坪内寿夫の経営独学







以前から読みたいと思っていたこの本を、ついにアマゾンで購入。

栃木県の古本屋さんから昨日届きました。

で、昨日二時間ぐらいで読んでしまいました。

この人に関する本は本当に面白い。

まあ、坪内さんのことをワンマン経営者で強引なところもあったと批判的な人もいるそうですが、

現代に生きる我々は、この人のいいところだけを見て、勉強すればよいと私は思います。

きっとそのうち伝説の経営者として再び脚光を浴びると私は思います。

坪内さんは現代人に欠けている部分をことごとく持ち合わせていると思うのです。

仕事をする上ではどんな本よりも勉強になります。

(ただし、これは経営のノウハウ本ではない。こんなノウハウ使ったら一発で会社は潰れます。凡人には絶対無理ですな。)


例えば、奥道後温泉を開発したときの話ですが、
坪内さんは二千万円を出資し、旅館や料亭経営者が50人集まって各自50万円を出資して合計四千五百万で開発が始まったそうです。

でもいくら掘っても肝心の温泉の湯が出ない。

困った旅館や料亭の経営者は出資金を返してくれと坪内さんに迫ったのです。

で、なんと坪内さんは自分を信じてくれる5人を除く45人の経営者に出資金を返したそうです。普通は返しませんな。

で、そのあとついに温泉を掘り当てた。

すると、なんと裏切った45人は温泉が出たと聞いて、臆面も無く坪内さんに

「湯を使わせてくれ」

と言ってきたそうなのです。

普通だったら途中で裏切った45人に対しては

「ざまあみろ」

で終わりです。

そもそも普通だったら出資金を返したりもしない。
平成の現代ならば「行列のできる法律相談所」の影響で「訴えてやる!」なんていうモメごとが起こって終わり。

ところが坪内さんは、最後まで自分を信じてくれた5人の出資者の了解を得て、その45人の経営者にも温泉の湯を提供することにしたそうなのです。

信じられないですな。

で、もちろん坪内さんはハラが立ったそうなのですが、「ガマンした」というのです。

奥道後温泉を日本一の温泉にするためにはケンカしている場合ではないとお考えになったのでしょう。

でも、そんなガマンできますか?


坪内さんの本を読んでいるとこんな話がいくらでも出てきます。

思えば平成の世の中に生きる我々は、ガマンが足りず、怒りっぽくて、モメ事が好きで、そのせいで結局大切なものを失っているのではないでしょうか?

実に勉強になる素晴らしい本でした。


しかし、なんで坪内さんに関する本はほとんど絶版になっているのでしょうか?

本当に不思議ですな。