスのための戦略スケッチ」に感謝します。

岡本先生のこの本に関する解説もまた非常に興味深いですよ。